要介護認定の認定調査とは|聞き取り内容・所要時間・用紙の記入例など

要介護認定の「認定調査」は、認定調査員が自宅を訪問して心身状態について本人や家族から聞き取りをするものです。認定調査を受けるにあたって「何を聞かれるのか」「どのくらい時間がかかるのか」と不安に思う人も多いでしょう。

ここでは認定調査項目や所要時間のほか、要介護認定の仕組み要介護認定を受けたら利用できるサービスまで解説します。調査項目について知っておくことが納得のいく結果を得ることにもつながりますので、要介護認定を検討している人はぜひ参考にしてください。

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要介護認定の認定調査とは|聞き取り内容・所要時間・用紙の記入例など
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

要介護認定とは

「要介護認定」は、国が定めた基準に基づいて介護の必要度を客観的に判定する仕組みです。介護保険サービスを利用する条件としても用いられ、介護保険を運営する各自治体が実施しています。一定の基準に基づいた判定を利用条件とすることで、介護保険制度の公平性を保っているのです。

要介護認定の結果は、介護や介護予防の必要性に応じて「要支援1、2」「要介護1~5」の7段階で表されます。

要介護度1から要介護度5までの各概要について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
要介護1とは、受けられるサービスや給付金限度額、要介護2との違い
要介護2とは、一人暮らしは可能?また入居できる施設を紹介
要介護3とは?認定基準や支給限度額、入居可能な施設などをご紹介
要介護4とは?受けられるサービスや支給限度額、要介護5との違いをご紹介
要介護5はどんな状態なのか、入院費やサービス内容、生活のスタイルなど

要支援度や要介護度はどのように判定されるのか、まずは認定の流れを理解しておきましょう。

申請から要介護認定までの流れ

要介護認定の審査には「介護の手間に係る審査判定」と「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」があります。メインになるのは「介護の手間に係る審査判定」です。この審査は「一次判定」「二次判定」の2段階で実施されます。

要介護認定の流れ

一次判定|認定調査と主治医意見書

一次判定は、2つの資料に基づくコンピュータ判定です。

1つ目の判断材料が、市区町村の認定調査員による「認定調査」です。申請者の心身状態を調べるため、本人や家族から聞き取り調査を実施します。

2つ目は「主治医意見書」です。疾病や外傷などの状態について、かかりつけ医から医学的な見解を示してもらいます。

「認定調査」と「主治医意見書」の内容はコンピュータに入力され「1分間タイムスタディ・データ」と照合されます。「1分間タイムスタディ・データ」とは、介護老人福祉施設や介護療養型医療施設などに入所・入院している約3,500人の高齢者を対象に「48時間のうちにどのような介護をどれくらいの時間にわたって受けたか」について調査したものです。このデータと照らし合わせることで、1日に介護が必要な時間の目安になる「要介護認定等基準時間」を算出します。

一次判定では「要介護認定等基準時間」にしたがって、6段階に区分されます。

二次判定|介護認定審査会

保健、医療、福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が一次判定の結果について審議するのが二次判定です。認定調査の特記事項や主治医意見書を確認し、コンピュータでは判定できないような個別の事情も考慮します。必要に応じて一次判定結果の変更も可能です。

状態の維持・改善可能性に係る審査判定

「要支援2」と「要介護1」は、一次判定で算出される「要介護認定等基準時間」の区分が同じです。そこで「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」を実施し、次のどちらかに当てはまる場合を「要介護1」と認定します。

(1)疾病や外傷などにより心身の状態が安定せず、短期間で要介護状態等の再評価が必要になると想定される。
(2)認知機能や思考・感情等の障害により、十分に説明したとしても予防給付の利用を適切に理解できない。
引用:厚生労働省「状態の維持・改善可能性にかかる審査判定

「一次判定」「二次判定」さらに「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」と複数のプロセスを経て、要支援度や要介護度が決定するのです。

