【2021年4月改正】介護保険法とは|制定の目的から最新の改正ポイントまで

定期的に改正される「介護保険法」についてご紹介。介護保険法の目的や、なぜ頻繁に改正するかなど、専門家の監修をもとに解説します。介護に携わる方が気になるであろう最新の改正ポイントから、2021年4月に向けた改正案も紹介します。
介護業界に携わる人はもちろん、介護保険の加入者である40歳以上の人に関わるテーマなので、要点を掴んでおきましょう。

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平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

「介護保険法」とは介護保険制度のための法律

1997年12月に公布された「介護保険法」とは「介護保険制度」のための法律です。

介護保険制度を一言で説明すると、介護が必要となった高齢者とその家族を社会全体で支えていく仕組みです。

具体的には、国民が負担する保険料や税金を財源として、介護を必要とする人が給付を受けられます。その制度を運用していくために、給付の負担額や施設運営の基準など、あらゆる決まりを施行令や施行規範で細かく定めています。

介護保険制度の目的

介護保険制度の目的は、介護保険法第1条に規定されています。介護が必要な状態になったとしても、自分らしさを尊重し、自立した日常生活を継続できることが目的です。そのために、保険・医療・福祉が一体となり、安心できる介護サービスを提供しています。

介護保険法第1条(目的)
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
出典:厚生労働省「介護保険法(平成09年12月17日法律第123号)

介護保険制度の仕組み

介護保険は、40歳以上の人が加入者(被保険者)として保険料を納めていきます。介護や支援が必要と認定されたときに、介護サービスを利用できる制度です。

また、その一部の費用を介護保険が負担してくれます。利用者の負担は原則1割。所得に応じて2割、3割と負担額が変わります。

残りの費用は介護保険の財源でまかなっています。財源の50%は加入者の保険料、残りの50%は国、都道府県、市町村の税金です。

介護保険制度の仕組み
介護保険の仕組み

介護保険制度については、以下の記事で詳しく紹介しています。
【2020年版】専門家が介護保険制度のしくみと改正点を解説!

介護保険を利用できる人の条件

介護保険を利用できる人は、日常的に介護を必要としている人、および要介護にならないように予防が必要な人です。介護保険法では「要介護者」「要支援者」と呼びます。要介護者・要支援者の条件についても介護保険法第7条にて定められています。

3 この法律において「要介護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 要介護状態にある六十五歳以上の者
二 要介護状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(以下「特定疾病」という。)によって生じたものであるもの

4 この法律において「要支援者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 要支援状態にある六十五歳以上の者
二 要支援状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであるもの

出典:厚生労働省「介護保険法(平成09年12月17日法律第123号)

分かりやすくまとめると以下の2点です。

  • 65歳以上の要介護・要支援の認定を受けた人
  • 40~64歳までの特定疾病に該当する要介護・要支援の認定を受けた人

国が定める16の特定疾病とは

40~65歳までの人が特定疾病を患った場合に、介護保険のサービスを受けられます。特定疾病は16種類あり、介護保険法にて「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」と定められています。

介護保険対象となる特定疾病
  • 末期がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
出典:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方

介護保険のサービス

介護保険が提供するサービスは大きく分けると3つ。自宅で生活しながら利用する「居宅サービス」、施設に入所する「施設サービス」、住み慣れた地域で末永く生活するための「地域密着型サービス」です。介護認定を受けた人は、これらのサービスを1~3割の自己負担で受けられます。

介護保険のサービス一覧
サービスの種類 分類 介護保険適用サービス
居宅サービス 訪問サービス
  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
通所サービス
  • 通所介護
  • 通所リハビリテーション
短期入所サービス
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
その他のサービス
  • 特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 住宅改修費支給
施設サービス
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設(療養病床等)
  • 介護医療院
地域密着サービス 訪問・通所型サービス
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
認知症対応型サービス
  • 認知症対応型通所介護
  • 認知症対応型共同生活介護
施設・特定施設型サービス
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介

介護保険サービスについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
介護保険サービスとは|各種類ごとにサービス内容を一覧で紹介

介護が必要になったら「地域包括支援センター」へ

地域包括支援センターは、介護保険法で定められている機関であり、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」です。

専門知識を持った職員が介護サービスや介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じてくれます。

要介護認定の申請や、介護保険の申請窓口も担っていますので、介護保険に関してお困りでしたら地域包括センターを活用してみましょう。

地域包括支援センターについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
地域包括支援センターとは|役割や相談事例、利用方法を紹介

