札幌市電西線14条停より徒歩9分、由緒あふれる行啓通に面した住宅型有料老人ホームの「ネクサスコート旭ヶ丘」。24時間体制で看護師が常勤、理学療法士・言語聴覚士の配置など、医療体制が整った施設です。
今回は施設長を務める相馬香織(そうまかおり)さんに、ネクサスコート旭ヶ丘の暮らしぶりについてお話を伺いました。普段、ご入居者の方々はどんな暮らしをしているのでしょうか。お話を聞いているうちに、ネクサスコート旭ヶ丘にご入居者様が集まる理由が見えてきました。
「24時間看護師常勤」が強み
――まずは、ネクサスコート旭ヶ丘の特徴を教えてください。
ネクサスコート旭ヶ丘は、住宅型有料老人ホームです。同じグループの「ネクサスコート豊平訪問看護ステーション」の看護師を派遣していますので、24時間看護師が常勤しています。医療ケアが必要な方も安心してお暮らしいただけますよ。
――住宅型有料老人ホームで、24時間看護は珍しいですね。
そうですね、当ホームの強みともいえます。高齢者の皆様は何らかの病気を患っている方が多いので、24時間看護師常勤が入居の決め手になることが多いです。
――24時間看護師が常勤していることで、どんなメリットがありますか?
夜間や早朝の医療措置に対応できることですね。緊急時に看護師がすぐに診られることが大きなメリットです。
24時間常勤していることで「あの方は血圧が高い」「最近、調子が悪い」など、日々の健康状態も把握できます。なので急に具合が悪くなっても看護師が適確に判断してくれるので助かっていますよ。
あらゆる事業所が併設されているから安心
――サービス面で、介護付有料老人ホームとの違いはありますか?
特に大きな違いはありません。住宅型ですが介護付きと同じように、日常的に介助が必要な方にも身体介護や生活サポートを提供しています。
敷地内には「訪問診療内科」「デイサービス」「定期巡回随時対応型訪問介護・看護事業所」「居宅介護支援事業所」の事業所を併設していますので、介護が必要な方も暮らしやすい環境が整っています。
――ご入居者の皆さんは、外部のサービスを利用していますか?
現在119名のご入居者様がいらっしゃいます。自立・要支援の方は1割、要介護の方が9割で、平均の要介護度は2.0です。
ほとんどの介護に関するサービスは施設内で提供しておりますが、ご自分の身体状況に合わせてデイサービスなどの外部の介護サービスを利用している方もいらっしゃいます。
――では日中は外部のデイサービスを利用している人が多いのでしょうか?
デイサービスを利用している方もいますが、当ホームではリハビリテーションやレクリエーションも充実しています。日中は参加している方が多いですね。
特にご入居者様はリハビリが好きな方が多いです。
リハビリのプロがご入居者様をサポート
――意外です。リハビリって大変で、続けることが難しいイメージがありました。
ネクサスコート旭ヶ丘の場合はリハビリの専門職である「理学療法士」と「言語聴覚士」を配置しています。リハビリのプロだからこそ、その方のペースに合わせた、無理なく続けられるリハビリを実施できるのだと思います。
あとは皆さん、ものすごく健康について関心が高いです。ご入居者様同士の会話も健康トークで盛り上がっていますね。さきほども食堂で健康の話題で意見交換をされていました。
――理学療法士と言語聴覚士は、どんなリハビリを無理なくサポートしてくれるのでしょうか?
理学療法士は座る、立つ、歩く動作をサポートするエキスパートです。歩行訓練やストレッチなどを実施していますよ。言語聴覚士は話す、聞く、食べる、飲み込む動作のサポートをしています。歌を歌うなどのリハビリはご入居者様から人気です。
無理なく続けられる理由は、リハビリ中の会話かもしれません。1人で黙々と訓練するのは疲れてしまうかもしれませんが、お喋りをしたり、励まされたりしながらリハビリに取り組めるので楽しく続けられるのだと思います。
――他にもリハビリに取り組む中で、大切にしていることはありますか?