要介護認定の認定調査とは

上記の通り「認定調査」は、要介護認定の重要な判断基準となる調査です。認定調査の内容をもとに、介護に必要な時間を計算したり特別な事情の有無を判断したりされます。

認定調査は、本人の心身状態について本人や家族に質問し聞き取りをする調査です。要介護認定を申請したら、事前に日程を相談したうえで認定調査員が自宅を訪問します。

入院中に認定調査を受けたい場合

認定調査は、自宅以外で受けることも可能です。認定調査の実施場所に関しては「原則として日頃の状況を把握できる場所」という規定があります。長期入院中などの理由で本人が自宅にいない場合は、病院などで実施することもできるのです。ただしその際も家族の立ち合いは必要ですので、予定を調整する際は気を付けましょう。

一次判定はシミュレーションができる

要介護認定はあらゆる状況を総合的に判断されますので、事前に結果を知ることは困難です。しかしコンピュータ判定である一次判定だけならば、ある程度の予測をすることができます。

一次判定のシミュレーションができる便利なウェブサイトを2つ紹介します。ただし、国や自治体による公式のものではありません。また実際の認定には上述のとおり、専門家による審査など複数のステップがあります。そのためシミュレーション結果と認定結果は一致しない可能性もありますので、利用する際はあくまでも参考としてお考えください。

一次判定シミュレーションができるウェブサイト

調査を担当する認定調査員とは

認定調査をするのは「認定調査員」と呼ばれる人です。「認定調査員」にはいくつかの条件がありますが、特定の資格はありません。

対象者が初めて認定調査を受ける時は、市区町村の職員や事業受託をした法人の職員が担当します。区分変更や要介護認定の更新の際の認定調査は、厚生労働省が定める介護事業者やケアマネジャーでも実施することが可能す。

どちらの場合も市区町村に委託を受けるだけではなく、都道府県による認定調査研修を修了することが条件とされています。

認定調査の方法や基準を記した「認定調査員テキスト」

認定調査研修には「認定調査員テキスト」というマニュアルが用いられます。

このテキストは要介護認定の仕組みのほか、認定調査の方法や注意すべきポイント、調査内容の記入方法などを記載したものです。巻末には、次の項目で紹介する「認定調査票」も収録されています。

「どのような点が調査されているのか」「何を基準に判断されるのか」を知ることができますので、読んでみると参考になるでしょう。

参考:厚生労働省「認定調査員テキスト 2009 改訂版

認定調査に使う認定調査票とは

「認定調査表」は、認定調査員が調査内容を記入する用紙のことです。大きく分けると、内容は「基本調査」と「概況調査」の2種類で構成されています。認定調査は調査票に沿って実施されますので、内容を理解しておくと心構えができるはずです。

基本調査

まずは「基本調査」について詳しく見ていきましょう。項目は全部で74項目あり、回答は選択肢から選ぶ形式です。「身体機能・起居動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活への適応」の5分類に加え、過去14日間に受けた医療行為についても調査されます。

基本調査の分類と項目一覧
分類 項目数 項目
身体機能・起居動作 20 麻痺(5項目)/拘縮(4項目)/寝返り/起き上がり/座位保持/両足での立位/歩行/立ち上がり/片足での立位/洗身/つめ切り/視力/聴力
生活機能 12 移乗/移動/嚥下/食事摂取/排尿/排便/口腔清潔/洗顔/整髪/上衣の着脱/ズボン等の着脱/外出頻度
認知機能 9 意思の伝達/毎日の日課を理解/生年月日を言う/短期記憶/自分の名前を言う/今の季節を理解/場所の理解/徘徊/外出して戻れない
精神・行動障害 15 被害的/作話/感情が不安定/昼夜逆転/同じ話をする/大声を出す/介護に抵抗/落ち着きなし/一人で出たがる/収集癖/物や衣類を壊す/ひどい物忘れ/独り言・独り笑い/自分勝手に行動する/話がまとまらない
社会生活への適応 6 薬の内服/金銭の管理/日常の意思決定/集団への不適応/買い物/かんたんな調理
その他
(過去14日間に受けた医療)
12 点滴の管理/中心静脈栄養/透析/ストーマ(人口肛門)の処置/酸素療法/レスピーター(人口呼吸器)/気管切開の処置/疼痛の看護/経管栄養/モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)/褥瘡の処置/カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等)