介護保険法以前の福祉制度とは、老人福祉法と老人医療法について

介護保険法は、1997年12月に公布され、制度自体は2000年4月から始まりました。では、それまでの日本にはどのような制度があったのかを解説しましょう。

介護保険制度が始まるまでは、1963年に誕生した老人福祉制度が高齢者の生活を支えていました。その制度に伴い、同年に「老人福祉法」が公布されています。さらに医療ニーズの増加に対応するために高齢者の医療費を一定額負担することを定めた「老人保健法」が1982年に公布されました。

しかし、高齢者の人口増加は著しく、老人福祉法や老人医療法に多くの問題点が現れたのです。

老人福祉制度

対象サービス

  • 特別養護老人ホーム
  • ホームヘルプサービス
  • デイサービスなど

問題点

  • 市町村がサービスの種類や提供機関を決めるため、利用者がサービスを選択できない
  • 市町村が直接または委託するサービスが基本であり、競争原理が働かずサービスが向上しない
  • 本人と扶養義務者の収入に応じた応能負担のため、中高所得層の負担が大きい

老人医療制度

対象サービス

  • 老人保健施設
  • 療養型病床群
  • 一般病棟
  • 訪問看護
  • デイケアなど

問題点

  • 中高所得者層にとって利用者負担が福祉サービスより低く、介護を理由とする一般病院への長期入院(社会的入院)をする利用者が増加
  • 医療費が増加かつ、治療を目的とする病院では、長期療養のための介護体制が不十分であった

上記の問題により老人福祉制度・老人医療制度は限界を迎えたため、介護保険制度が導入されたのです。従来の制度と介護保険制度には次のような違いがあります。

従来の制度との違い
従来の制度(Before) 介護保険制度(After)
行政の窓口へ申請し、市町村がサービスを決定 利用者が自らサービスの種類や事業者を選択できる
世帯の所得(所得階層)に応じた利用負担を求める応能負担 サービス利用額の1割の応益負担
サービスを利用する際は、医療と福祉に別々に申し込み 介護サービスの利用計画を作成し医療・福祉のサービスを総合的に利用
市町村や公的な団体中心のサービスの提供 民間企業、農協、生協、NPOなど多様な事業者によるサービスの提供
参考:厚生労働省老健局「日本の介護保険制度について

介護保険法は、より良い老後を送るための制度になりましたが、まだまだ問題が山積みです。次に定期的に見直しが必要である介護保険法の改正について触れていきましょう。

介護保険法は3年ごとに改正されている

介護保険法は、1997年12月に公布され、制度自体は2000年4月からスタート。制度がスタートして20年を迎えた介護保険制度は国民に定着したといえます。とはいえ、まだまだ問題が多い制度です。あらゆるニーズに対応すべく、3年に1度のペースで介護保険法を改正しています。直近では、2018年に改正され、次は2021年に改正される予定です。

介護保険制度改正の経緯
改正/施行 改正の主な内容
第1期 1997年公布/2000年施行
  • 介護保険制度がスタート
第2期 2005年改正/2006年施行
  • 予防重視型システムへの転換
  • 施設給付の見直し
第3期 2008年改正/2009年施行
  • 医療と介護の連携の強化等
  • 介護人材の確保とサービスの質の向上
  • 高齢者の住まいの整備等
  • 認知症対策の推進
  • 市町村(保険者)による主体的な取り組みの推進
第4期 2011年改正/2012年施行
  • 地域包括ケアの推進
  • 介護療養病床の廃止期限を延長
第5期 2015年改正/2016年施行
  • 地域支援事業の拡充
  • 地域ケア会議の設置義務化
  • 自己負担引き上げ(2割負担導入)
  • 特別養護老人ホームへの新規入居者を限定
  • 補足給付の見直し
第6期 2018年改正/2019年施行
  • 自立支援介護の強化に向けた財政制度の創設
  • 介護医療院の創設
  • 自己負担引き上げ(3割負担導入)
第7期 2021年改正/2022年施行
  • 自己負担割合が最大3割負担に
  • 収入に応じた保険料
  • 福祉用具のレンタル価格を適正化
  • 地域共生社会の実現に向けた「共生型サービス」
  • 新しい介護保険施設「介護医療院」の創設

改正を繰り返す理由と抱える問題

2020年現在、65歳以上の高齢者は3,500万人以上に到達し、3人に1人が高齢者の時代です。超高齢社会のいま、そしてこれからも、介護保険制度は介護が必要な人に必要なサービスを提供する義務があります。そのため「高齢者の増加」「支え手の減少」など、急速に人口構造が変化するなかでも、安心できる老後を提供しなければいけません。

