介護付き有料老人ホームとは? サービス・費用・入居条件などの特徴、特養との違いを解説

有料老人ホームの中でも、施設職員から24時間介護サービスを受けられる施設を「介護付き有料老人ホーム」と呼びます。住み替えなく終身利用できる施設をお探しの方におすすめです。こちらの記事では介護付き有料老人ホームのサービス・費用・入居条件などの特徴について詳しく解説します。

介護付き有料老人ホームとは? サービス・費用・入居条件などの特徴、特養との違いを解説
遠藤 木実

この記事の監修

遠藤 木実

介護のほんね 入居相談員

介護のほんね 入居相談グループ マネージャー。「介護のほんねの入居相談グループでは、老人ホームをお探しの方から年間2万件近くご相談を承っています。条件に合った施設の提案から見学予約の代行まで、入居相談員が老人ホーム探しをお手伝いします。お困りのことがあれば、お電話やWeb、LINEでお問い合わせください」

介護付き有料老人ホームとは「介護をはじめとする生活支援サービスを24時間いつでも受けられる高齢者向け住宅」

有料老人ホームの中でも介護保険法に基づく基準を満たし、自治体から特定施設入居者生活介護(以下、特定施設)の指定を受けた施設を「介護付き有料老人ホーム」と呼びます。

介護付き有料老人ホームの大きな特徴は、24時間365日、施設職員から介護をはじめとするさまざまな生活支援サービスを受けられることです。医療処置や認知症ケア、看取りに対応している施設も多いため、終身利用できる施設をお探しの方におすすめです。

介護付き有料老人ホームの特徴

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介護付き有料老人ホームと特別養護老人ホームの違い

職員の配置基準は同じですが、民間施設である介護付き有料老人ホームと、公的施設である特別養護老人ホーム(以下、特養)とでは費用や入居条件、サービスが大きく異なります

介護付き有料老人ホームと特別養護老人ホームの違い

特養の場合、初期費用はなく、月額費用もおむつ代込みで5〜15万円程度、さらに低所得者向けに負担軽減制度もあります。人気が高く常に多くの待機者を抱えていたことから、2015年の改正介護保険法によって特養に入居するには原則要介護3以上の認定が必要になりました。この措置によって待機者は以前より少なくなりましたが、それでも入居しづらい状況が続いています。また、多床室が多いことや、施設によってサービスに大きな差がないといった点をデメリットと感じる方もいるかもしれません。

一方の介護付き有料老人ホームは特養よりもお金がかかるものの、居室は基本的に個室でプライバシーが守られています。また、株式会社などの民間企業が運営しているため「医療に強い施設」「リハビリに力を入れている施設」「ラグジュアリーな施設」など、特色あるサービスが提供されています

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介護付き有料老人ホームのサービス

介護付き有料老人ホームでは次のようなサービスが提供されています。

食事・栄養管理サービス

食事については、施設内の厨房で調理した料理を共用部のダイニング(食堂)で提供するスタイルが一般的です。施設によって提供頻度は異なりますが、月に数回程度、季節や行事に合わせた特別な食事(お節料理、うなぎの蒲焼、クリスマスメニューなど)が提供される日もあります。

基本的にどの施設も介護食(きざみ食やソフト食など)に対応していますので、それぞれの摂食嚥下機能に合わせた食事を楽しめます。持病がある場合は治療食(減塩食や糖尿食、腎臓食など)の提供状況についても確認しましょう。

介護・生活支援サービス

介護付き有料老人ホームの場合、必要な介護サービスは入居先のケアマネジャー(施設ケアマネ)が作成したケアプランに沿って、入居先の職員から提供されます。そのため、外部の事業所が提供するサービス──例えば、これまで使っていたデイサービスやデイケア、訪問リハビリなどは利用することができなくなります。

また、サービスの利用料は要介護度別に定額となりますが、標準的な回数や範囲を超えるサービスについては介護保険の支給対象外のため、別途料金がかかります。規定の回数を超える入浴介助、医療機関への付き添い、買い物の代行などがそれにあたります。契約前に施設側からサービスの提供方針や考え方について説明がありますので、よく確認しましょう。

医療・健康管理サービス

介護付き有料老人ホームでは看護師が少なくとも日中常駐しており、バイタルチェック服薬管理健康相談緊急時や往診時の対応入院時の付き添いなど、入居者の方の健康管理全般を担っています。

施設によって異なりますが、たん吸引やカテーテル管理、胃ろう・腸ろう管理、在宅酸素療法、インスリン注射、褥瘡(床ずれ)ケアなどの医療処置への対応も可能です。ただし、夜間や早朝にも医療処置が必要な場合は、看護師が24時間常駐している施設に相談する必要があります。

また、協力医療機関の医師と連携し、看取りまで対応している施設も多くあります。

リハビリテーション

介護付き有料老人ホームで提供されるリハビリテーションは、今できることを維持するための機能訓練が中心となります。

基本となるのは、介護職員の声かけや見守りのもとで、立つ・歩く・着替える・食事を取るなど日常生活動作(ADL)をなるべく自身の力でおこなう生活リハビリです。そのほか、施設によって内容や頻度は異なりますが、体操やストレッチなどの集団リハビリや道具やマシンを使った個別リハビリなども実施されます。

