インタビュー

「コンフォートヒルズ六甲」が考える、老いを自然に受け入れるために大切なこと

老いを受け入れながら快適に暮らすをコンセプトにした介護付き有料老人ホーム「コンフォートヒルズ六甲」。お客様相談室の前羽さんにお話を伺うなかで、前向きに歳を重ねるヒントが見えてきました。

コンフォートヒルズ六甲 お客様相談室の前羽さん コンフォートヒルズ六甲 お客様相談室の前羽さん

安全・安心のサービスを提供するセコムグループが運営する「コンフォートヒルズ六甲」は、神戸の街と海を望み、六甲山の緑を背にした閑静な住宅地にある介護付き有料老人ホームです。

お客様相談室の前羽亜紀(まえばあき)さんは「老いていくことを不安に感じるのではなく、自然に受け入れられるホーム」と言います。老いを自然に受け入れるためにホームが実践している取り組みや大切にしていることなどを取材しました。

老いを受け入れながら快適に住まう

――コンフォートヒルズ六甲のコンセプトである「コンフォートエイジング」とは、どういう意味でしょうか?

施設名でもあるコンフォート(comfort)には「快適さ」や「安心感」といった意味があります。私たちのコンセプトである「コンフォートエイジング」には、老いていくことを不安に感じるのではなく、自然に受け入れながら快適に暮らしていくという意味を込めています。

――若くあり続けるではなく、老いを自然に受け入れるですか。

歳を重ねることにあらがうアンチエイジングという言葉がありますが、逆らえるものではありません。老いは誰しもに平等にあることです。

当ホームは、あらがうよりも受け入れながら歳を重ねられるホームを目指しています。そのためにも、快適で安心できる場所を提供したいですね。

――なぜ、安心・快適な環境を提供することが、コンフォートエイジングにつながるのでしょうか?

「親身になってくれる人がいない」「もしもの際に駆けつけてくれる人がいない」など、安心できない環境に身を置いていると、将来に不安が募ります。老いることにネガティブになってしまうんです。

安心・快適な生活の基盤があると、安心しながら歳を重ねていくことができます。結果、自然に老いを受け入れられるんだと思います。

――なるほど。老いを前向きに捉えるために、コンフォートヒルズ六甲が提供している安心・快適な基盤とは具体的に何でしょうか?

手厚い看護・介護体制と隣接する病院との医療連携、健康に配慮したおいしいお食事、快適に暮らせる住まいです。「医・食・住」を柱に居住者様の心や体をサポートしています。

ホームの隣には「かかりつけ医」という安心

――「医・食・住」の中で1番の強みを教えてください。

そうですね、医療連携でしょうか。コンフォートヒルズ六甲はセコムグループが運営している老人ホームです。セコム提携病院である「神戸海星病院」が同じ敷地内に隣接していることが強みですね。

当ホームは2009年設立ですが、その当時は「総合病院と隣接する日本初の老人ホーム」といわれていました。

病院と隣接 病院と隣接、建築デザインは安藤忠雄氏(左:コンフォートヒルズ六甲、右2棟:神戸海星病院)

――たしかに、総合病院が隣接しているのは珍しいですね。クリニックが隣接しているホームもあると思いますが、どう違うのでしょうか?

そうですね、クリニックには夜間にドクターがいない場合も多いですが、総合病院には24時間ドクターが常勤しています。あと、診療科が充実していることです。

※神戸海星病院の診療科

内科、国際内科、循環器内科、消化器内科、外科、乳腺外科、整形外科、皮膚科、眼科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、脳神経外科、形成外科、泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科、精神科、神経内科、漢方内科、リウマチ科

――実際に居住者様はどのような場面で、病院隣接のメリットを感じていますか?

通院が楽という点ですね。居室からエレベータを降りて連絡口を出たら、すぐ目の前が病院の正面玄関です。雨の日でも傘をささずにいけますよ。

受診予約はスタッフが行い、順番が来るまでお部屋で待機していただけますし、診察が終われば精算せずに、お薬も待たずにそのまま帰れます。

医療費は月額費用と併せて精算しますし、お薬はあとでお部屋にお届けしています。

神戸海星病院の受付 神戸海星病院の受付

――緊急時の対応はどうでしょうか?