目下の課題としては、持続可能性が確保された制度であること。そのため、財源を確保するために負担と給付のバランスを図ったり、介護状態が重度化しないよう介護予防を強化したり、地域包括ケアシステムを充実したりなど、時代に合わせた法改正を実施しています。

2018年の改正ポイントを簡単に解説

2018年の改正ポイントは「介護保険制度の持続可能性の確保」と「地域包括ケアシステムの深化・推進」です。ここでは、40歳以上の介護保険の加入者に大きい影響があるであろう項目を厳選して紹介します。

最大3割に増加した「自己負担割合」

所得が高い人のサービス利用料の自己負担割合が増加しました。改正前は、所得に応じて1割もしくは2割負担でしたが、最大3割負担と改正されたのです。厚生労働省の調べによると、約12万人(利用者全体の3%)が3割負担の対象者になるといわれています。

所得に応じた自己負担割合
所得 負担割合
340万以上

※夫婦世帯の場合463万円以上

2割→3割
280万以上

※夫婦世帯の場合346万円以上

2割
280万未満 1割

介護納付金における総報酬割の導入

これまで40~64歳の被保険者による介護納付金(保険料)は、健康保険組合や共済組合、協会けんぽなどの「被用者保険」の加入先によって料金が異なりました。

賃金などは関係なく加入者の人数によって保険料が決まる仕組みであったため、中小企業などに勤めている人の方が実質的に負担感が大きくなっていました。そこで、各被用者保険が担うべき保険料を、収入に応じて決める「総報酬割」の導入が始まったのです。

前述した自己負担割合の増加と同様に、2018年の改正は高所得者の「負担増」「給付減」がより厳しくなったのでしょう。

介護保険施設「介護医療院」の創設

新しい介護保険施設となる「介護医療院」が創設されました。介護医療院は、長期的な医療と介護が必要な高齢者を対象にした、医療機能と生活施設の両方の機能を備えた施設です。

また、2024年に撤廃が決まっている「介護療養型医療施設」の受け皿としての役割もあります。介護療養型医療施設との違いは生活施設としての機能を重視していることでしょう。

介護医療院については、以下の記事で詳しく紹介しています。
【専門家監修】介護医療院とは|施設・人員基準などをわかりやすく解説

福祉用具レンタルの高額請求を防止

介護保険サービスの1つに福祉用具貸与があります。改正案が施行される前は、適正価格を知らない利用者に対して、悪徳な事業者が高額な料金を請求する事案が問題になっていました。これを防止するためにも、誰もが適正価格を分かるように「全国平均の貸与価格を公表する」「貸与価格の上限を設定」などが義務付けられたのです。

上限設定で高額請求は排除されましたが、適正価格で経営していた事業者も経営状態が厳しくなったと報告されています。

地域共生社会の実現に向けた「共生型サービス」

共生型サービスとは、高齢になった障害者が同一の事業所でサービスを受けやすくするための新しいサービスの形です。これまでは、障害者は高齢になるとサービスを受ける事業所を変更する必要がありました。今回の改正によって、障害福祉事業所でも、介護保険事業所としてサービスを提供することが可能になったのです

2021年改正案の要点を簡単に解説

すでに2021年の法改正に向けた法改正案が概ね決着しています。ここでは介護保険法改正のポイントをまとめてみました。施行される2022年は団塊の世代が後期高齢者に突入する年でもあり、支え手不足により介護保険制度の財源がより圧迫される見通しです。

2021年改正案の大きなテーマは以下の5つです。

  • 地域包括ケアシステムの推進
  • 自立支援・重度化防止の推進
  • 介護人材の確保・介護現場の革新
  • 制度の安定性・持続可能性の確保
  • 感染症や災害への対応力強化

新型コロナウイルス(COVID-19)の流向や災害頻度の高さを鑑みて感染症や災害の強化もテーマに加わったのです。持続可能性を確保するためにも、どういった法改正が試みられるのでしょうか。押さえておくべきポイントを紹介します。

高額介護サービス費の上限額を引き上げ

高額介護サービス費とは、月額の自己負担額が上限額を超えた場合、超過分の払い戻しが受けられる制度です。これまで「本人または世帯全員が住民税課税者」の自己負担額は一律4万4,400円でしたが、年収に応じて上限額を引き上げる方針です。

高額介護サービス費と改正案
対象者の区分 住民税課税所得 自己負担額の上限(月額)
本人または
世帯全員が住民税課税者
年収1,160万円以上 4万4,400円→
14万0,100円(世帯)
年収770~1,159万円 4万4,400円→
9万3,000円(世帯)
年収669万円以下 4万4,400円(世帯)
世帯全員が住民税非課税者 下記以外 2万4,600円(世帯)
前年の合計所得金額と公的年金、
収入額の合計が年間80万円以下
2万4,600円(世帯)
1万5,000円(個人)
生活保護を受給している人 15,00 円(個人)