74項目の一つひとつに対して、評価軸が決まっています。軸となるのは「能力」「介助の方法」「有無」の3つのうちいずれか1つです。認定調査員は評価軸に沿って判断することになっています。

例えば「寝返り」の選択肢は「つかまらないでできる」「何かにつかまればできる」「できない」となっています。できるかできないかで判定されていますので、この評価軸は「能力」です。

一方「移乗」では「介助の方法」が評価軸とされています。選択肢は「介助されていない」「見守り等」「一部介助」「全介助」の4つです。

この評価軸についても、前の項目で紹介した「認定調査員テキスト 2009 改訂版」に明記されています。気になる方はテキストの「3. 認定調査関係書類の概要と留意点 3. 基本調査項目についての整理方法」をご確認ください。

概況調査

概況調査の記入項目は「調査実施者(記入者)」「調査対象者」「現在受けているサービスの状況」「置かれている環境等」の4点です。

「調査実施者(記入者)」には認定調査員の氏名や所属期間を記入します。「調査対象者」の内容は、対象者の氏名や生年月日、連絡先、過去の認定結果など基本的なものです。

「現在受けているサービス」では、認定調査を実施した月に利用したサービスの種類と頻度を答えます。福祉用具貸与は調査日時点でレンタルしている品目数、特定福祉用具販売は過去6カ月で購入した品目数です。

「置かれている環境等」の調査対象は、家族の状況や居住環境、日常的に使用している機器があるかどうかなどです。この項目は選択式ではないため、特記事項として記入されます。ただし認定調査員テキストでも「置かれている環境等を根拠に二次判定での変更を行うことは認められておらず、あくまで参考の情報として扱う」とある通り、メインの調査項目ではなく補助的に扱われる項目です。

引用:厚生労働省「認定調査員テキスト 2009 改訂版

日常生活自立度

認定調査票の最後に「日常生活自立度」という項目があります。内容は「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」「認知症高齢者の日常生活自立度」の2つです。訪問調査時の様子から判断して、それぞれどのレベルに相当するのか認定調査員が選択します。判断基準は下の表のとおりです。

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
分類 ランク 状態
生活自立 ランクJ 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
  1. 交通機関等を利用して外出する
  2. 隣近所へなら外出する
準寝たきり ランクA 屋内での生活はおおむね自立しているが、介助なしには外出しない
  1. 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
  2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
寝たきり ランクB 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
  1. 車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
  2. 介助により車いすに移乗する
ランクC 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替えにおいて介助を要する
  1. 自力で寝返りをうつ
  2. 自力では寝返りもうてない

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)とは|判定の基準・要介護認定との関係

認知症高齢者の日常生活自立度
認知症高齢者の日常生活自立度

認知症高齢者の日常生活自立度については、以下の記事で紹介しています。
認知症高齢者の日常生活自立度とは、判定の基準や覚え方を紹介

認定調査にはどれくらいの時間がかかるか

基本調査で74項目と聞くと「時間のかかるとても大変な調査なのではないか」と心配になる方もいるでしょう。実際は、認定調査は約30分から1時間程度で終わります。前もって質問項目を理解し準備しておくことで、よりスムーズに進めることができるでしょう。

要介護認定申請から認定までの期間は?

では要介護認定の申請をしてから認定を受けるまでは、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。前述したとおり、要介護認定には認定調査のほかにも主治医意見書の提出や介護認定審査会による二次判定など、多くのステップがあります。

申請から認定までの期間については、介護保険法第27条第11項に記載されています。

第一項の申請に対する処分は、当該申請のあった日から三十日以内にしなければならない。ただし、当該申請に係る被保険者の心身の状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、当該申請のあった日から三十日以内に、当該被保険者に対し、当該申請に対する処分をするためになお要する期間(次項において「処理見込期間」という。)及びその理由を通知し、これを延期することができる。
引用:厚生労働省「介護保険法(平成九年十二月十七日)(法律第百二十三号)

