介護施設の生活について|働いている職員・タイムスケジュール・実際のインタビューなどを紹介

「介護施設を探す」といっても何から始めればいいか分からない方もいるでしょう。施設の強みを見ても、同じような情報ばかりで、実際の施設内での暮らしは見えてこないと感じることもあります。まずは「介護施設で何がなされるのか」「入居者が何をするのか」を知らないことには安心して任せられません。

そこで今回は介護施設の種類から働いている職員の仕事、また介護施設を選ぶメリット実際の入居者の一日などについてご紹介します。

介護施設の生活について|働いている職員・タイムスケジュール・実際のインタビューなどを紹介
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて教職員として12年勤務し、約2000名の人材育成に関わる。その後、その経験を活かし、認知症グループホームや訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅などの介護事業や、就労継続支援B型事業所や相談支援事業所などの障がい福祉事業を運営。また一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して活動中。

はじめに、介護施設とは

介護施設とは入居者の年齢に関係なく「介護」を目的として運営されている施設の総称です。介護施設に老人ホームが内包されており、そのなかに介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどがあります。もちろん、施設ごとに役割は違いますし、強みにしている部分もさまざまです。まずは介護施設全般の役割を知ることが重要になります。

主な介護施設とその特徴を紹介しましょう。

特別養護老人ホームは人気が高い公的施設

特別養護老人ホームは、国が運営する公的施設です。介護保険を使えるので比較的低コストで入居できます。ただし基本的には要介護3以上の人しか入居できません。また看取りまで長期間にわたって利用できますので人気が高く、入居まで数カ月ほど待つこともあります。

特別養護老人ホームについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

介護老人保健施設は原則最大3カ月の公的施設

介護老人保健施設も国が運営する公的施設なので、介護保険を利用できます。ただしリハビリによる自立復帰を目指す施設のため、原則最大3カ月までの入居になります。

介護老人保健施設について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

住宅型有料老人ホームは要介護度が軽い方向けの民間施設

有料老人ホームは民間が運営する施設です。公的施設ではないので施設ごとに人員体制や費用、レクリエーションなどの内容は違います。

住宅型有料老人ホームについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

介護付き有料老人ホームは介護サービスが月額に含まれる民間施設

介護付き有料老人ホームは民間が運営する有料老人ホームの一種です。住宅型とは異なり、充実した介護体制があるのが特徴になります。要介護認定を受けると入居できる「介護専用型」と、自立の方も入居できる「混合型」の2種類です。施設で安定した人員体制のもと介護を受けられますので、安心して家族を任せられます。

介護付き有料老人ホームについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

グループホームは認知症の方が共同生活する施設

認知症の人だけが入居できる施設です。1ユニット9人という少人数で生活をします。認知症を持つ人々が家事などを協力しておこないます。

グループホームについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

介護医療院は2018年に誕生した医療ケア対応の施設

2018年に誕生した施設形態です。医療的ケアの体制が整っているのが特徴になります。疾患を抱えている人、専門的な医療措置とともに介護が必要な人が安心して入居できる施設です。

介護医療院について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

介護療養型医療施設は医療ケアやリハビリなどをする医療機関

介護療養型医療施設は区分としては医療機関に属します。要介護1以上の人が入居対象です。身体介護はもちろん、医師や看護師、理学療法士がおり、医療的なケアや専門的なリハビリもできます。

この他に、高齢者の住宅であるサービス付き高齢者向け住宅シニア向け分譲マンションなどもあります。

サービス付き高齢者向け住宅について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

シニア向け分譲マンションについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

介護施設で働いている職員が入居者の生活をサポート

介護施設ではさまざまな介護・医療のエキスパートが入居者のために力を発揮して、入居者の生活をサポートします。ではどの職業の方がどんな仕事をしているのでしょうか。以下で紹介しましょう。

介護士は入居者の介助などをする役目

介護士とは入居者の介助などをする職業です。入居者の安全で快適な生活を守るために、食事や入浴、排泄などの介助をします。要介護・要支援の方に対しておおよそ3:1の割合で人員配置している施設が多いです。