ご入居者様の元気になりたいという想いに、スタッフも一緒に並走することですかね。
数カ月前に、100歳近くのご入居者様が転倒して骨折してしまったんです。日常生活では車椅子になってしまいましたが「また歩きたい」という想いに応えて、現在リハビリをされています。
ここ最近、歩行器で数メートル歩くことができるようになって感動しました。年齢などに関係なく、その方の気持ちに寄り添ったサービスを提供していきたいですね。
レクリエーションを毎日開催
――ご入居者様の1日のスケジュールを教えてください。
午前中には朝食と口腔ケア、体操を実施します。そして12時にお昼を食べて、レクリエーションやおやつの時間があります。お風呂は午前と午後の方に分けて入ります。夕食は17時に開始し、就寝はだいたい21時ごろでしょうか。
――レクリエーションの頻度はどのくらいですか? また平均の参加人数も教えてください。
レクリエーションは毎日開催しています。参加者は30名ぐらいですね。
当ホームには「レク委員会」があるのですが、普段の会話の中で「どのようなことに興味を持たれているか」「やってみたいことはあるか」などをご入居者様にお伺いしています。
その意見を取り入れながら日々企画を考えていますね。
――どんなレクリエーションが好評でしたか?
カラオケ、輪投げ、セラバンド体操などが人気です。
最近好評だったのは「喫茶レク」です。ドリップしたコーヒーに、六花亭のお菓子をお出しして、喫茶店の雰囲気を演出しました。「雰囲気が違っていい!毎日してほしい」というお声をいただきましたね。コロナ対策のため外出も気軽にできませんので、こういう息抜きは大切だと考えています。
他には外出レクも人気です。コロナが流行り始める前ですが、和食会席「エルムガーデン」に行ってきました。札幌では美味しいと有名な高級料亭です。日常とは違った雰囲気がとても好評でした。
――皆さん、食べることが好きなんですね。日々のお食事にもこだわりはありますか?
施設内の厨房で、できたてのお食事を提供しています。一番おいしい状態で召し上がっていただきたいので温かいものは温かく、冷たいものは冷たく「冷温配膳車」を使ってお食事を運んでいます。
あとは、食後には口腔ケアを実施していますよ。人によって汚れが溜まる部分も異なるので、その方に合わせた歯磨きやマッサージをしています。いつまでも口からのお食事を楽しんでいただくためにも、口腔ケアは大切なんです。
――併設のデイサービスで昼食をとられる方もいらっしゃいますか?
もちろん、利用している方は併設の「デイサービスきずな」でお食事を召し上がっています。
バイキング形式なのでその日の気分に合わせてお好みで食事を選べます。お食事は毎日のものなので、楽しみながら食べられるのはご入居者様にとっても好評ですよ。
※デイサービスきずなはネクサスケアのグループではありません。
自宅と変わらないその人らしい生活
――相馬様から見た、ご入居者様の雰囲気を教えてください。
皆さんとても明るい方が多いです。また、全体的におしゃれですね。ファッションも素敵ですし、居室もその人それぞれの個性があります。
――老人ホームの居室でも個性を出せるのでしょうか?
もちろん出せますよ。ネクサスコート旭ヶ丘では居室に自宅の家具や調度品などを持ち込むことが可能です。皆様、愛用していた物を持ち込み、自宅と変わらないような心地よさを自分なりに作られています。
絵を飾られたり、集めていた置物を並べたり、お仏壇を置いたり……。人それぞれです。その人らしさが自然と出てきますね。お部屋の配置は私たちも大切にしているポイントですよ。
――他にもその人らしさが出せる工夫があれば教えてください。
廊下に面した各居室の入口に、自分の趣味やお気に入りの物を飾れるスペースを用意しています。これを「思い出ボックス」と呼んでいます。
――思い出ボックスにはどんな物が飾られているんですか?
