介護付有料老人ホーム・コンシェール徳丸は、東京都板橋区にある介護付有料老人ホームです。66室70名の定員に2:1の手厚い人員体制が魅力。介護スタッフ以外に、専属の機能訓練士やコンシェルジュ、ドライバースタッフも配置されている高級老人ホームです。
運営会社である株式会社リエイの小川未央(おがわみお)さんはコンシェール徳丸の魅力について「高い柔軟性」と語ります。規則やルールなどで縛られている施設も多いなか、コンシェール徳丸は、入居者様がのびのびと生活できるようオンリーワンのサポート体制を整えているのが魅力です。ではいかにしてコンシェール徳丸は入居者様一人ひとりに合わせた対応をしているのでしょうか。
実現するために工夫している点、またオンリーワンの対応の魅力について伺いました。
柔軟な対応を実現するための深いコミュニケーション
コンシェール徳丸のコンシェルジュ
――コンシェール徳丸にはコンシェルジュがいると伺いました。具体的にどのような役割なのでしょうか。
ホテルのコンシェルジュと同じように入居者様の細やかなご要望を叶えるのがコンシェルジュの役割です。入居者様によって「あれが食べたい」「あそこに行きたい」などやりたいことはたくさんあります。
――確かに入居者様によってやりたいことや理想の生活は違いますよね。
その通りですね。人は十人十色ですから、入居者様によってやりたいことはまったく違います。
だからコンシェール徳丸では入居者様の理想の生活をお伺いし、それに近づけるようにサポートをしています。
つまり「入居者様一人ひとりに合わせたオンリーワンの対応をすること」ですね。入居時に入居者様のこれまでの人生について伺い、お体の状況確認だけでなく、考え方や大切にされていることなどをお聞き、把握できるよう努めています。すると「入居者様が何を求めているのか」「何をしてもらったら嬉しいのか」などが分かります。入居者様一人ひとりで違う対応ができるようになるのです。
――なるほど。どのようにして入居者様のパーソナルな部分を把握するんですか?
コンシェール徳丸には実際に介護をするスタッフのほか、コンシェルジュや生活相談員、ケアマネジャー、看護師、支配人などが常駐しています。これらの人員は専門職としての業務のほか、日常的に入居者様に寄り添う役割も担っています。
特に生活相談員とケアマネジャーは入居してから1~2週間程度は、特に頻繁に入居者様のもとに伺ってコミュニケーションをとります。
――1~2週間も時間をかけるんですね!
そうなんです。知らない人からヒアリングを受けるわけですので入居者様も最初は緊張したり、不安だったりします。パーソナルな部分を伺ううえで、ご入居前のヒアリングだけではなかなかお話しいただけません。あくまで自然なコミュニケーションでお話しながら、ヒアリングすることで段々と入居者様も心を開いていただけるのです。
――なるほど。その間も細やかな要望を相談できるのでしょうか。
もちろんです。むしろ気兼ねなく、何でも相談していただけると嬉しいですね。そのぶん、生活相談員やケアマネジャーなどとの距離が近くなり、信頼していただけるようになりますので。
例えば認知症による帰宅願望が強い方であれば、何か困ったことが合った際に「家族に相談しなきゃいけないから帰らせて」とお願いをなさる場合があります。そこで生活相談員が丁寧にトラブルを伺って解決すると「この制服の人は困りごとを解決してくれる存在なんだ」と思って信頼してくださるのです。
入居者様だけでなくご家族にも個別の対応を意識
――なるほど。最初の1~2週間で入居者様との距離を縮めるのですね。
その期間のコミュニケーションには特に力を入れていますね。またご家族個別のご要望にも柔軟に対応しています。
――例えばご家族のどのような要望を叶えてもらえるのですか?