生活指導員は介護施設内の情報をまとめて手続きをする役目

介護施設の情報は生活指導員のもとに集約されています。入居者がどのような生活をしているのか、ご家族がどう感じているのかなどの情報をまとめて行政的な手続きや、施設内の案内などをするのが生活指導員です。

ケアマネジャーはケアの方向性を決める役目

施設内にケアマネジャーがいる施設もあります。ケアマネジャーは入居者ひとりひとりのためにケアプランを作るのが仕事です。ケアプランはケアマネジャーが中心となって看護師や機能訓練士、生活指導員からの意見を取り入れながら作成されます。

ケアマネジャーについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

看護師は医療措置に関わる役目

看護師もまた介護施設に必要不可欠な職業です。医療的な処置のなかには介護士ではできないものもあります。また入居者の容態が急変した場合は看護師でなければ対処できないこともあるでしょう。

医師は医療措置を実行する役目

有料老人ホームなどでは看護師だけでなく医師も施設内に常駐しているケースがあります。特に要介護度が高い場合は医師が常駐していることで安心感が変わってくるでしょう。

機能訓練指導員はリハビリの指導をする役目

施設内ではリハビリをすることもあります。その際にプランニングをしたり、補助をしたりとサポートをするのが機能訓練指導員です。看護師が兼任しているケースもあれば、理学療法士や作業療法士などの専門的な知識とスキルを身に着けた職員が対応するケースもあります。

管理栄養士は施設内の食事の栄養を管理する役目

施設では食事があります。入居者の体を気遣い、栄養バランスを踏まえて献立を作る際に管理栄養士は必要不可欠な存在です。

調理師は実際に施設の食事を作る役目

施設選びで重要なのが「食事のおいしさ」です。毎日の楽しみにもなるので、食事の質にはこだわりたい、という人も多くいらっしゃるでしょう。施設の食事を作るのが調理師の役目です。入居者の期待に応えるべく、施設によっては経験豊富な料理人を配置している場合もあります。

これらの職業の人々が施設内で仕事をしています。ただし職員の数は施設によってさまざまですので、人員体制はあらかじめ事前にチェックしておきましょう。

例えば看護師・医師の常駐は医療的なケアが必要な方にとっては大きな魅力でしょう。作業療法士や理学療法士が優秀な経歴だと、今後回復の見込みがある要介護度の方は安心して任せられます。

また管理栄養士だけでなく、腕利きの調理師がいる場合は、食事を重視する方にとってメリットになるでしょう。このように職員体制によって介護施設での生活は大幅に変わります。納得のいく介護施設を探すためには、まず職員体制に目を通しておく必要があります。

介護施設の共通目的は「入居者の安全と快適」

では介護施設は何を目的に運営しているのでしょうか。もちろん運営目的は施設種別によって差があります。また施設ごとにビジョンやミッションも違うはずです。しかし介護施設全体に共通していえる目的もあります。まずは、介護施設の基本情報を押さえておきましょう。

介護施設の共通の目的としては「入居者が安全かつ快適に毎日を過ごせる状況を構築すること」です。そのために適した人員を配置しています。

また目的を果たすために、施設ごとに「入居をお断りする条件」もあります。例えば、特定の疾病を持っている方や精神障がいのある方は入居をお断りする施設もあります。それは、たくさんの高齢者に安全に過ごして頂くために、専門の機関で治療・療養した方が良いと考えるケースがあるからです。その場合は、適した処置を施せるように病院や行政と連携しています。

介護施設を利用するメリットは「他者との交流」や「素早い対応」など

では介護施設の存在目的や避けたいことが分かったところで、具体的に介護施設で生活することで、在宅介護に比べてどんなメリットがあるのかを考えましょう。さまざまありますので、押さえておいてください。

