【最新版】介護休暇とは|期間中の給料・介護休業との違い・時間単位の解説など

介護休暇は、要介護状態の家族がいる場合に、会社を休む時に取得できる休暇です。2021年1月の制度改正によって時間単位での取得が可能になり、さらにより多くの労働者が利用できるようになりました。

今回は介護休暇の基本情報のほか「休暇中の給料は支払われるのか」「介護休業との違いは何か」などについて解説します。

ただし国としての制度はありますが、勤め先の規定のほうが優先です。ほとんどの会社でルールが決められているはずですので、利用する際にはあらかじめ会社の規定を読み込んでおくことをおすすめします。

【最新版】介護休暇とは|期間中の給料・介護休業との違い・時間単位の解説など
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

介護休暇とは

「介護休暇」とは介護をしながら働き続けられるよう、通常の年次有給休暇とは別に休暇を取れる制度です。休暇の日数は、介護が必要な家族1人につき1年で5日(所定労働時間×5)、2人以上の場合は10日(所定労働時間×10)となります。

家族の介護が始まると「介護施設を探す必要がある」「つきっきりで在宅介護が必要になった」などの理由で会社を休まなければならない場合があります。「有給休暇だけでは休みが足りない」「休暇を取得しすぎて会社に言いにくくなってしまった」というケースでも役立つ制度です。

介護休暇は「育児・介護休業法」で定められている制度

介護休暇は「育児・介護休業法」という法律に基づく制度です。

すべての事業者に対して法律で定められています。取得条件に該当しない場合や労使協定で特別な取り決めがされていない限り、会社に申請をすれば必ず取得することが可能です。

2021年1月1日の改正で1時間単位での取得が可能に

2021年(令和3年)1月1日には育児・介護休業法施行規則等が改正され、介護休暇制度も一部が変更されました。改正のポイントは「時間単位で取得できるようになったこと」「すべての労働者が対象になったこと」です。

以前は1日ごと、もしくは半日単位での取得しか認められていませんでしたが、改正によって1時間単位で申請できるようになりました。例えば「介護施設の見学のために3時間だけ休みたい」という場合でも半日~1日単位で休む必要がありました。

しかし1時間単位で使えるようになったことで、通院の付き添いやケアマネジャーとの相談、介護施設の見学など、短時間で済む場合にも介護休暇を利用しやすくなりました。

また以前は、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は介護休暇を取得できませんでした。しかし現在は、労働時間の制限なくあらゆる労働者が取得できるように改正されたことも、大きな変更点です。

ただし雇用期間が6カ月未満や日雇い労働者などの場合は、対象外となる可能性もあります。詳しくは次の「介護休暇を取得できる条件」の項目で解説しますので参考にしてください。

介護休暇を取得できる条件

介護休暇を取る際は「家族が要介護状態であること」が前提です。さらに「雇用期間」「対象となる家族の続柄」も条件になっています。どのような条件を満たせば介護休暇を取得できるのでしょうか。

対象者が「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」

1つ目の条件は、対象となる家族が「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」にあることです。「常時介護を必要とする状態」の判断基準は、育児・介護休業法によって次のどちらかに該当する場合と定められています。

  • 要介護認定で「要介護2」以上と判定されていること
  • 次の表の①~⑫の項目で「2」が2つ以上、または「3」が1つ以上該当し、かつその状態が継続すると認められること
常時介護を必要とする状態

雇用期間

介護休暇を取得できるのは、雇用期間が6カ月以上のすべての従業員です。正社員、契約社員、アルバイトなどの雇用形態には制限がありません。入社して6カ月以上が経過していれば介護休暇を取る権利があります。

ただし、次のどちらかに該当する場合は休暇を取得できません。

  • 日雇い労働者
  • 「1週間の所定労働日数が2日以下」の労働者について、労使協定で介護休暇を取得できないと決まっている場合
参考:厚生労働省「介護休業制度特設サイト/介護休暇とは

家族との続柄

介護の対象となる家族の続柄も、取得条件に含まれています。対象として認められるのは、次のいずれかの場合です。

  • 父母(養父母を含む)
  • 配偶者(事実婚の場合を含む)
  • 子(養子を含む)
  • 配偶者の父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

「父母」「子」には「養父母」「養子」も含まれるほか、事実婚の配偶者、つまり内縁の夫や妻も対象となります。しかし叔父や従兄弟などは対象外となり、介護休暇の取得が認められません。

介護休暇は公務員も取得できるか

「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」には次のような規定があり、行政執行法人職員を除く一般職に属する国家公務員については取得が認められています。

職員の休暇は、年次休暇、病気休暇、特別休暇、介護休暇及び介護時間とする。
引用:e-Gov法令検索「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)」

一方、地方公務員の休暇などに関しては自治体ごとの条例で定められています。そのため、絶対に取得できるとはいいきれません。しかし基本的には国家公務員に準じる形で、介護休暇を取れるケースが多数のようです。

