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デイケアとデイサービスの違いについて教えてください! また併用できますか?

同居している家族がだんだんと介護が必要になってきました。できれば施設への入居ではなく在宅介護を続けたいのですが、日中は仕事もあり常に一緒にはいられません。介護サービスの利用を検討するなかで「デイケア」と「デイサービス」という言葉を知りましたが、それぞれの違いはなんなのでしょうか? また、併用できるのかどうか教えていただきたいです。

Aデイケアとデイサービスは利用目的やサービス内容などに違いがあり、条件を満たせば併用も可能です。

デイケアもデイサービスも、指定の施設に通って受ける介護サービスです。大きな違いは、利用目的が身体機能の維持や回復に特化しているか、それとも外部との交流や在宅介護をする家族の負担の軽減であるかという点でしょう。
また、それぞれのサービスには利用条件があるので、その条件を満たせば併用もできます。デイケアとデイサービスのどちらか迷っている方は、サービスの違いについて理解を深めて選んでいきましょう。

平栗 潤一
平栗 潤一
一般社団法人 日本介護協会 理事長

デイケアとデイサービスは名前が似ていることから、同じサービスだと混同する方が多くみられます。しかし、実際はそれぞれ異なる介護サービスです。今回は、デイケアとデイサービスの定義やサービス内容の違い、併用が可能なのかという部分に焦点を当ててご紹介します。

デイケアとは

デイケアは「通所リハビリテーション」という介護保険サービスです。厚生労働省が定める定義では「在宅で介護を受ける方に介護老人保健施設や医療機関など厚生労働省が定める施設に通ってもらい、自立的な日常生活が送れるように心身機能の維持や回復を図るためのリハビリ(理学療法や作業療法など)を提供するサービス」としています。

事業所によって集団でリハビリを受けることもあれば、1対1の個別リハビリの場合もあるので、サービス内容はよく確認しておきましょう。またデイケアの事業所の中には、通所が難しい方向けに訪問リハビリのサービスもおこなっているところがあります。

デイサービスとは

デイサービスは「通所介護」とも呼ばれています。デイケアと同じく介護保険が適用されるサービスです。厚生労働省が定める定義では「介護が必要になった人が可能な限り自宅で、その人が持つ能力に合わせて自立的な日常生活を営めるように、生活機能の維持や向上を目指すサービス」となっています。

通所介護は、生活上に必要な世話や機能訓練の実施のほか、社会的な孤独の解消や心身機能の維持も目的とされています。また通所介護を利用することで、利用者の家族の身体的・精神的な負担を軽減することもねらいの1つです。

デイケアとデイサービスの違いは?

デイケアとデイサービスでは厚生労働省が定める定義に違いがありますが、細かく見ていくとよりサービスの違いが分かります。それでは、それぞれの違いをもっと詳しく解説しましょう。

利用目的の違い

デイケアもデイサービスも特定の事業所に通って介護サービスを受ける点は共通する部分です。しかし、利用目的には明確な違いがあります。

デイケアの利用目的

デイケアは別名・通所リハビリテーションというように、身体機能の維持や生活機能の向上に特化している点が大きな特徴です。基本的に要介護1~5の認定を受け、病気や怪我で身体機能が低下し医師からリハビリが必要と判断された方が利用できます。

なお要支援1~2の認定を受けている方向けには、介護予防通所リハビリテーションと呼ばれるデイケアがあります。

デイサービスの利用目的

一方、デイサービスは入浴や食事、機能訓練といった介護サービスに特化しています。通所や他の利用者の方との交流で孤独感を解消するとともに、心身機能の維持と向上により家族の負担を軽減することが目的です。デイサービスは、基本的に要介護1以上の認定を受けた方が利用できます。

また最近では「機能訓練特化型デイサービス」といって、機能訓練に力を入れるデイサービスも増えている傾向です。デイケアとの違いは、医師による指示に基づいているかどうかという点になります。詳しくは「機能訓練とリハビリの違い」の項目で説明します。

サービス内容の違い

続いてはサービス内容の違いについて解説していきましょう。

デイケアの主なサービス内容

デイケアではさまざまなリハビリ機器を活用し、専門職のスタッフが一人ひとりに適したリハビリの指導やサポートをします。ケガや病気で衰えてしまった身体機能を維持させる、または向上を促すリハビリ機器がそろっていることも特徴です。言語障害や認知症によりコミュニケーションがうまくとれなくなっている方は、言語聴覚士によるコミュニケーション能力を向上させるリハビリが受けられます。