ここでいう「第一項の申請」とは要介護認定の申請のことです。つまり、基本的には申請から30日以内に認定結果が出されます。それ以上にかかるときはおおよその期間と理由を通知するよう定められていますので、万一連絡がない場合は自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

認定調査では事前の準備が重要

認定調査の準備をしておくことは、当日の調査をスムーズに進めるためだけでなく的確な判定結果を出してもらうためにも重要です。

要介護認定の判断のもとになるのは、認定調査と主治医意見書です。つまり認定調査と主治医意見書で現状をしっかり伝えることが、実態に合った結果につながるといえます。本当は困っていることがあるのに伝え忘れてしまうと「実際よりも明らかに軽い要介護度になってしまった」という事態にもなりかねません。

認定調査に臨む際に、準備しておくべきポイントは次のとおりです。

調査項目を理解しておく

まずは調査される項目を知っておくことが必要です。30分~1時間程度に74項目の質問を受けますので、内容を知らないと焦ってしまい、とっさにうまく答えられないということもあるでしょう。

項目に対する答えを用意する

項目を理解できたら、それぞれどう答えるかイメージしておきましょう。決まりきった答えを用意する必要はありませんが「こんな症状がある」「こういうことに困っている」など、大切なポイントはもれなく伝えられるように準備しておくと、分かりやすく説明できます。

日ごろの様子を記録しておく

答えの用意にも通じますが、日ごろの様子を記録しておくことも効果的です。調査前に落ち着いて振り返ることもできますし、認定調査員に記録を見せることで具体的な状態も理解してもらえます。

記録を残しておけば、突発的に起きた出来事でも「○月○日にこんなことがあって、とても苦労した」というように事実に基づいて伝えることが可能です。本人の前で伝えづらいことは、あらかじめメモにまとめて認定調査員に渡す方法もあります。

また、認定調査票には特記事項の欄があります。基本調査の項目にないことでも、気になっていることがあればぜひ伝えましょう。二次判定では特記事項の内容も考慮されますので、判断材料の1つになります。

認定調査では、ありのままの状態をいかに伝えられるかが大切です。調査を受ける本人にもプライドがあります。普段できないことをできると言ってしまうなど、その場だけしっかりと受け答えをするケースもあるのです。その状態を通常時と受け取られると、実情と差がある認定結果になります。適切な結果が得られるよう、同席する家族が日常の様子をしっかり伝えられるように努めましょう。

要介護認定の結果に異議を唱えることも可能

「認定調査でうまく状態を伝えられなかった」「実態と異なる認定結果で納得がいかない」という場合、結果に異議を申し立てることができます。要介護認定の結果に不満があり要介護度を変更したい場合、次の2種類の方法をお試しください。

介護保険審査会への申し立て

1つ目は都道府県の「介護保険審査会」に申し立てをする方法です。介護認定の通知を受けた翌日から60日以内であれば、申し立てられます。しかし結果が出るまでには数カ月かかることが多く、時間を要するのが実情です。また結果が出るまでの期間は、現状の要介護度でサービスを受けなければなりません。

区分変更申請

2つ目の方法として要介護認定の「区分変更」の申請があります。「区分変更」は本来、心身状態が変わったときに更新時期よりも早く認定調査を受けるための制度です。要介護認定は基本的に30日以内に結果が出るため、介護保険審査会への申し立てよりも早く結果が得られます。さらに区分変更の結果は申請をした日までさかのぼって適用できるため、メリットも大きいのです。

このような理由から、認定結果を変更したい場合は多くの方が「区分変更」の申請をしています。

介護保険審査会への申し立てと区分変更申請の比較
介護保険審査会への申し立て 区分変更申請
結果が出るまでの期間 数カ月程度 基本的に30日以内
結果が出るまでの要介護度の扱い 一度認定を受けた要介護度でサービスを利用 申請日までさかのぼって区分変更後の要介護度の適用が可能

