終身建物賃貸借方式とは|契約形態についてわかりやすく解説
終身建物賃貸借方式は、終身にわたって有効な建物賃貸借方式です。一般的な建物賃貸借方式の特別な類型にあたります。都道府県知事から終身建物賃貸借事業の認可を受けた事業者のみ契約ができます。
用語の説明
一般的にマンションなどを借りるときには、借地借家法による「建物賃貸借契約」を結びます。この契約では契約期間を数年と定め、期間が満了すれば更新したり終了したりします。一方「終身建物賃貸借方式」は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づいて整えられたもので、その名の通り、高齢者の居住の安定確保に十分に配慮された内容になっています。契約期間が「入居者が生きている限り」というのが大きな特徴です。入居期間中に契約の更新やそれにかかる手数料の支払いなどに煩わされなくてよいというメリットがある反面、死亡により契約が終了するため建物賃貸借方式と違って相続権がありません。
この方式を採用する事業所は、都道府県知事から終身建物賃貸借事業の認可が必要になります。認可を受けるための主な条件は、
- 建物内がバリアフリー化されていて、高齢者が日常生活を送るのに支障がない構造になっていること
- 終身建物賃貸借を行うこと
- 本契約をする前に、1年間の仮契約を認めること
などとなっています。
利用できるのは、60歳以上の高齢者。夫婦で入居する場合は配偶者が60歳未満でもかまいません。万が一契約者が死亡してしまった場合でも、配偶者は1か月以内に申し出をすればそのまま住み続けることができます。
また、いきなり終身で契約してしまうと何らかの理由で「やっぱり住み替えたい」と思った時、困ってしまいます。そのため上述した通り、利用者は希望すれば定期借家契約による1年間の仮契約を結ぶことも可能です。
病気や家族との同居など、住み続けることが困難になったときは、退去する1か月前までに申し出れば解約できます。建物老朽化による建て替え、廃業、あるいは入居者が長期にわたって住んでおらず、管理ができないといった理由を除き、基本的には貸借人側から解約はできません。
介護サービスと居住権がひとつになった利用権方式がほとんどの有料老人ホームで採用されていることもあり、終身建物賃貸借方式を利用している施設はかなり少ないようです。ですが介護サービスを選択できるサービス付き高齢者向け住宅では採用している事業所の割合は比較的高く、5.3%にのぼっています(平成25年度調査)。
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この記事のまとめ
- 「終身建物賃貸借方式」は「入居者が生きている限り」建物を借りる手法
- 死亡により契約が終了するため建物賃貸借方式と違って相続権がない
- ただし終身建物賃貸借方式を利用している施設はかなり少ない
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