身体機能だけではなく、生活機能の維持や向上もデイケアの重要な役割です。日常生活において困っていることがあれば、その悩みを解決して満足できる生活を実現するためのリハビリもしています。自宅だけで生活しているような方のために、生活範囲を広げるサポートもするのです。

またデイケアの施設で長時間を過ごすことも多々あるため、食事や入浴などの生活支援や集団レクリエーションも実施しています。

デイサービスの主なサービス内容

デイサービスの主な内容は、食事や入浴など日常生活のうえで必要な介護です。施設では昼食やおやつ、入浴のサービスが用意されています。食事は個々の噛む機能や飲み込む機能の状態に合わせて、適したものがふるまわれるので安心でしょう。糖尿病や高血圧など病気に対応した食事の提供や、必要に応じて食事介助もおこなわれます。

入浴サービスでは、施設によってはさまざまなタイプの浴室が完備されています。一人でも入れる方向けには個浴や大浴場があり、どちらも手すりやスロープが設置されているので安心です。また、入浴介助が必要な方向けには、車いすやストレッチャーのまま入浴可能な機械浴があるので、体の状態に合った浴室でお風呂を楽しめます。

またデイサービスでは、到着するとまず健康チェックが実施されます。体温や血圧、脈拍を測定し、他にも睡眠時間や今日の体調なども確認するのです。ここで体調不良が分かった場合は、静養室で休憩してもらったり家族に連絡を入れたりと健康管理もしてもらえます。

その他にも身体機能や認知機能の維持や向上につながるレクリエーションがあるのも特徴です。ゲームや体操、他の利用者の方との交流を通じて楽しく機能訓練が受けられます。カラオケや家庭菜園など趣味や娯楽を楽しめる施設も多いです。レクリエーションの参加は強制ではないので、ご本人の意思が尊重されます。

社会的な孤独を解消する目的もあるので、利用者同士が気軽に交流を楽しめるようにさまざまなイベントも実施しています。四季の変化を感じられるお花見や夏祭り、クリスマスなどの季節行事から、誕生日会など工夫を凝らしたイベントが楽しめるのです。

配置されている人員の違い

デイケアもデイサービスもそれぞれ配置される人員に決まりがあります。それぞれの人員配置を比較すると、デイケアはリハビリに特化しているので医師やリハビリの専門職が必ず配置されていることが特徴です。一方、デイサービスでは機能訓練を指導する職員が必ずしも専門職の人とは限りません。医師も常駐していない点がデイケアとの違いです。

デイケアとデイサービスの人員基準について、詳しく見ていきましょう。

デイケアの人員基準

デイケアでは、医師と従事者(リハビリの専門職や看護師、准看護師、介護職員)が施設に配置されています。人員基準は次のとおりです。

医師
(常勤)
1人
介護職員や看護師 利用者10人に対して1人以上
リハビリの専門職
(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
1人以上

デイケアでは常勤の専任医師が1人以上います。なお、病院や診療所が併設される老人介護保険施設では、当該の医療機関の常勤医として兼務しているケースも多数です。

リハビリの専門職や介護士、看護師といった従事者は、利用者10人に対して1人以上の配置が必要です。10人を超える施設では利用者の数を10で割った数の従事者が配置されます。例えば、定員20人のデイケアなら、2人以上の従事者が必要です。

さらにリハビリの専門職は、利用者100人または端数が増えるたびに1人以上配置が必要です。リハビリの専門職は従事者でもあるので、利用者100人以下の施設でも1人は配置されていることになります。

デイサービスの人員基準

デイサービスでは、人事採用や勤務管理などを担う管理者、社会福祉士などの資格を持つ生活相談員、看護師・准看護師といった看護職員介護職員機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師)が配置されます。なお、管理者は規模に関係なく常勤で配置され、生活相談員や介護職員として兼任することも多いです。利用者10人以上の施設での人員基準は次のとおりです。

管理者
(常勤)
1人
生活相談員 1人以上
看護職員 1人以上
介護職員 1人以上
機能訓練指導員 1人以上

10人以上の利用者がいる施設では、生活相談員もしくは介護職員のうち1人以上は常勤でなければなりません。小規模の施設である場合は、生活相談員か介護職員または看護職員のうち、1人以上が常勤です。

生活相談員はデイサービスの提供時間に応じて、専従で1人以上必要です。看護職員は、サービスの提供時間を通じて専従で1人以上配置されます。ただ、小規模のデイサービスでは看護職員または介護職員のいずれか1人を配置しなければなりません。

介護職員は、利用者が15人までの施設は1名以上の職員が必要です。16人を超える施設の場合、利用者の数が5人増すごとに1加えた数が配置されます。例えば、16~20人の施設であれば2人以上、21~25人以上の施設は3人以上となります。