取得可能な休暇日数

取得可能な休暇日数

介護休暇を取得できる日数は、対象家族が1人の場合は1年度につき5日2人以上の場合は10日までです。対象が3人以上でも10日以上は休めません。なお「1年度」とは、事業主が特別に定めていない場合は毎年4月1日から翌年3月31日までを指します。

また冒頭でも紹介したとおり、2021年1月1日に施行された改正によって、1時間単位で休めるようになりました。そのため、最短1時間から最長5日間(1日の所定労働時間×5日分)の休暇を取れるのです。

時間単位で休む場合の注意点

ただし時間単位の休暇には注意が必要な部分があります。制度の注意点を紹介します。。

法的にに「中抜け」はできないが、法を上回る制度として企業に「中抜けあり」を奨励

原則として、就業時間の途中から時間単位の休暇を取り、再び就業に戻るという「中抜け」は認められていません。

ただし行政から企業向けの資料に「法を上回る制度として『中抜け』ありの休暇取得を認めるように配慮をお願いします」とあり、会社の規則によって認めることを奨励しています。事前に勤め先に相談をしておくことをおすすめします。

出典:厚生労働省「就業規則への記載はもうお済みですか

取得可能な合計時間は労働者によって異なる

先述したように介護休暇は対象者1人に対して5日、2人以上だと10日の休みが付与されます。ただし介護休暇の1日あたりの所定労働時間は、雇用契約によって人それぞれ異なります。そのため取得できる介護休暇の総時間数も変わるのです。

例えば所定労働時間が6時間の方は「6時間×5日」で30時間の休暇が取得できます。所定労働時間が8時間の場合だと「8時間×5日」で40時間となるのです。自分の所定労働時間が何時間なのかを把握しておくことが必要になります。

所定労働時間の端数は時間単位に切り上げ

契約によっては「7時間30分」など、所定労働時間に端数が生じる場合もあります。端数は切り上げるのが決まりです。所定労働時間が「7時間30分」の場合、「8時間」として計算されます。

介護休暇中の給与は会社ごとの規定で決まる

介護休暇中の給与については、法的な規定がありません。

そのため有給か無給かは勤め先の規定によって異なります。「給料の何割かは支払われる」という企業もあれば、完全に無給のケースも多くあるので会社側に確認しておくことが必要です。

介護休暇には給付金がない

後述するように「介護休業」には「介護休業給付金」という制度があります。しかし「介護休暇」には給付金の制度がありません。

つまり介護休暇中の収入は「会社が介護休暇中に給料を支払うかどうか」のみにかかっているのです。休暇を取る前に就業規則をしっかりと確認することをおすすめします。

介護休暇の申請方法

介護休暇の申請は、書面でも口頭でも可能です。また法的には「絶対に事前に申請しなければいけない」という規定もありません。制度上は当日の電話による申出も可能です。

しかし会社によって年次有給休暇などの申請方法も異なるように、介護休暇についても会社ごとにルールが決まっている場合があります。所定の書面の提出を求められることもありますので、事前に確認しておくと安心です。

申請方法に関わらず、介護休暇を取得するにあたって会社に伝えるべき事項は決まっています。内容は以下の4点です。

  • 労働者の氏名
  • 対象家族の氏名および労働者との続柄
  • 介護休暇を取得する年月日(時間単位で取得する場合は、介護休暇の開始および終了の時間も必要)
  • 対象家族が要介護状態にある事実
参考:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし/10 介護休暇制度」

「対象家族の氏名および労働者との続柄」「対象家族が要介護状態にある事実」については、会社から証明書の提出を求められる可能性もあります。ただし、証明書の提出は休暇後でも可能です。緊急を要する場合は会社に事情を伝え、休暇後に早急に提出します。

介護休暇と介護休業との違い

「介護休暇」とよく似た言葉に「介護休業」があります。混同しがちですが、性質の異なる制度です。家族の介護をしている方は両方を取得する可能性があります。状況に応じて適切に使い分けられるよう、条件や取得できる日数などの違いを理解しておくことが大切です。

介護休業を取得する条件

「介護休業」の取得条件には「介護休暇」と共通している部分と異なる部分があります。具体的に見ていきます。

介護休暇と共通する条件

共通している条件は「要介護状態の対象者の有無」と「対象となる家族の続柄」です。前述した介護休暇の条件をクリアしていれば、介護休業も取得できることになります。

介護休暇と異なる条件

介護休暇と異なるのは「雇用期間」に関する条件です。介護休暇と介護休業との違いを表にまとめましたので、確認してください。

雇用期間に関する条件の比較
介護休業 介護休暇
取得条件
  • 雇用期間が1年以上の全ての従業員
  • 取得予定日から起算して93日を経過後、6カ月以内に労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかではないこと
  • 雇用期間が6カ月以上の全ての従業員
取得できない場合
  • 日雇い労働者
  • 雇用期間が1年未満の場合
  • 労使協定で対象外と決まっている場合
  • 有期契約労働者で、取得予定日から起算して93日を経過後、6カ月以内に労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかな場合
  • 日雇い労働者
  • 「1週間の所定労働日数が2日以下」の労働者について、労使協定で介護休暇を取得できないと決まっている場合