神戸海星病院は救急指定病院でもあります。日中、夜間に関係なくすぐ医師の判断を仰げるんです。しっかりと「万が一の事態」に備えていますので、そういった面でも穏やかな日常を送っていただけます。

他にも担当医による往診、定期健康診断、人間ドック、リハビリも実施していますよ。

――リハビリ環境も整っているのでしょうか?

はい、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のリハビリの専門家がそろっています(※)。

理学療法士は神戸海星病院から出向しています。病院のリハビリテーション科としっかり連携できているので、骨折などで神戸海星病院に入院した方も、退院後もスムーズにホームでのリハビリに移行可能です。

※理学療法士は常勤1名、非常勤3名。作業療法士は常勤1名。言語聴覚士は非常勤1名。(2020年10月現在)

理学療法士による本格的なリハビリテーション 理学療法士による本格的なリハビリテーション

――グループの強みですね。改善事例はありますか?

入居時は車椅子でしたが、歩行器を使って歩けるようになり、今では杖なしで歩いている方もいらっしゃいます。

当ホームでは、改善はもちろんですが、今ある機能を維持することも大切と考えています。そのため介護予防にも力を入れています。

――機能を維持することは、老いにあらがうこととは違うのでしょうか?

違いますね、筋力は何歳になっても鍛えるだけつきますから(笑)。快適、安心に歳を重ねるためにも、リハビリや運動は大切と考えています。

――コンフォートヒルズ六甲ならではの介護予防があれば教えてください。

はい。介護予防に取り組む「コンフォート・エイジング・エリア(Comfort Aging Area)」を用意してます。通称・カレアと呼ばれていて、このエリアには「フィットネス・リハビリ」「カレアラウンジ」「左右対称個室浴室」があります。

分かりやすくいうとデイサービスみたいな感じでしょうか。

コンフォート・エイジング・エリア

――なぜカレアという介護予防エリアができたのでしょうか?

当ホームには「一般居室」と「介護居室」があります。

一般居室の方でも退院直後や体調の悪いときは、一時的に介護居室をご利用いただけます。しかし我々としてはできるかぎり、住み慣れた一般居室で自立した生活を続けてほしいのです。そのために介護予防に取り組めるエリアをつくりました。

――やはり一般居室から介護居室への移動は、居住者様にとってショックな出来事なのでしょうか?

できたことができなくなったり、いつもの生活が急に変化したりすると不安が大きいですよね。やはり誰しもできるだけ一般居室で自立した生活を続けたいものです。

――できたことができなくなると、老いを受け入れることが難しいと思います。どんなサポートをしていますか?

そうですね、日々の緩やかな変化は受け入れやすいですが、急な変化を受け入れることは難しい問題です。そういうこともあり、当ホームでは一般居室から介護居室へ一気に切り替えていただくことはしていません。

一般居室と介護居室をお体の状態に合わせて両方使える「同時共有システム」を採用しています。

――「同時共有システム」ですか。

はい。一般的な施設では一度介護居室へ移動したら、一般居室の権利を失ってしまうので、たとえお元気になっても一般居室には戻れません。

そういう環境ですと「一般居室に戻れない」「リハビリしても仕方がない」とネガティブな気持ちになります。「また戻りたい」という気持ちや希望があるからこそ、リハビリに取り組み改善していくのです。

実際に、介護居室から一般居室に戻った人は多くいらっしゃいます。

――「いつでも自立に戻れる」というシステムが居住者様のお気持ちを支えるんですね。

はい、その通りです。一般居室・介護居室の同時共有システムやカレアなどの設備で、コンフォートエイジングを支えています。

一般居室 一般居室 介護居室 介護居室

直営ダイニングならではのこだわり

――コンフォートヒルズ六甲のお食事はどうでしょうか?

コンフォートヒルズ六甲のお食事は委託ではなく直営で、ホテルやレストランで働いていた経験豊富なシェフ、パティシエが在籍しています。

朝昼晩のお食事は予約不要で、毎食その日の気分に合わせて選択できるので、居住者様にも喜ばれていますし、アラカルトメニューも豊富にご用意していますよ。

あと一人ひとりのご意見をまとめた「食のカルテ」を作成していますね。

――「食のカルテ」にはどんなことが書かれているのでしょうか?

