インタビュー

【前編】「ご本人とご家族の思いに寄り添う」――ツクイ・サンシャイン杉並が一番大切にしていること

杉並区下井草に建つ「ツクイ・サンシャイン杉並」は介護事業大手の株式会社ツクイが運営する介護付き有料老人ホーム。施設長の吉村大輝さんは「ご本人やご家族の思いに寄り添うことが大切」と話します。寄り添うとはどういうことなのか? リアルな生活に迫るインタビュー【前編】です。

ツクイ・サンシャイン杉並の施設長 吉村大輝さん ツクイ・サンシャイン杉並の施設長 吉村大輝さん

西武新宿線「下井草」駅、または「井荻」駅から徒歩約5分に位置する「ツクイ・サンシャイン杉並」。35年以上の介護実績を持つ株式会社ツクイが運営する、ハイグレードな介護付き有料老人ホームです。お客様の生活を支えるうえで大切にしていることは「お客様やご家族と関わること」、そして「思いに寄り添うこと」だといいます。寄り添うとは、具体的にどういうことなのでしょうか? 施設長の吉村大輝(よしむらひろき)さんにお話を伺うインタビュー記事【前編】です。

お客様だけでなくご家族とも密に関わる

――ツクイ・サンシャイン杉並で最も大切にしていることは何ですか?

はい、お客様(※)やご家族と密に関わりを持つことです。ご本人はもちろんですが、ご家族の思いや考えもしっかり理解したいと考えています。

※ツクイ・サンシャイン杉並では、入居者様のことを「お客様」と呼んでいます。

――家族の思いを理解することは、どうして大切なのでしょうか?

例えば看取り期になると、ご本人は意思疎通が難しい場合も多々あります。そのようなときに、ご本人に代わってあらゆることを判断するご家族のお気持ちはとても重要です。

ただ、いざというときだけご家族とコミュニケーションを取ろうとしても、なかなか難しいと思います。ご家族と施設がすぐにお互いを理解し合うことは困難ですし、信頼がなければ安心して任せていただくこともできません。ですので、普段から関わりを持ってご家族のことも理解しておきたいんです。

――なるほど。ご家族と施設との間で理解を深めようとしているんですね。

はい。他の例でいうと、ご家族は「積極的にリハビリをしてほしい」とおっしゃっても、ご本人は「いや、絶対したくない」というケースもありますよね(笑)。

ご本人の思いだけを聞いていてはご家族は納得しませんし、逆もそうだと思います。だから施設が間に入ってそれぞれの考えを聞くようにしています。いわば調整役ですね。

――なかなか難しい役割ですね。例えばリハビリを嫌がったケースでは、どう対応されるんですか?

そうですね、リハビリの時間はしっかり設けさせていただきます。そのうえでご本人のやる気を尊重しながら取り組んでいきます。気持ちがのらないときは、中庭で外気浴に変更することもありますよ。

それでも「やりたくない」となったときは、ご家族にも状況を共有して「もう少し簡単なリハビリからやってみましょうか」などとご相談します。一方的にどちらかが不満を持つようなやり方にならないよう、情報共有をしっかりしていきます。

――ご家族と施設とのやり取りはどのような方法でされていますか?

定期的にメールや電話をしていますね。頻度が決まっているわけではないのですが、ご連絡した履歴を確認しながら間隔が空きすぎないように気を付けています。

あと、毎月ご家族に送付する資料のなかに、施設での暮らしぶりが分かるような写真付きの資料を入れています。施設全体として共通で作っている資料のほか、お客様ごとにも写真付きで報告をしているんですよ。

――一人ひとりに毎月作られるんですか?

もちろんです。やはり写真付きだと実際のご様子が分かるので、ご家族にも喜ばれますね。

なかには「本人は全然外出していないと言っていたけど、たくさん散歩に行っていて安心しました」なんてこともあります(笑)。

毎月、写真付きで作成する施設通信 毎月、写真付きで作成する施設通信

――ご家族にとっても、施設側とのコミュニケーションで分かることがあるんですね。スタッフの皆さんが日ごろの生活で心がけていることは何でしょうか?

はい、やはりお客様一人ひとりと関わりを持つことです。お客様に対して関心を持って、しっかりと耳を傾けないと分からないことが多々あります。

例えば、あるお客様は廊下を毎日うろうろと歩いている。「なぜだろう?」と関心を持ってその方の情報を確認したりお話を聞いたりすると、現役時代は学校の先生をされていたことが分かる。つまり、学校で各教室を確認するつもりで歩いていたんです。

他にも、ある方はお部屋にベッドがあるのに、いつも床に座ったり寝転んだりしている。ご家族にお話を聞いてみると「実家ではいつも布団で生活していたから、その習慣からかもしれません」というケースもあります。そうと分かれば、お声掛けの仕方や対応も当然変わりますよね。

それぞれに入居までの暮らしがあり、多種多様な背景があります。それは、きちんと関わりを持たなければ分からないことです。

――確かにそうですね。お客様のことを知ることの大切さがよく分かります。

はい。だからこそ、私たちはお客様と関わり、さらにご家族ともコミュニケーションを取ることで理解を深めているんです。

24時間看護師常駐だから、夜間の医療処置にも対応

――ツクイ・サンシャイン杉並のお客様は、どのような方が多いのですか?

そうですね、看護師が24時間常駐しているので、お客様の多くは医療的ニーズを抱えています。さまざまな症状をお持ちの方がいらっしゃいますが、なかでも夜間のたん吸引が必要な方が多いです。たん吸引は資格を持っていない介護スタッフでは対応できませんからね。

――24時間、看護師が常駐しているからこその利点ですね。他にも何かメリットがありますか?