あるご夫婦のエピソードをご紹介しますね。認知症のご夫婦で奥様はご入居いただけたのですが、旦那様は施設入居を頑なに拒否されていたんです。ご家族は、ひとりご自宅でお暮らしのご主人様をどのように説得するか、悩まれているご様子でした。
そこで私たちはご主人様へのおもてなしを欠かさず、ご主人様が奥様の面会にいらっしゃった際にはお昼ごはんを召し上がっていただき、ゆっくりと施設で過ごしていただいたのですね。
すると、ある冬の寒い日に、施設内で温まっていたら戻るのが面倒になられたようで、急遽1泊されました。その翌日からそのままご入居され今ではすっかり施設での暮らしになじまれています。
――素敵なお話ですね! それほどまでにご家族のご要望にも柔軟に対応できる、と。
はい。そうですね。幅広いご要望に対応しております。
また、特に認知症の入居者様の場合、私たちのサポートをお忘れになってしまって「施設職員は何もしてくれない」とご家族に報告される方もいらっしゃいます。
もちろんご家族も「そんなわけはない」と分かっていらっしゃいますが、それでも離れていると心配なお気持ちになると思います。そこで日々の様子を写真や動画で撮影し、共有させていただくこともあります。これもご家族に安心していただくための工夫ですね。
施設によってはルールがたくさんあるはずです。しかしコンシェール徳丸では、入居者様に向けても、ご家族に向けても、ほとんどの出来事は職員の工夫によって解決できると思っています。
――非常に職員の方々のレベルの高さを感じます。
そうですね。コンシェール徳丸をはじめ、コンシェールシリーズは株式会社リエイのなかでもハイグレードな施設です。そのぶん、入居者様もご家族も期待をされていると感じます。
だからこそ「気持ちに寄り添うこと」「おもてなしの姿勢」が重要になってくると思っているんです。姿勢や言葉遣いなどのスキルだけでなく、入居者様の満足を考えられるメンバーが揃っていると思います。
味わいや彩りはもちろん「楽しみ」も重視した食事
コンシェール徳丸のお食事
――生活相談員やケアマネジャーが集めた入居者様の情報を共有する場所などはありますか?
毎日の朝礼で健康状態をはじめとした、毎日の入居者様の変化についても共有しています。施設内の職員はもちろん、厨房スタッフも参加します。
――生活相談員やケアマネなどが参加するのは分かりますが、厨房の職員は珍しいですね。どうしてでしょうか。
その日の入居者様の体調に合わせて食事も変化させるべきだと考えているからです。同じ考えから、コンシェール徳丸では実際に調理をするシェフも配膳をします。入居者様のもとに運んでお身体の様子を確認するのはもちろん、コミュニケーションを通して味や食材について感想をいただきます。そうしたことがスピーディーに毎日のお食事を改善することにつながっています。
――なるほど。お食事の面で意識していることはありますか?
はい。お食事では1週間に1度「イベント食」といって、いつもより豪華にしたり、季節の食事を取り入れたりしています。なかでも薬膳料理を提供しているのが特徴です。国際中医薬膳管理師監修のもと、季節に合わせて冷え性対策のお料理やむくみ解消のメニューなどを提供し健康維持に配慮しています。
また「美食倶楽部」という、いつもよりも豪華な食事を提供する企画もあります。お刺身やお寿司などのなまものや、夏にはハモ、冬はカキなど、老人ホームではなかなか味わえない食材もお出ししています。皆さま、とても楽しみにされているんですよ。
さらにレクリエーションの一環として「外食の日」を設け、少人数のグループでレストランや料亭に食事をしにいくこともありますよ。新型コロナウイルスが流行してからは、外出が難しくなりましたが……。
――車イスの方などはお連れするのが大変ではないでしょうか。
そうですね。「ドライバー」というポジションが2名いるからこそできると思います。そのほかにも入居者様から「フルーツを食べたい」「〇〇のお洋服がほしい」などのご要望があれば、ドライバーが買ってくることもできます。コンシェルジュだけでなく、ドライバーが連携しているからこそ生活の自由度が高まるのです。
入居者様間での歓談が絶えない明るい施設
――確かにその通りですね。お話を伺っていると、一緒に 外食に行くなど、入居者様同士の雰囲気も明るそうですね。
そうですね。外食ができなくなってからは1~4階までの各フロアで話しあって「食べたいもの」を決めていただき、スタッフと入居者様で作るという「食事レク」を実施しています。4階の比較的自立された方が多いフロアでは、神戸牛を堪能しながら飲み会をしていましたね。
入居者様が神戸牛を食べる様子
――そうなんですね! 神戸牛とは豪勢ですね。
ある方が発案されたそうで、みなさんで楽しそうに歓談しながらお食事されてましたね。
――他の介護度が重い方々は、入居者様同士でコミュニケーションを取られているのでしょうか。
やはり認知症が進行されている方は、少し前に話した内容も忘れてしまわれるのですが、それでも自然と波長が合うスタッフや入居者様を感じ取るようで、そういった方々とにこやかに会話をされていますね。
というのも最初にヒアリングをした内容を踏まえて、こちらで気が合いそうな方同士でコミュニケーションが生まれるように調整しているのです。朝の体操や、食事の席を近くしたりと工夫をしています。
――細やかな部分まで気を配っていらっしゃるんですね。先ほど「お風呂」とありましたが、入浴の時間は決まっているのでしょうか。
目安としては週に3回で、午前中から17時くらいまでですね。すべて個別浴で、職員が介助をします。お一人でご入浴ができる方は毎日でもご入浴が可能です。
――入居者様の1日の生活の流れを伺ってもよろしいですか?