「好きなもの」「食べられないもの」「食材の硬さ」「ご飯のグラム数」「サラダのドレッシングは別添え」など、細かくご希望を記しています。

陽光が差し込む明るいダイニング 陽光が差し込む明るいダイニング

――直営ダイニングだからこそなせるおもてなしですね。他にも独自のサービスがあれば教えてください。

飲み込む力が衰えてきた方のために、食べやすく調理した介護食にも力を入れて取り組んでいます。「通常食」「軟菜食」「極軟菜食」「ソフト食」と、食べる能力に応じて変化します。

当ホーム独自の食形態である「極軟菜食」は、舌でつぶれる柔らかさに調理し、軟菜食より食べやすく、ソフト食よりも見た目が良く、素材の味を楽しめるお食事です。

――軟菜食からソフト食に一気に変更しない、細やかな配慮ですね。

はい、できるだけ口から食べる喜びを味わっていただきたく、おいしさと安全性の両立を目指して開発しました。直営だからこそ、細やかな配慮が可能なんです。

食べやすく見た目もおいしい「極軟菜食」 食べやすく見た目もおいしい「極軟菜食」

穏やかな時間が流れるコンフォートヒルズ六甲の暮らし

――1日のスケジュールを教えてください。

一般居室の方と、介護居室の方でスケジュールが異なります。

一般居室の方は、マンションに生活サービスが付いているような感じで基本的に自由な生活です。お買い物も習い事も自由です。

館内では合唱、書道、太極拳、麻雀などの各教室がありますので、お好きなものにご参加いただけます。図書ラウンジで本を読んだり、マッサージや理美容室などのサービスを利用したり、思い思いのご生活を楽しんでおられます。

介護居室の方は24時間スタッフが見守りながら暮らしています。朝のモーニングケアから始まり、お食事や入浴、排泄の介助をサポートしています。

1日のスケジュール

――一般居室と介護居室の内訳を教えてください。

一般居室111室、介護居室58室です。一般的な介護付き有料老人ホームは、一般居室の2割が介護居室といわれていますので、介護居室の割合が多いのが特徴かもしれません。

――どうして多いのでしょうか?

総合病院が隣接24時間看護師常駐、それに加えて介護保険の人員配置基準の2倍のスタッフを配置という体制です。手厚い医療・介護体制が整っているため、介護居室のニーズに応えることができます。

――安心だからこそですね。コンフォートヒルズ六甲の平均介護度や平均年齢、男女比、居住者様の雰囲気を教えてください。

ホーム全体の平均介護度は要介護2、平均年齢は86歳、男女比は3:7です。居住者様の雰囲気は気さくで穏やかな方が多いですよ。スタッフと居住者様の距離感も近いですね。

安心から生まれるコンフォートエイジング

――入居したことによって、老いを前向きに捉えられた居住者様はいらっしゃいますか?

入居後は自然に人との触れ合いが増えます。明るく、お元気になった方が多くいらっしゃいますね。

あと90歳からダンスをはじめた方や、施設入居後もピアノに挑戦している方などもいらっしゃいます。安心できる環境があるからこそ、意欲的に活動できるのかなと思っています。

――素敵ですね。前羽さんが考える晩年を豊かに楽しむ秘訣を教えてください。

うーん、少し堅い表現になりますが「社会性」でしょうか。いろんな人と関わって、いろんなことに関心をもっている方は豊かな時間を過ごされています。

そういう時間も、安全・安心の環境が整っている暮らしの上で成り立っていると思うんです。だからこそコンフォートヒルズ六甲は「ここにいれば安心だ」と思っていただけるようなホームを目指しています。

――ありがとうございます。最後に入居を検討している方に一言お願いします。

阪神間は高級老人ホームが多いエリアです。コンフォートヒルズ六甲は周辺の高級老人ホームに比べると、中規模の居室数といえます。だからこそ居住者様やご家族に寄り添った細やかなサービスを提供できると考えております。

現在入居を検討中でしたら、お気軽にご見学ください。そしてご見学の際にはお食事を召し上がっていただきたいです。私たちのこだわりがわかっていただけると思います。

またスカイラウンジから見る神戸の街や海は素晴らしい景色です。この立地もきっと気に入っていただけますよ。

スカイラウンジから望む神戸の街 スカイラウンジから望む神戸の街

老人ホーム・介護施設の概要
施設名:コンフォートヒルズ六甲
事業者名:セコムフォートウエスト株式会社
住所:兵庫県神戸市灘区篠原北町3丁目11-14
コンフォートヒルズ六甲の詳細ページ

井上

この記事の寄稿者

井上

介護のほんねニュース編集部。
認知症サポーターです。介護に関する今話題のトピックや疑問を、分かりやすくお届けします。

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