やはり医療従事者がいるという安心感は大きいです。夜間に具合が悪くなったとして、介護スタッフだけでは原因まで分かりません。「ひとまず様子を見よう」となることもあると思います。

でも看護師がいれば、バイタルの確認やそれまでの様子を踏まえたうえで「こういう原因でこの症状が出ているのだろう」と判断できます。看護の目線での観察は、介護スタッフにはできないことです。

二人部屋 二人部屋

――他にも医療体制の強みがあれば教えてください。

はい。ツクイ・サンシャイン杉並には「クリニック」を併設しています。希望者は月2回の往診を受けられるんです(※)。

クリニックの医師は週に2回ほど施設に来ますので、介護スタッフや看護師から「気になったこと」や「お客様の変化」などをこまめに相談しています。

他にも、施設とクリニックと薬局をつなぐコミュニケーションツールを導入しているんです。緊急ではないけど医師に確認しておきたいことなどは、そのツールを使って相談することもありますね。

医師が身近にいるおかげで、ちょっとしたことでも相談しやすい関係ができていますよ。

※往診を希望する場合は別途、契約が必要です。併設クリニック以外にも、2つの訪問クリニックがお客様の健康管理に努めています。

――それは安心して過ごせそうですね。

そうですね。最近ではご夫婦でのご入居も多いのですが、どちらかは医療的ニーズがあるケースがほとんどです。「ご自宅での生活は難しい、でも夫婦で一緒に暮らしたい」という方々が安心して生活できる場としてお選びいただいていますね。

「教室」や子どもとのふれあいで日々イキイキと

――お客様の平均年齢と平均要介護度を教えてください。

平均年齢は約84歳、平均要介護度は2.7です。

――1日の生活スケジュールはどのようになっていますか?

朝は6時半ごろに起床して7時半から朝食です。昼食は11時半、夕食は17時半でその間は基本的に自由時間となります。

共有スペースの消灯時間は22時ですが、お部屋ではその後もご自由にお過ごしいただけますよ。

ツクイ・サンシャイン杉並 1日のスケジュール

――自由時間が多いんですね。

そうですね、基本的には外出も自由なのでお客様同士でお出かけされる方もいらっしゃいます。

自由時間の多さに限らず、生活の自由度が高いのも特徴です。お食事もご自身で買ってきたものを召し上がっていたり、お酒を楽しまれたりすることもあります。先日はお元気な方が多いフロアで宴会もしました。

――それは楽しそうです。施設でもアクティビティなどはありますか?

もちろんありますよ。書道や音楽鑑賞、体操など月に11種類ほどご用意しています。それぞれ月に1~2回ずつの開催ですね。

ツクイ・サンシャイン杉並では、アクティビティのことを「教室」と呼んでいます。

――「教室」ですか? それはなぜでしょうか?

介護施設では「全員で集まって何かしましょう」という形のアクティビティが多いと思います。でも、当施設では自由に参加できる形式をとっています。それに、施設内のスタッフではなく専門の外部講師をお招きしているんです。

例えば毎週金曜日に開催している体操教室は「コナミスポーツクラブ」のインストラクターが講師を務めています。

ですから「施設内のアクティビティ」ではなく、好きな「教室」に通うというイメージのほうが合っているんです。

――なるほど。ちなみに教室にはどれくらいのお客様が参加されますか?

教室の難易度によっても幅がありますが、書道教室は人気が高くて20~30名くらい参加されていますね。手芸のクラフトバンドはかなり手先を使うので、できる方は限られています。私もできないなと思うくらい難しいんですよ(笑)。

クラフトバンドの作品 クラフトバンドの作品

――いろいろな教室があるんですね。内容はどうやって決めているんですか?

お客様から「こういうのやってみたい」というお声をいただくことが多いですね。普段のコミュニケーションのなかで出てきた要望を参考にしています。

――教室はお客様の生活にどのような影響があるのでしょうか?

暮らしを彩るアクセントになっていると思います。教室やレクリエーションが何もなければ、全く刺激のない生活になってしまいます。

施設はお客様にとっての生活の場ですから、新しい情報をお伝えしたり刺激になるような機会を用意したりするのも必要なことです。

また、お客様同士の交流のきっかけにもなっていますね。教室で一緒になってから言葉を交わしてご友人関係になっている方もいらっしゃいますよ。

――教室があることで生活にハリが出るんですね。他にもツクイ・サンシャイン杉並ならではの過ごし方はありますか?

そうですね、子どもたちと日常的に触れ合うことができます。当施設には、職員が安心して働けるように保育園を併設しているんです。

ですので、園児たちが中庭で遊んでいたらお客様も出てこられたり、ハロウィンには園児たちがお部屋をまわったりと、日ごろから交流があります。

子どもと触れ合うと皆さん目線が優しくなって「久しぶりに抱っこしたわ~」なんて笑顔になられます。やっぱり子どもの持つ力は大きいですね。

保育園児との交流の様子 保育園児との交流の様子

【後編に続く】
インタビュー後編では、機能訓練やお食事について詳しくご紹介。誰しも気になる「看取り」についてもお話を伺います。

老人ホーム・介護施設の概要
施設名:ツクイ・サンシャイン杉並
事業者名:株式会社ツクイ
住所:東京都杉並区下井草4丁目31番2号
ツクイ・サンシャイン杉並の詳細ページ

宮本

この記事の寄稿者

宮本

介護のほんねニュース編集部。
話題のニュースから介護関連キーワードまで、気になるトピックについて解説します。認知症サポーターです。

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