お孫さんが描いた絵やミニチュア、手作りの小物などが多いですね。凝っている方は季節ごとに入れ替えて四季の移ろいを見事に表現しています。
思い出ボックスがあることで、廊下も明るくてアットホームな雰囲気になるんですよ。
――他にどんな効果がありますか?
そうですね。認知症の方も多く入居されていますが、思い出ボックスをお部屋の目印にしていただける、といったこともあります。
日々の言葉を大切に
――認知症の方が多いんですね。認知症の方への対応で気を付けていることはありますか?
認知症の方は相手の表情や大きな声に敏感です。なので、特に表情や声の大きさ、言葉遣いを意識してご入居者様に接しています。こちら関しては認知症の方だけではなく、すべてのご入居者様に対しても気をつけています。
言葉遣いやマナーに関しては、研修も組み込まれています。ネクサスケアグループの研修では介護の実技はもちろん、言葉遣いやマナーの育成にも力を入れていますね。
――他にも、言葉を大切にしているホームならではのエピソードがあれば教えてください。
ご入居者様やご家族様への「挨拶」は徹底しています。加えて、挨拶にプラスして何か一言付けるようにしています。
「おはようございます」だけではなく「おはようございます、今日のお体の調子どうですか?」など一言付け加えることで、コミュニケーションが生まれます。こういった声かけでご入居者様の体調の変化に気づきやすくなるんです。
またお看取りの際も言葉を大切にしています。
――看取り介護のときですか。
はい。人間の五感のうち最後まで機能している感覚は「聴覚」といわれています。なので終末期には好きな音楽を流したり、旅立ちの前は最期までお名前を呼びかけたりしているのです。
最期の最期までご入居者様に寄り添った介護を提供できるように心がけています。
――寄り添うためにしていることは他にもありますか?
看取り介護になる前から、ご入居者様としっかり関係を築くことでしょうか。
終末期のご入居者様はお話しできる状態ではありません。口には出さないものの、もちろん思考はしています。何を考えられているかを汲み取る力が大切になってきます。
ご入居者様の本来の性格や好みなど、パーソナルな部分を理解しておくことで、より施設側の自己満足ではない判断ができるようになると考えています。
人と人とのつながりを大切にしたケアを
――ここまでのお話を聞いて思いましたが、ご入居者様との関係作りを大切にしているんですね。
そうですね。ご入居者様がネクサスコート旭ヶ丘を選んでくれたその日から、ご入居者様やご家族様との結びつきを大切にしています。人とのつながりのなかで、安心や幸せを感じることができると思っています。
私たちの施設名でもある「ネクサス」という言葉には、絆や結びつきという意味もあるんですよ。
――看板に偽りなしですね、本日はありがとうございました。最後に、ネクサスコート旭ヶ丘はどんな方におすすめか教えてください。
そうですね、健康に不安がある方にはおすすめです。
日常生活に不安を感じられるところは、介護福祉士などの資格を持った介護職員がお手伝いさせていただきますし、看護師が日中・夜間と常勤していますので胃ろうや痰吸引が必要な方も安心してお暮らしいただけます。
「理学療法士」と「言語聴覚士」を配置していますので、本格的なリハビリに取り組める環境です。「この先も、生き生きと過ごしたい」と健康に関心の高い方にもおすすめですね。
また当ホームの目の前には藻岩山があり、自然豊かです。春夏秋冬と山の表情が変化するので、四季が美しいのも魅力の1つだと思っています。施設入居を考えている方はぜひ見学へお越しくださいませ。
老人ホーム・介護施設の概要
施設名:ネクサスコート旭ヶ丘
事業者名:株式会社ネクサスケア
住所:北海道札幌市中央区南十四条西18丁目6番22号
ネクサスコート旭ヶ丘の詳細ページ
この記事の寄稿者
井上
介護のほんねニュース編集部。
認知症サポーターです。介護に関する今話題のトピックや疑問を、分かりやすくお届けします。