「仲町台」駅で降りて徒歩5分圏内。周辺にカフェやスーパー、公園などが集まる、にぎやかなエリアにゆうらいふ横浜はあります。「いつまでもあなたらしく、いつまでも健やかに」をモットーに入居者のケアをしている介護付き有料老人ホームです。
今回は副支配人である白幡 信嗣(しらはた のぶつぐ)さんと、生活相談員の八田 悠介(はった ゆうすけ)さんにインタビュー。どのようにモットーを実現しているのかについて、施設の人員体制、職員の心がけといった側面からお伺いしました。
職員が楽しく働くからこそ、入居者様が心から楽しめる空間ができる
──早速ですが、先ほどから入居者様の元気な声が聞こえてきて「活気のある施設だなぁ」と思っています。
いま、ちょうど体操の時間でして(笑)。日課としてラジオ体操をしています。みなさん毎日、元気に取り組まれています。
──そうなのですね。職員の方の笑い声もよく聞こえます。
ゆうらいふ横浜では「入居者様に楽しく充実した日々を送っていただくこと」を重視しています。そのためには、まず「職員が楽しく働く必要があるだろう」と。職員が辛い表情で働いていると、入居者様も声を掛けづらく、毎日を楽しめないと思います。
──なるほど。職員の方が楽しく働けるように工夫していることはあるのでしょうか。
まずは「余裕をもった人員体制にすること」です。ゆうらいふ横浜では厚生労働省が定めた基準の2倍である「1.5:1」以上の人員体制を常にキープしています。
──かなりゆとりがありますね。
そうですね。職員が余裕をもって働くことで、一人ひとりの入居者様に対して焦らずゆっくり対応ができることがメリットです。例えば人員に余裕がないと、入居者様から話しかけられても、少し受け答えをするだけですぐ業務に戻ってしまうことがあると思います。
しかし職員の数を増やすことで、みんな余裕を持って業務に臨めます。だから入居者様に話しかけてもらったときも、自分の体験談を交えながらゆっくり傾聴することができます。
すると、入居者様もたくさん話したくなり、職員にも心を開いてくれます。「いつまでもあなたらしく、いつまでも健やかに」はこうした毎日のコミュニケーションから始まると思っています。
──なるほど。
例えば「ボタン掛けができない入居者様」がいらっしゃるとします。忙しい施設であればすぐに手伝うと思いますが、それだと「入居者様が自分でできること」を奪ってしまう。その点、ゆうらいふ横浜では、できるまでそばで見守ります。
──職員が時間に余裕を持って接してくれるのは、入居者様としても安心ですね。職員自身としても働きやすいように思えます。
ゆうらいふ横浜では離職率が低いのが特徴です。勤続10年以上の職員が20人以上います。私もゆうらいふ横浜にきて16年目ですが、周りは先輩も多いです(笑)。入居者様にとっても「せっかく慣れてきたのに、担当職員がすぐに変わる」という心配もありません。
──介護業界でその離職率の低さはすごいですね。
ゆうらいふ横浜では福利厚生がしっかりされているのと、1.5:1以上の人員体制のため、ゆとりある仕事が離職率低下につながっていると思います。
「ここに入居してよかった」 ベテラン揃いだからできた認知症ケア
──具体的に「入居者様に充実して過ごしてもらえた」というエピソードはありますか?
はい。ある重度認知症の方のことをよく覚えています。かなり症状が進んでいらっしゃって、徘徊や暴力といった行動がある方でした。もともとお住まいだった施設では、症状を抑えるためにたくさんの精神安定剤を処方されていました。それで食欲がなくなってしまい、ご家族が心配されて、ゆうらいふ横浜への住み替えを希望されました。
──なるほど。確かに重度認知症になると薬物療法以外での対処が難しい印象です。
ただ、それでは入居者様のその人らしさが失われ、やがては生活に大きな悪影響が出てしまいます。本末転倒ですよね。それでゆうらいふ横浜では、まず「お薬の量を減らすこと」を目標にしました。最初はもちろん認知症の症状はもとに戻り……。とても大変でしたね。
──どういった大変さがありましたか?
認知症状を抱えている入居者様全般に言えることなのですが、例えば昨日は効果的だった対応が今日うまくいくとは限らない。また同じ日に同じ対応をしても、担当職員が変わると逆効果になることもある。つまり「明確な対応方法」がない。入居者様らしさを失わずに対応をするためには「経験」を振り返るしかないのです。職員が「これまでの経験を思い出しながら、入居者様に合わせて柔軟にやり方を見直すこと」が最善策となります。
つまり「経験と柔軟性」を大事にして根気よくケアを続けるしかないと思います。ただゆうらいふ横浜にはベテランが多い。各職員がしっかりとケアを続けていった結果、お薬を少なくしても症状が落ち着きました。また、食欲も戻られた。これは達成感がありました。
そんなある日、入居者様が職員と一緒にテレビを見ながら談笑していました。その様子を遠目に見ながら、面会にいらっしゃったご家族が「ここに入居して本当によかった」とおっしゃいました。施設を変えるという経緯の中で入居者様のご家族との信頼関係の構築は難しい事が多くある中で、入居者様に楽しく充実した日々をご提供できた事で入居者様とそのご家族と信頼関係を強く結ぶことが出来ました。そういった意味では最も印象に残っている経験ですね。
インタビュー後編では「医師が週に6回来てくれる」という充実した医療体制や、入居者の1日のスケジュールについてお話を伺います。
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この記事の寄稿者
緒方
介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。