要介護認定を受けたら介護保険サービスを利用できる

ここまでは要介護認定の申請方法や判断基準について説明してきました。さて、そもそも要介護認定を受けることにはどのような利点があるのでしょうか。

要介護認定を受けることの最大のメリットは、介護保険サービスを利用できることです。

要介護認定を受けていない人でも、生活支援や介護予防に特化した「総合事業(地域支援事業)」は利用できます。しかしサービス範囲が限定的であるため、介護が必要な人は要介護認定を受けて適切な介護保険サービスを利用したほうが効果的です。介護保険サービスは一人ひとりの状態に合ったケアプランに応じて利用できます。さらに介護保険が適用されますので、所得に応じて自己負担1割~3割と低額で利用できるのです。

ここからは要介護認定を受けた後に利用できる「介護保険サービス」について、種類別に紹介します。

居宅介護支援

介護保険サービスを利用するうえで必要な「ケアプラン」を作成します。ケアプランとは利用するサービスの種類や内容、頻度などを定めた計画です。また、計画に沿ってサービスを利用できるよう事業者などと連絡、調整をします。

居宅サービス

「居宅サービス」は、要介護認定を受けた人が自宅や軽費老人ホーム・有料老人ホームなどの住まいで生活を続ける際に利用できるサービスです。自宅で受けるサービスから施設に日帰りで通うもの、宿泊できるものなどさまざまな種類があります。

訪問サービス

介護スタッフや看護スタッフなどが居宅を訪問してケアを提供するのが「訪問サービス」です。

訪問サービスの種類
訪問介護 介護福祉士や訪問介護員が居宅を訪問し、入浴や排泄、食事など生活支援の介護をする。
訪問入浴介護 居宅に専用の浴槽を持ち込み、入浴介護をする。
訪問看護 看護師、准看護師、保健師、理学療法士および作業療法士が居宅を訪問し、療養にかかわる世話や必要な診療の補助をする。
訪問リハビリテーション リハビリの専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が居宅を訪問し、リハビリをする。
居宅療養型管理指導 医師、歯科医師、薬剤師などが通院が困難な人の居宅を訪問し、療養上の管理や指導をする。

通所サービス

「通所サービス」では、利用者が施設に通って日帰りでサービスを受けます。サービス事業者が自宅への送迎もしてくれるケースが大半です。

通所サービスの種類
通所介護(デイサービス) デイサービスセンターなどに通って入浴、排泄、食事などの介護を受ける。
通所リハビリテーション(デイケア) 介護老人保健施設、病院や診療所に通って、リハビリを受ける。

短期入所サービス

施設に一時的に入所できるのが「短期入所サービス」です。数日~30日間宿泊でき、生活支援やリハビリ、レクリエーションなどを受けられます。

短期入所サービスの種類
短期入所生活介護(ショートステイ) 特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、入浴、排泄、食事などの介護やリハビリなどを受ける。
短期入所療養介護 介護老人保健施設などの施設に短期間入所する。上記のショートステイに加え、医療的なケアも受けられる。

その他のサービス

「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」以外にも利用できるサービスがあります。

その他のサービスの種類
特定施設入居者生活介護 都道府県によって指定を受けた特定の施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム)に入居している要介護者に対して提供されるサービス。日常生活の介護から洗濯、掃除といった家事や生活相談、レクリエーションなども含まれる。
福祉用具貸与(レンタル) 車イスや介護ベッド、手すりなどの福祉用具を選定し貸与する。
特定福祉用具販売 腰掛便座や入浴補助用具など、貸与に向いていない衛生的な福祉用具を販売する。
住宅改修(リフォーム) 手すりの取り付けや段差の解消など、自宅で安全に過ごすための改修にかかる費用の一部を支給する。

