老人ホーム入居時に持ち込めるものとは|日用品、家具、家電、介護用品などを解説
老人ホームでは、自宅から生活用品を持ち込めます。この記事では、テレビ、家具、寝具、杖、車椅子、入浴器具、コップや歯ブラシなどの日用品について入居する際に持ち込めるものや、持ち込めば便利な持参品について紹介します。
大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。
老人ホームへの入居前に悩むのが「持ち込むものの整理」
老人ホームへの入居前には契約、入居金の支払い、かかりつけ医への報告など「準備すること」がいくつかあります。
その準備の一つに「持ち込むものの整理」があります。老人ホームへの入居は一般的な引っ越しに近い感覚です。
「何を持ち込むべきなのか」がわからないままだと、必要なものを処分してしまうこともありえます。
また、介護用品は老人ホームまたは老人ホームが提携している福祉用具貸与事業所でレンタルすることも可能です。
「持ち込むものの整理」をする際に、どんな点に注意すべきか解説していきますので、入居の準備をするときに参考にしてください。
老人ホームの入居で必要なもの一覧
では実際に老人ホームの入居にあたって持ち込むべきものを、日用品類・リネン類・家具家電類に分けて紹介します。
老人ホームに入居する際に必要なアイテムを、日用品類・リネン類・家具家電類に分けて紹介します。
日用品類
洗面用具かつ消耗品でもある「歯ブラシ」や「歯磨き粉」は、施設に用意されていないことが多いです。その他、洗顔料や入れ歯用口腔ケア用品、髭剃り用品なども準備しましょう。
その他、ヘアブラシ、爪切り、耳かき、シャンプー、ボディーソープといった日用品も持ち込む必要があります。
居室の中にトイレが備え付けられている施設の場合は、トイレットペーパーも自分で用意しなければならないこともあります。入居前にトイレットペーパーを用意しておく必要があるかを確認しておきましょう。
また老眼鏡やおむつ用品は、入居者の状況によっては持ち込む必要があります。介護が必要になる場合でも、おむつは自分で用意しなければならない施設がほとんどです。
さらに必需品ではないものの、本や雑誌などの娯楽用品があると、生活しやすくを潤してくれなります。趣味を活かせるものや暇をつぶせるものなどを持ち込むのもおすすめです。施設によっては、レクリエーションの用品として囲碁盤や将棋盤が用意されていることもあります。
持ち込むべき日用品
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
- 洗顔料
- 入れ歯用口腔ケア用品
- 髭剃り用品
- ヘアブラシ
- 爪切り
- 耳かき
- シャンプー
- ボディーソープ
- トイレットペーパー
- 老眼鏡
- おむつ用品
- 本・雑誌、趣味に関する用品
リネン類
衣類やタオルなどは自分で持ち込む必要があるケースが多いです。衣類をしまうための衣類ケースも用意してください。またシーツのレンタルができない施設の場合は自前で持っていきます。
持ち込む衣類の量の目安は、自立度によって異なります。要介護度が高い場合は食事がこぼれたり、用を足す際に汚れたりする可能性があります。自立していて必要な介助が少ない場合は、少なめに持っていくのがおすすめです。外出もある程度自由にできる方は、あらかじめ居室クローゼットのサイズを確認したうえで、おしゃれ着も用意するといいです。
介護度が高い場合は、衣類やシーツを頻繁に取り替えられるように、多めに持ち込むことをおすすめします。ただし施設内で洗濯できる場合は、最低限1週間分あれば事足ります。
また、冬場に温度調整がしやすいように、ストールやひざ掛け、上着を用意しておくと便利です。体温を微調整するためのアイテムを準備しましょう。
家具家電類
ほとんどの施設には、照明・エアコン・カーテンが備え付けられています。また施設によってはクローゼットを含む家具家電類まで完備されているケースもあります。
家具家電類が最初から備え付けられている施設への入居は、持ち込みを少なく済ませられます。最小限の荷物だけですぐに生活を始めることが可能です。すぐに生活したい人や手間をかけたくないは、家具家電類が備え付けられた施設がおすすめです。
ただし「施設に家具・家電が無い場合」「お気に入りのものを持ち込みたい場合」は自前で用意する必要があので、あらかじめ施設に確認をしておきましょう。
特にテレビを持ち込む場合は要注意です。事前に居室にテレビのコンセントやテレビ線があるかを確認しておく必要があります。
また家具家電類を持ち込む場合は引越し業者に頼む必要があります。なかには老人ホーム向けの引越しサービスをしている業者もあります。梱包や搬入出だけでなく、不用品の処分や清掃、手続きなどを一貫して引き受けてくれるので便利です。
事前に入居者本人と家族が知っておきたいこと
持ち込むべきものに加えて、老人ホームに入居する前に入居者本人と家族で知っておくべきことを2点紹介します。
新しく用意するか使い慣れたものがいいか
タオルやシーツなどの日用品について「新しいものを用意するか」「使い慣れたものにするか」も事前に打ち合わせておくことをおすすめします。家族としては「新しいものを用意してあげたい」と思うかもしれませんが、本人としては「使い慣れたものがいい」と感じることもあります。
「施設でレンタルできるもの」と「持ち込めるもの」
「レンタルできる物品」と「持ち込める物品」は老人ホームによって異なります。そのため、事前にこの2点を確認しておくことが必要です。契約書に記載されている可能性もありますが、記載がない場合は施設に事前確認をしておきましょう。
介護用品はレンタルすることが多い
老人ホームまたは老人ホームが提携している福祉用具貸与事業所でレンタルできる主なものを一覧で紹介します。
- ベッド
- 介護ベッド
- 車椅子
- 松葉杖
- 歩行器
- 体位変換器
ベッドや寝具はレンタルできるアイテムの1つです。
車椅子のレンタルについては、施設によって扱いが異なります。介護老人健康施設や特別養護老人ホームの場合、初めから車椅子が用意されており、レンタルする必要がありません。
グループホームや有料老人ホームの場合は、車椅子のレンタルをしている施設が多いです。車椅子は福祉用具のため、介護保険を使って自己負担1割でレンタルできます。
福祉用具は、入居者の体の状態によってレンタルが認められているアイテムです。車椅子は、要介護2以上でなければレンタルができません。施設に車椅子のレンタルについて詳しく確認してみるといいでしょう。
外出時に車椅子を使いたい場合は、事前に車椅子を使えるかを施設に相談しましょう。ただしリクライニング付きなどの特殊な車椅子は自分で用意しなければならない可能性もあります。
老人ホームの入居に持ち込めないもの
老人ホームの入居には、持ち込めないものもあります。持ち込むと周りに危害が及ぶ可能性のある刃物類や火気器具は禁止です。
また多くの施設で持ち込みを制限しているのが、車や自転車といった車両です。万が一、車で外出してしまった場合にスタッフの目が行き届かず、重大な事故につながる恐れがあるからです。
一方で、自立した高齢者向けの施設の場合は車両の持ち込みをしやすいです。例えばサービス付き高齢者向け住宅であれば、外出が制限されていません。そのため、車や自転車を持ち込んで自由に外出ができます。車や自転車の持ち込みを検討している人は、施設選びのうえで参考にしてみてください。
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この記事のまとめ
- 老人ホームに入居する際は、最低限の日用品類やリネン類の持ち込みが必要
- 家具家電類については「持ち込むべきもの」を事前確認しておく
- 施設でレンタル可能な介護用品も事前に確認しておき、できない場合は介護保険で借りる
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