身体機能や認知機能の維持と向上を支援する機能訓練指導員は、勤務形態を問わず1人以上を配置する決まりです。ただし、利用者の日常生活やレクリエーションとして実施される機能訓練に関しては、生活相談員や介護職員が兼務する場合も多々あります。

機能訓練とリハビリとの違い

機能訓練とリハビリは、どちらも身体機能や生活機能の維持・向上のためにおこなわれるものです。しかし、それぞれには少し違った定義が存在します。

機能訓練は、機能訓練指導員などが機能の減退を防止する目的におこなう訓練というのが定義です。リハビリ(リハビリテーション)の定義は、リハビリの専門職が医師の指示のもと、身体機能の維持・回復を目的に実施する訓練となっています。

つまりデイケアで実施するリハビリは、医師の指示でリハビリの専門職が直接指導する訓練です。一方、デイサービスではリハビリの専門職から直接指導されるとは限らず、介護職員や看護師などでも訓練の指示ができるという違いがあります。

料金の違い

デイケアもデイサービスも施設の規模や利用時間、要介護度などに応じて料金は変わるので一概にはいえませんが、デイケアの方が1回あたり数十円~数百円ほど高くなる傾向があります。理由としては、デイケアには医師やリハビリの専門職が配置されおり、またリハビリの内容もデイサービスよりも専門的であるためです。

ここでは例として、デイケアとデイサービスをそれぞれ5~6時間利用した場合の料金を見てみましょう。なお、デイケア・デイサービスともに通常規模型を利用した場合とします。

要介護度 デイケア(通常規模型通所リハビリテーション) デイサービス(通常規模型通所介護)
要介護1 618円 567円
要介護2 733円 670円
要介護3 846円 773円
要介護4 980円 876円
要介護5 1,112円 979円
※「自己負担額1割」「1単位=10円」で計算
参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造(R3.1.18)

デイケアとデイサービスは併用できるか

デイケアとデイサービスは名前が似ていますが、異なる性質と目的を持つ介護サービスです。そのため病気や怪我で身体機能が衰えている、さらに在宅介護の負担を減らしたいと考えている方はデイケアとデイサービスの併用を検討するでしょう。実際のところ、双方のサービスは併用可能なのでしょうか?

要介護認定を受けていれば可能

介護保険は、要介護度が高ければ高いほど利用できる介護サービスが増えていく仕組みとなっています。要介護度が1~5のいずれかに認定されていれば、デイケアとデイサービスの併用可能です。

なお要支援1~2の方は、介護保険を利用する場合はデイサービスが使えずデイケアのみ利用できます。しかし、介護予防サービスとしてのデイサービスであれば、デイケアとの併用は可能です。また介護保険は利用できませんが、全額自己負担でデイサービスを使える場合もあります。

デイケアやデイサービスを利用するには

デイケアやデイサービスなどの介護保険サービスを利用したいときは、まず要介護認定の申請をしましょう。要介護認定とは、一定の基準に基づいて介護の必要性を判断する指標です。要介護度に応じて、利用できる介護サービスの種類や頻度などが決まっています。

要介護認定の詳しい情報や申請方法については、以下の記事を参考にしてください。

要介護認定を受けたら「ケアプラン」という介護の計画書を作成します。介護サービスを適切に利用できるよう、あらかじめ計画を立てることが決まりとなっているのです。

ケアプランは一般的に、居宅介護支援事業所に属するケアマネジャーに作成してもらいます。現在の状況や困っていること、利用したいサービスなどを伝えて相談しながらプランを作成する流れです。このときに、デイケアやデイサービスを利用したい旨も伝えましょう。

ケアプランについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

まずは「求めていること」を把握して適切な選択を

在宅介護が必要となってきたとき、介護や機能訓練の負担を軽減する方法としてデイケアやデイサービスは有効なサービスです。同じ通所型の介護サービスでも、身体機能や生活機能の維持・回復に特化しているサービスがデイケア、社会的な孤独の解消や日常生活に必要な介助、家族の負担軽減を目的としているサービスがデイサービスという点に違いがあります。

それぞれの違いを理解することで、どんな介護サービスが必要なのかが分かってきます。例えば、医師からリハビリを勧められているのであれば、デイケアが適しているでしょう。外に出ることや人との交流を楽しみたいのであれば、デイサービスがおすすめです。

まずはご本人やご家族が何を求めているのかを把握し、それぞれに合ったサービスを選ぶことが大事です。要介護認定を受けている方の場合、どちらのサービスも利用が可能なので、必要であれば併用を考えてみるのも良いでしょう。

平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

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