湘南の海に囲まれた介護付有料老人ホーム「オーシャンビュー湘南荒崎」へのインタビュー【後編】です。【前編】では、24時間看護師常駐の体制やスタッフの皆さんが大切にしているという「普通の対応」についてご紹介しました。今回は入居者様の1日のスケジュール、レクリエーション、食事など日々の生活についてピックアップ。引き続き、施設長の金子(かねこ)さんと入居相談員の倉科(くらしな)さんにお話を伺います。
入居者様の1日の生活
――入居者様は自立から要介護5までいらっしゃるそうですが、平均すると要介護度はどれくらいですか?平均年齢も教えてください。
平均要介護度は要支援の方を入れると2.5程度です。要支援の方を除くと、平均要介護度は3.1となっております。平均年齢はだいたい85歳ですね。
――1日のスケジュールはどのようになっていますか?
7時半に朝食をとり、日によっては9時半ごろから入浴です。10時からはラジオ体操をしています。ゆっくりとお茶の時間にする方もいらっしゃいますね。
11時半になると昼食です。午後は15時におやつをご用意して、17時半からが夕食となります。
日によっては午前や午後に、レクリエーションや看護師によるトレーニングが入ることもありますよ。
――レクリエーションやトレーニングはどれくらいの頻度で開催していますか?
レクリエーションはフロアごとに任せているので、頻度もまちまちです。フロアごとに要介護度も異なるため、入居者様に求められることも違うんですよ。
認知症の方が多いフロアでは、月に1回はお食事のレクリエーションをしていますね。クレープやフルーチェなど、主におやつを作ります。女性が多いので、スタッフ以上に慣れた手つきで皆さんお上手です(笑)。
看護師によるトレーニングは全フロア共通で、週に3日ほど開催しています。内容は足こぎ体操や脳トレなどです。看護師の専門的な知識や視点に基づいたトレーニングなので、とても人気ですよ。
――そうなんですね。レクリエーションは施設探しでも重視されがちなポイントなので、回数がそれほど多くないのは意外な印象です。
確かにご家族からもレクリエーションの質問は多いですね。ただ、入居者様が本当にレクリエーションを求めているかというと、そうでもありません。実際は、レクリエーションよりもお買い物やお散歩のほうが楽しみというケースも多々あります。
当施設では外出も自由にできるからこそ、改まって「何かしましょう」というレクリエーションはそれほど重視していないんです。本当にしたいことをしてこそ、普通の生活だと思っていますから。
でも日常のなかで、気づいたら入居者様が集まって皆さんで楽しんでいたというときもありますよ。
――そうなんですか? 例えばどんなときでしょうか?
最近だと、あるスタッフがけん玉を持ってきていました。「懐かしいですよね~」なんて何気なくお話ししていたら「ちょっとやらせてみて」と、急遽けん玉大会のようになりましたよ(笑)。
――それは楽しそうですね。反対にお部屋にこもりきりになってしまうような方はいませんか?
お部屋にこもりがちな方には、お部屋にいたい理由があるんですよね。なので、まずはその理由を聞き出すようにしています。
例えば「トイレが近いから他の人に迷惑をかけたくない。お部屋ならすぐにトイレに行けるから安心」という方の場合、無理に連れ出さず、一旦は引き下がります。その後、お食事の後に「少しお話ししましょう」などと声をかけて、徐々にお部屋の外にいられる時間を伸ばしていきます。
お部屋の外で過ごす時間が増えれば、その方の排せつのリズムもつかみやすくなりますから、より一層お部屋から出やすくなるんですよ。
――なるほど。無理はさせずにその方のペースに合わせていくんですね。
はい。お元気な方だと、お部屋が“ご自宅”という感覚で十分快適に過ごされているケースもあります。必要なときはご自分から出てきてお声掛けされますから、あえてお部屋の外で過ごす時間を作ってもらう必要もないですし……。
何が必要かは一人ひとり違います。ですから、それぞれの様子をしっかり見守って必要なサポートができるようにしています。
お食事はおいしい温度で味わって
――施設探しではお食事が気になる方も多いと思います。何かこだわりがあれば教えてください。
はい。オーシャンビュー湘南荒崎では「適時適温食」にこだわっています。お食事は毎日のことですから、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、おいしい温度で楽しんでいただきたいです。
――適時適温でご提供するための工夫はありますか?
はい、あります。お食事は施設内の厨房で作っていますが、各フロアに運ぶときには温冷カートを使います。温かいものと冷たいものを、それぞれの温度を保ちながら運べるんですよ。
また、各フロアに炊飯器を用意し、汁物も各フロアのキッチンで温めています。ごはんも汁物も配膳して待つのではなく、入居者様が食堂に向かっていらっしゃるのが見えてからよそっています。
――配膳されて時間の経ったものとよそいたてのごはんだと、確かに全然違いそうですね。
そうなんです。しかも1日に3回あるお食事ですから、満足感も全然違いますよね。
お食事は一人ひとりの好みもありますので、厳しいお言葉をいただくこともあります。例えば「お肉が硬い」とか「味噌汁の具を増やしてほしい」とか……。
もちろんそのようなことがあればキッチンにも伝えて改善していますが、まずは適時適温へのこだわりを徹底しています。
――温度は大切な要素の1つなんですね。何か他にもこだわりがありますか?
そうですね、夕食は選択メニューを取り入れています。2種類のメニューからお好みに合わせてお選びいただけるんです。
1週間ほど前にスタッフがご希望をお伺いしています。ご自身での判断が難しい方は、バランスがいいようにスタッフが考えて決めさせていただいています。
――メニューを選べるのは嬉しいポイントですね!
施設を探している方へのメッセージ
――改めて、オーシャンビュー湘南荒崎はどのような方におすすめですか?
やはり「海のそばでのんびり過ごしたい」「元気なうちに自分で施設を選びたい」という方にはおすすめです。24時間看護の体制も整っていますので、医療的なケアが必要な方も幅広くお受け入れしています。
当施設は、医療的なケアに限らず何かしらの事情で「他の施設から断られてしまった」という方も、できるだけお受け入れしたいという方針です。お困りの方はぜひご相談いただければと思います。
――施設を探すときのアドバイスがあれば、教えてください。
そうですね、まずは必ず見学に行くことです。極端にいえば、その施設に合うか合わないかは施設に入った瞬間に分かると思います。できれば複数の施設を見比べることも大切ですね。
実際に行ったときに感じた印象や雰囲気は、何よりも重要です。あとは職員や、お会いできるなら入居者様の様子も参考にするといいと思います。オーシャンビュー湘南荒崎では入居者様のほうから「こんにちは、ゆっくり見ていってね~」などと声をかけてくれます。和やかな雰囲気がよく分かると思いますよ(笑)。
見学に行く前にできる準備としては、大切にしたいこと、重視したいポイントを決めておくことです。見に行ってから迷ってしまわないように、ぜひしっかり考えておいてくださいね。
老人ホーム・介護施設の概要
施設名:オーシャンビュー湘南荒崎
事業者名:株式会社日本アメニティライフ協会
住所:神奈川県横須賀市長井5-25-1
オーシャンビュー湘南荒崎の詳細ページ
この記事の寄稿者
宮本
介護のほんねニュース編集部。
話題のニュースから介護関連キーワードまで、気になるトピックについて解説します。認知症サポーターです。