はい。ただし先ほど申しました通り、必ずタイムスケジュール通りというわけではなく、ご要望には柔軟に対応できます。あくまで目安として捉えていただければと思います。
起床は皆様6時から7時ごろですね。7時30分から9時くらいの間で朝食を召し上がります。できれば、食堂に集まっていただいて皆様でいただきたいですが、誤嚥がない方は居室でもお召し上がりいただけます。お食事の後は10時くらいから30分程度、機能訓練士と体操をします。体操は性別を問わず、ほとんどの方がご参加されますね。
コンシェール徳丸のリハビリ室
体操が終わったら昼食まで思い思いに過ごされます。お花が咲いている花壇まで歩いて水をあげたり、施設を散歩されたりと、比較的運動をしている方が多いです。この時間から入浴される方もいらっしゃいますね。その後、12時ごろから昼食を取ります。
昼食後はレクリエーションがありますが、テーマによって参加率はまちまちです。園芸や手芸、フラワーアレンジメントなどのクラブ活動やカラオケなど、その方がご自宅で楽しまれていたことを取り入れています。
現在は外出が難しいので、オンラインで弊社が運営する別施設をつないで、ご当地の風景などを画面越しに楽しんでいます。この間は札幌のデイサービスと画面をつなぎ、現地の紅葉を見ました。スタッフが各地域の名物紹介などをするんです。回想法にもつながると思います。
15時にお茶とおやつの時間があり、夕方はご入浴や自由におくつろぎいただき、18時30分から夕食のお時間です。夕食後も歓談を続けている方は多いですね。会話が落ち着いたら、21時ごろにはお休みになります。
たとえ高齢でも「新たな生きがい」は見つかる
交流の様子
――ありがとうございます。日課や体操をしたりクラブやレクに参加したりと、活動的に過ごされていますね。
そうですね。入居者様のご家族のご意向としても「これからも前向きに充実した生活を送ってほしい」と思っていらっしゃるケースが多いんです。
――なるほど。コンシェール徳丸の入居者様の前向きさが分かるエピソードはありますか?
98歳で1人暮らしをされていた方は、ご高齢になられて一人暮らしが大変になり、コンシェール徳丸に入居されました。
入居直後に比べると、顔色も非常に良くなりましたし笑顔も増えたように思っています。先日ささやかながら99歳の誕生日をお祝いしました。そこで「99歳の目標は?」と尋ねると「今年は断捨離をする」と宣言されました。また「施設のなかで親友ができました」と嬉しそうに他の入居者様を紹介してくださりました。99歳にして目標ができたということ、ポジティブに生活できているということが職員一同嬉しかったですね。
――コンシェール徳丸の良い雰囲気が伝わるエピソードですね。
そうですね。「生きがいが見つかった」という意味では「ペット」にまつわるエピソードもございます。
――ペットですか?
はい。実はコンシェール徳丸はペットと一緒に入居できます。ペットシッターと提携しているので、安心してお世話を任せていただけます。これまでにもワンちゃんと一緒に入居された方もいらっしゃいます。その方は入居時はやはり一緒に暮らしていた愛犬と離れがたく、「ペットは絶対に一緒じゃないといけない」とおっしゃるわけです。
しかし、入居して数カ月後、ご家族がワンちゃんを引き取られました。
――どうしてですか?
入居前はペットのお世話が生きがいであったのでしょう。
しかし入居後はスタッフや他の入居者様との交流や、レクリエーションやクラブ活動などでまた別の生きがいを見つけられる。ペットのお世話以外でも目標ができたのだと思いますね。
――なるほど。とても興味深いエピソードですね。最後に読者の方にメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
介護において「困っている」「どうしたらいいんだろう」という解決できない悩みはあると思います。その際は身構えずにコンシェール徳丸にお越しいただき、気軽にご相談ください。それでご家族の気持ちが少しでも楽になっていただけたら、とても嬉しいです。
私どもは、入居者様やご家族の気持ちに寄り添い「安心できる」施設で有りたいと思っておりますので、お困りごとがございましたらぜひご相談ください。
老人ホーム・介護施設の概要
施設名:コンシェール徳丸
事業者名:株式会社リエイ
住所:東京都板橋区徳丸7-17
コンシェール徳丸の詳細ページ
この記事の寄稿者
緒方
介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。