なお、施設には次のいずれかの資格を持つ機能訓練指導員を常勤で1名以上配置することが義務付けられており、それぞれの専門性を活かしたプログラムを提供しています。

機能訓練指導員の保有資格
看護師/准看護師/理学療法士(PT)/作業療法士(OT)/言語聴覚士(ST)/柔道整復師/あん摩マッサージ指圧師/鍼灸師

レクリエーション

入居者同士の交流や介護予防、認知症予防のために、施設によってさまざまなレクリエーションが実施されています。主に施設職員が中心となって体操脳トレ工作カラオケ合唱絵画書道将棋麻雀など多種多様なアクティビティが実施されます。中には外部講師を招いたり、入居者自身が講師を務めたりする施設もあるようです。また、誕生日祝い季節行事日帰り旅行が企画されることもあります。

生活相談サービス

施設での生活に困っていることがある場合は生活相談員と呼ばれるソーシャルワーカーが相談に応じます。施設の入退所の手続きをはじめ、利用者や家族からの相談・苦情の対応、医療機関や行政機関との連絡調整など、入居者の方が快適に生活できるようサポートします。

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介護付き有料老人ホームの職員

介護付き有料老人ホームの場合、介護職は24時間常駐、看護職は日中常駐することになっています。配置される介護・看護職員の数は要介護者3人対して1人が基準です。

中には、職員の比率を2.5:12:1にしたり、看護師を24時間常駐させたりと、基準より手厚く人員を配置している施設もあります。

そのほか、リハビリテーションをおこなう機能訓練指導員や、ケアプランを作成する介護支援専門員(ケアマネジャー)がいます。

介護付き有料老人ホームの人員配置基準(いずれも常勤換算)

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介護付き有料老人ホームの設備

介護付き有料老人ホームはバリアフリー仕様となっています。段差や廊下・出入口の幅、手すり・エレベーターの設置について規定が設けられており、車いすでもスムーズに移動できるよう配慮されています。

居室は1人または2人部屋です。広さの基準は1人あたり13㎡以上ですが、18㎡以上あることが一般的です。通常、トイレと洗面は居室に備え付けられていますが、浴室やキッチンについては共用部に設置されることが多くなっています。

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介護付き有料老人ホームの費用

介護付き有料老人ホームは手厚いサービスが魅力ですが、その分ほかの施設形態と比較して費用が高めです。

介護付き有料老人ホームの費用

初期費用

入居時にかかる初期費用は前払い方式月払い方式かによって大きく異なります。

前払い方式は数年分の家賃を入居一時金として支払うことで、施設の終身利用権を得る方法です。施設によって異なりますが、通常5〜10年分の家賃を前払いするため、入居時に数百〜数千万円というまとまったお金が必要です。

一方の月払い方式は家賃を含む利用料を毎月支払う方法で、入居一時金はかかりません。その代わりに敷金や保証金などの名目で数ヶ月分の家賃を支払うケースがあります。相場は1〜2カ月分のため、かかるとしても数十万円程度です。

なお、入居のハードルを下げるため、月払い方式を選択できる施設が多数派を占めます。有料老人ホームに入居するには必ずしも多額のお金が必要というわけではありません。

月額費用

毎月かかる費用は主に家賃管理費水道光熱費食費サービス費です。

サービス費のうち、施設で標準的に提供される介護サービス(特定施設入居者生活介護)については介護保険の支給対象となり、自己負担率は前年所得に応じて1〜3割。それ以外のサービスについては介護保険の支給対象外となるため、全額自己負担となります。

介護付き有料老人ホームの月額費用の相場

なお、介護保険サービス費を除き、各項目の定義は施設によって異なります。どの項目にどのような費用が含まれているかについては、パンフレットや重要事項説明書などをよく確認してください。

また、上記以外にも医療費通信費理美容費日用品代おむつなどの介護・衛生用品代などもかかりますので、資金計画を立てる際にはこれらの費用についても考慮しましょう。

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介護付き有料老人ホームの入居条件

入居者

介護付き有料老人ホームの約半数が自立〜要介護までお身体の状態を問わず入居できる混合型の施設です。次いで要支援または要介護の認定が必要な施設が約3割、要介護の認定が必要な施設が約1割と続きます。

言い方を変えると、要支援以上の認定を受けている方であれば大半の施設が、自立の方でも約半数の施設が検討対象になります。そのほか、各施設の受け入れ体制によって認知症の程度医療処置の要否などが条件に入ってきます。

同居者

配偶者や親族の方であれば、同居することができます。自立型の施設の場合は同居の方も要支援・要介護の認定を受けていないこと(自立であること)が条件になります。

保証人

介護付き有料老人ホームに入居するには、各種手続きの代行費用滞納時の債務保証死亡時の遺品の引き取りなど、入居後の生活をサポートしてもらうため、保証人を立てる必要があります。保証人不要の施設はほとんどなく、身寄りがない場合は成年後見制度や保証会社を利用することが一般的です。