大きな違いは「介護休暇」は雇用期間6カ月以上の従業員が対象であるのに対して、「介護休業」では雇用期間1年以上の従業員を対象としている点です。

また「介護休業」制度は、休業後に復職することを前提としています。そのため休業が認められる期間の後、半年以内に労働契約が満了することが決まっている場合は対象外です。

雇用期間が6カ月以上1年未満の場合など、「介護休暇」は取得できても「介護休業」は取れないというケースもありますので、注意してください。条件の違いをしっかり理解したうえで、自分が使える制度には何があるのか確認しておくことが重要です。

介護休業の休暇日数

「介護休業」では、対象の家族1人につき通算93日まで休みを取得できます。取得回数は3回まで分割することが可能です。たとえば「93日間の休みを1回」でも「31日間の休みを3回」でも問題ありません。

ただし「93日」という上限は、1年度あたりではなく通算の日数です。年度が変わったとしても新たに付与されることはありません。

一方で「介護休暇」は「1年度あたりに5日」です。次の年度になれば改めて5日間の休暇を申請できます。

連続して長期間の休みが必要な場合は「介護休業」単発的に1日や時間単位などの短い期間で休みを取りたいときは「介護休暇」を選ぶのをおすすめします。

介護休業についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

介護休業中の給与

「介護休暇」と同じく「介護休業」の期間中の給料についても、法的な規定はありません。そのため企業によって支給の有無や金額も異なります。

介護休業給付金

「介護休業」の場合に限って申請できる「介護休業給付金」という制度があります。介護休業中の金銭的負担を軽減するため、一定の金額を受給することが可能です。

介護休業給付金の受給には次の4つの条件があります。

介護休業給付金の4つの受給条件
介護休業前の就業日数
  • 介護休業開始日以前の2年間に、11日以上就業した月が12カ月以上あること
  • 1年以上の雇用期間があること
介護休業中の就業日数
  • 介護休業中に仕事をした日数が月に10日以下であること
介護休業中の賃金
  • 介護休業中の1カ月あたりの賃金が、休業前の賃金の80%未満であること

支給される金額は、最大で賃金の67%です。休業期間中に賃金が発生しているかどうかによって、給付金の金額は異なります。

「介護休業」は「介護休暇」と違って長期間の休みになりますので、収入への影響も大きいものです。受給条件にあてはまる場合は、介護休業給付金の申請を忘れてはいけません。

介護休業給付金については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

介護休業の申請方法

「介護休業」の申請は、休業を開始したい日の2週間前に申し出ることが定められています。2週間前を過ぎてしまうと希望どおりに休めなくなる可能性がありますので、注意してください。

申請方法は、以下の事項を書いた「介護休業申出書」を会社に提出する方法が基本です。

  • 申出の年月日
  • 労働者の氏名
  • 申出に係る対象家族の氏名および労働者との続柄
  • 申出に係る対象家族が要介護状態にあること
  • 休業の開始予定日および終了予定日
  • 申出に係る対象家族についてのこれまでの介護休業日数
参考:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし/08 介護休業制度」
参考:厚生労働省「05 社内様式例

「介護休業申出書」は厚生労働省のホームページに掲載されています。また会社が独自の書式を用意している可能性もあります。ですので、まずは会社に対処法を確認しておくことがおすすめです。会社独自のフォーマットがない場合は、基本的に厚生労働省のホームページから用紙をダウンロードします。その用紙に必要事項を記載したうえで、会社に提出をします。

なお、申請の記録を残すため、「会社に口頭で伝える」という方法は認められていません。

短期的・突発的な休みは介護休暇を活用しよう

「介護休暇」は家族に介護の必要が生じた時に活用できる休暇制度です。条件を満たしていれば、誰でも会社に申請できます。会社は介護休暇を取る権利を守る義務があり、申請を拒否できません。

介護を主に担っているのが自分以外の家族だとしても、介護者が体調を崩した場合など休まなければいけない可能性もあります。また「要介護者を病院に連れていきたい」「要介護認定を受けたい」など、数時間程度の休暇が必要になることもあります。「介護休暇」を使えば、介護のための時間が必要な時に休みを取れるのです。

また「介護休暇」とよく似た「介護休業」は、取得条件も日数も大きく異なる制度です。「介護休暇」は年度ごとに日数も更新されますが「介護休業」は通算93日と決まっています。「介護休暇」で済む休みを「介護休業」にカウントしてしまうと、長期的に休める日数が減ってしまうのです。短期的・突発的な休みは「介護休暇」長期的な休みは「介護休業」が適しています。

介護と仕事を両立するためにはさまざまなハードルがあります。自分の仕事を犠牲にしない生活スタイルを見つけるためにも、多様な制度があることを知ってぜひ活用してください。

この記事のまとめ

  • 介護休暇とは要介護状態の家族がいる人が取得できる休暇のこと
  • 2021年の改正で1時間単位でも休暇が取得できるようになった
  • 短時間の休みは「介護休暇」、長期的な休みは「介護休業」が適切

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