施設サービス

自宅での生活が難しい場合、介護保険が適用される施設への入居も選択肢の1つです。施設サービスの種類ごとに、対象となる施設も決まっています。

施設サービスの種類
介護福祉施設サービス
(特別養護老人ホーム)
入浴、排泄、食事などの介護のほか、日常生活で必要となるサービスや機能訓練、健康管理上のサービスを提供する。
介護保険施設サービス
(介護老人保健施設)
機能訓練や医療的なケアに加えて、介護や日常生活上のサービスを提供する。
介護医療院サービス
(介護医療院)
長期的な療養が必要な人に対して、看護・医学的な管理の必要となる介護、機能訓練、医療的なケアなどを提供する。
介護療養施設サービス
(介護療養型医療施設)
都道府県からの指定を受けた施設で、看護・医学的な管理の必要となる介護、機能訓練、医療的なケアなどを提供する。

地域密着型サービス

「地域密着型サービス」は、介護が必要になっても住み慣れた地域で生活できることを目的としています。そのため利用できるのは、サービス事業者と同じ市区町村に住んでいる人です。異なる自治体に住んでいる人は利用対象外となりますので、注意しましょう。

地域密着型サービスの種類
訪問サービス 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 利用者の居宅を定期的に巡回したり、利用者からの連絡を受けた際に訪問したりして、日常生活上の介護や療養生活のための看護をする。
夜間対応型訪問介護 上記の定期巡回・随時対応型サービスを18時~8時の夜間帯に提供する。
通所サービス 地域密着型通所介護 通所介護のうち、地域密着型のもの。デイサービスセンターなどに通って、介護や日常生活上のサービス、機能訓練を受ける。
療養通所介護 常に看護師による観察が必要な重度要介護者やがん末期患者を対象とするサービス。施設に通って入浴、排泄、食事などの介護や機能訓練を受ける。
認知症対応型通所介護 認知症の人を対象とした通所介護。
訪問・通所・宿泊を組み合わせたサービス 小規模多機能型居宅介護 必要に応じて訪問介護、通所介護、短期入所を組み合わせて利用できる。
看護小規模多機能型居介護(複合型サービス) 小規模多機能型居宅介護のサービスに加えて、療養生活上の看護も受けられる。
施設サービス 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) グループホームで、日常生活上の介護やサービス、機能訓練などを提供する。
地域密着型特定施設入居者生活介護
(入居定員29人以下の有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム)
「特定施設入居者生活介護」に施設されている施設のうち、入居定員29人以下の施設が該当。日常生活の介護や家事、レクリエーションなどをする。
地域密着型老人福祉施設入居者生活介護
(入居定員29人以下の特別養護老人ホーム)
入居定員29人以下の特別養護老人ホームが該当。日常生活上の介護やサービス、機能訓練、健康管理サービスなどを受ける。

認定調査の内容を理解してしっかり準備しよう

「要介護認定」を受けることで、多様な介護保険サービスを少ない負担で利用できます。介護と向き合っていくうえで「要介護認定」は避けて通れないステップなのです。

「要介護認定」では、本人の心身状態を詳しく調査する「認定調査」が大きな役割を担っています。正しく判定してもらうためにも、対象者の情報を正確にありのままに伝えることが大切です。

認定調査の項目は74項目と多く、どう備えたらいいのかと悩む人もいるかもしれません。しかしこのページでも紹介したとおり、調査項目や判断基準などの情報は公開されています。内容を知ってどれだけ事前に準備できるかによって、認定調査を受ける心の余裕も変わってくるでしょう。

要介護認定の判定方法は複雑で「こう答えたら必ず介護度が上がる」というものはありません。それどころか過剰に伝えてしまうと、主治医意見書の内容と差が生じて信ぴょう性が落ちてしまいます。状態を正しく伝えたうえでどう判定されるかは、専門家である認定審査会に任せましょう。

しかし、明らかに現状と差がある場合は区分変更の申請も有効です。さまざまな制度があることを知って、必要に応じて活用できるようにしましょう。

要介護認定の仕組みは複雑で分かりにくい部分もあるからこそ、しっかりと理解しておくことが重要です。

この記事のまとめ

  • 要介護認定を受けるためには認定調査が必須
  • 認定調査員が自宅へ訪問し、聞き取り調査を実施
  • 基本調査項目は全部で74項目、事前に答えをシミュレーションしよう