退去となるケース

手厚いケアが受けられる介護付き有料老人ホームですが、お身体の状態によっては入居の継続が難しくなります。とくに医療処置が必要になると退去となるケースが多いようです。看護師がいるとはいえ、施設で対応できる処置には限りがあることを念頭に入れておきましょう。

そのほか認知症の症状が進行して暴力や暴言などの迷惑行為がある場合、費用の滞納がある場合にも退去を求められます。

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介護付き有料老人ホームの入居までの流れ

介護付き有料老人ホームに入居するまでの流れは次のようになります。

介護付き有料老人ホームの入居までの流れ

問い合わせ

「介護のほんね」では老人ホーム探しのお手伝いをしています。入居相談員に現在お困りのことご希望の条件をお聞かせください。条件に合った施設を提案いたします。

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見学

気になる施設が見つかったら、見学予約を入れます。3〜4施設見学し比較する方がほとんどです。見学時間はおよそ1〜2時間程度です。確認したいポイントは事前にまとめておき、見学当日は遠慮なく質問しましょう

申し込み(仮押さえ)

見学した施設が気に入れば申し込み(仮押さえ)をします。ご家族との相談中にほかの方の入居が決まってしまうこともあります。ご契約前であればいつでもキャンセルできますので、検討から外れない限りは仮押さえしておくことをおすすめします。なお、仮押さえできる期間は施設によって異なりますので、あらかじめ確認しておくと安心です。

審査

施設の指示に従って審査に必要な書類を提出します。健康診断書や診療情報提供書は取得するのに1〜2週間(場合によっては1カ月程度)かかるため、早めに準備しておくと手続きがスムーズです。

審査に必要なもの(必ず施設にご確認ください)
  • 入居申込書
  • 印鑑
  • 健康保険被保険者証のコピー
  • 介護保険被保険者証のコピー
  • 介護保険負担割合証のコピー
  • 収入証明書(課税証明書の原本など)
  • 健康診断書、または、診療情報提供書

面談

入居されるご本人とご家族、施設担当者で面談をおこないます。施設側から施設の運営方針や設備、サービス、月々のお支払い額について改めて説明があります。ご本人やご家族が希望するサービスと施設が提供できるサービスの間にミスマッチがないかを確認した上で、最終的に入居の可否を判断します。

契約

審査と面談が完了したら、本契約を結びます。施設側から重要事項に関する説明がありますので、不明な点があれば必ず確認し、納得した上で契約書に押印しましょう。

契約に必要なもの(必ず施設にご確認ください)
  • 入居契約書
  • 印鑑
  • 写真
  • 住民票の写し、または、住民票記載事項証明書

振り込み

契約手続きが完了したら、施設の指示に従って初期費用(当月・翌月分の家賃、敷金、入居一時金など)を振り込みます。

入居

入居日に向けて引越しの準備を進めます。家具や家電については、居室や共用部に備え付けのものがある施設もありますので、持ち込み可能なものは何かあらかじめ確認しておきましょう。

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介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット

介護付き有料老人ホームのメリットとデメリットをまとめると次のようになります。

メリット デメリット
  • 24時間介護を受けられる
  • 医療連携が取れている施設が多い
  • 看取りに対応している施設が多い
  • 住み替えの可能性が低い
  • 費用の変動が少ない
  • 要介護度が低いと割高なことも
  • 外部の介護サービスが利用できない
  • 外出や面会に制限があることが多い

「介護のほんね」入居相談員からのメッセージ

「介護のほんね」入居相談員:遠藤より

介護付き有料老人ホームは、手厚い介護を受けながら生涯住み続けられる施設をお探しの方におすすめです。介護職が24時間常駐、看護職も少なくとも日中常駐しているため、安心感があります。

しかし、サポートが手厚いぶん住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などと比べると費用がかかる傾向にあります。中には不要なサービスもあるかもしれません。例えば、医療処置が不要な方の場合、看護師24時間常駐の施設よりも日中のみ常駐の施設のほうが費用を抑えられるケースもあります。

また、提供サービスによって入居される方の層も変わりますので、実際見学してみると「思っていたのと雰囲気が違った」と感じることもあるかもしれません。

そういったミスマッチを防ぐためにも、「介護のほんね」の入居相談員へご相談ください。ご希望をしっかりお伺いし、ニーズに合った施設をご提案いたします。

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「介護のほんね」掲載中の介護付き有料老人ホームへのインタビュー

最後に「介護のほんね」に掲載されている施設から介護付き有料老人ホームに取材した記事を紹介します。

医療に強いホーム

リハビリに強いホーム

認知症ケアに強いホーム

個別ケアに強いホーム

アットホームな雰囲気のホーム

老人ホームらしくない雰囲気のホーム

景色が自慢のホーム

憧れの高級ホーム

更新履歴
  • 2023/02/17 一部更改(画像の差し替え)
  • 2023/02/16 一部更改(画像の追加など)
  • 2023/01/30 全面更改
  • 2022/11/30 全面更改
  • 2020/07/01 初版公開

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