※「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額を指し「個人」とは、介護サービスを利用したご本人の負担の上限額を指します。

補足給付の負担軽減対象者の見直し

補足給付の見直し案が出ています。補足給付とは、低所得の施設入所者に対する食費・光熱費・居住費などの負担への補助です。

利用者負担段階は4区分に分けられていて、第1段階~第3段階が負担軽減の対象者となります。次の制度改正で、第3段階の区分を(1)と(2)に分け、低所得者のなかでも「世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入等120万円超」である人の給付額が減少します。

第3段階対象者は全国に30万人いるため、影響が大きい改正といえるでしょう。

補足給付の改正
利用者負担段階 主な対象
第1段階 世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金の受給者など
第2段階 世帯全員が市町村民税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額が80万円以下
第3段階 現行 世帯全員が市町村民税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額が80万円超
見直し案 (1)世帯全員が市町村民税非課税で、かつ本人年金収入など80万円超120 万以下であること
(2)世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入など120万円超であること
第4段階 市区町村民税課税世帯、基準費用額となる

8050問題対策も兼ねた地域包括支援センターの強化

「8050問題」をご存知でしょうか。現在、中高年の引きこもりは60万人以上。80代の親と50代の引きこもりの子どもが、社会から孤立してしまうことが深刻化されています。親の介護と子の生活維持の問題が同時に起こりますが、相談窓口もなく、結果、悲劇的な事件が発生しているのが実情でしょう。

その対策として、介護・障害・子ども・困窮の相談支援に関わる事業の役割を地域包括支援センターなどに一本化します。「断らない相談支援」を目指し、就労支援・居住支援・居場所機能の提供など、多様な支援を提供します。とはいえ、実施については強制的ではないため、浸透するかは自治体に委ねられています。

「社会福祉連携推進法人」の創設

新たな法人形態である「社会福祉連携推進法人」を創設。社会福祉連携推進法人は、社会福祉法人を中心として、NPO法人や株式会社などが社員として参加し、地域の福祉を支えていきます。

スケールの大きさを生かし、経営の強化はもちろん、深刻化する介護人材不足を緩和する一手としても期待できるでしょう。

「通いの場」の推奨

介護保険制度を持続可能性の高い制度にするためにも、高齢者の介護度の重度化は避けなければいけません。そこで国は「通いの場」を推奨しています。

通いの場とは、住民主体で運営している高齢者が運動や趣味活動を気軽に楽しめる場です。高齢者が「通いの場」へ足を運ぶことで、介護予防、認知症予防、QOL(生活の質)の向上が促されます。結果、保険給付が抑えられることも狙いでしょう。

今後、通いの場を拡大させるためにも、類型化やポイント付与、有償ボランティアの推進など、介護保険制度で仕組み作りを整備していく予定です。

介護事業所におけるICT導入の利用促進

介護事業所におけるICT導入は業務負担の軽減や業務効率化につながるため、以前から厚生労働省は推奨しています。

さらに新型コロナウイルスの流行により、職員の業務負担が増加していることを踏まえ、介護事業者への補助上限額が引き上げる見通しです。対象経費はタブレットやスマートフォンなどのハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービス、保守・サポート費、導入設定、導入研修、セキュリティ対策などです。

注目すべきは2024年の改正

2021年の介護保険改正の際も新しい制度が創設されていますが、注目すべきはその次2024年改正です。この年は介護報酬改定に加え、診療報酬の改定も同時に行われる年です。

2024年に向けて2021年の改定があると言っても過言ではありません。介護業界には財源不足人手不足少子高齢化などなどさまざまな課題があります。その課題を解決するための制度改定です。

2021年の改正でも「介護保険料の負担年齢を30才への引下げ」「居宅介護支援の自己負担1割の導入」「居宅介護支援の自己負担1割の導入」などの論点が先送りされました。今後も私たちの生活に影響がある介護保険法の改正情報に注目しましょう。

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最後に「介護保険法」に関する記事を一覧で掲載します。あらためて気になる記事をご覧ください。

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【2020年度版】介護保険料とは|いつからいつまで支払う? 額はいくら?

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介護保険料の納付額の計算方法とは|考え方・計算式について解説

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この記事のまとめ

  • 「介護保険法」とは「介護保険制度」のための法律
  • 介護保険が提供するサービスは「居宅」「施設」「地域密着」の3つ
  • 2021年の改正で高額介護サービス費の上限額を引き上げる