入居者が周りにたくさんいるので、交流が生まれる

施設に入居することで施設内の職員や他の入居者との交流ができます。特に認知症の人にとっては他者とコミュニケーションをとったり、会話のなかで過去を回想したりすることで認知機能を高めることにつながるのがメリットです。

急な体調の変化に対応できる

医師や看護師、介護士などが施設内に常駐しているので、急な体調の変化に対応できるのも大きなメリットです。特に疾患がある方にとっては安心できる材料になるでしょう。

プロによる無理のないリハビリがある

作業療法士や理学療法士によるリハビリを受けられる施設もあります。現在の生活を1日でも長く続けるためのアドバイスをもらえますので、安心してリハビリに専念できるでしょう。

栄養バランスの考えられた食事が提供される

施設内で提供される食事はもちろん、管理栄養士の手によってバランスの考えられたものです。施設によっては入居者1人ひとりの身体的な状態を踏まえたうえでメニューが作られています。

レクリエーションやアクティビティなどによって、定期的に楽しめる

施設のなかではレクリエーションやアクティビティなどの催しが開かれます。そのなかで楽しみながら普段はできない経験をしたり、自然と運動や認知機能の向上につながったりするのは大きなメリットです。

介護施設での1日の生活リズムを紹介

それでは、実際に介護施設での一日の生活の流れについて紹介します。なお、ここでは住宅型有料老人ホームに入居した人をモデルにします。76歳の女性で自立の人です。

起床は朝の6時です。朝は自室でお茶を飲みながらテレビを見て過ごします。8時から朝食です。自室で食べることもありますが、日によっては入居者が集まる食堂に移動して、会話をしながら食事を取ることもあります。

10時からは入居者の方が集まって体操をする時間が設けられており、1時間ばかり体操をします。ただし、調子が悪かったり、気が乗らなかったりする場合は参加しないようです。

体操が終わったら、そのまま入居者の方と会話を楽しむこともあります。またリハビリの日は作業療法士と話しながら軽い運動をします。

12時からは昼食です。これも自室か食堂で取ります。14時からレクリエーションが開催されており、フラワーアレンジメントや絵画体験などを楽しんでいます。15時からおやつを食べ、中庭を散歩したり、自室でお昼寝をしたりしているようです。

18時から夕食を取った後は、自室に戻ってテレビを見たり、本を読んだりしています。21時から22時ごろに就寝です。

住宅型有料老人ホーム 1日のスケジュール例

ここでは住宅型有料老人ホームの1日をご紹介しました。もちろん人によっても施設によっても差がありますが、自立の方ですと、比較的アクティブに過ごしています。

【施設にインタビュー】実際の暮らしがわかるインタビュー12選

高齢になって介護が必要になると「終の棲家」という言葉を意識しはじめます。もちろん住み慣れた自宅で長く暮らしたいという方が多いことでしょう。しかし家族の負担を思って施設に入居する人も増えています。

介護施設で生活する場合、比較的、多くの費用がかかってしまうのは確かです。しかしそのぶん手厚い介護がなされますし、安心して暮らせる可能性が高くなります。とはいえ、家族としては施設での生活が見えないと不安になることもあるでしょう。以下に実際の施設へのインタビュー記事を掲載しますので、ぜひご覧ください。よりリアルに施設の日常がわかるはずです。

とはいえ、もちろん各施設で食事やレクリエーションなどは差があります。施設を見学する際は設備面だけでなく、実際の入居者の過ごし方についても質問することが大切です。また施設内から笑い声が聞こえるか、などの雰囲気も観察しましょう。

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最後に「介護施設の生活」に関する記事を一覧で掲載します。あらためて気になる記事をご覧ください。

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介護食について

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作業療法士について

管理栄養士について

理学療法士について

看護師について

介護士について

この記事のまとめ

  • 介護施設での実際の一日の生活は見えにくい
  • 介護施設では食事や運動などをプロの手でプロデュースする
  • 見学の際は入居者の生活も観察すべき

豊富な施設からご予算などご要望に沿った施設をプロの入居相談員がご紹介します

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