要支援2とは|受けられるサービス・支給限度額・デイサービスやヘルパーの回数の目安

要支援2とは|受けられるサービス・支給限度額・デイサービスやヘルパーの回数の目安
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

要支援2とは、要支援1と要介護1の中間であり「まだ本格的に介護が必要ではないものの、今後のために介護予防が必要な状態」です。要支援2と判断されたら介護保険を利用して介護予防サービスを受けることが可能になります。今回は要支援2の診断基準、介護保険の支給限度額、受けられる介護予防サービスの利用回数、費用の目安などについて紹介しましょう。

要介護認定とは

要支援2について紹介する前に要介護認定の概要と必要性について解説しましょう。要介護認定とは「どの程度、介護の必要性があるか」を判別するための調査です。要介護認定では要支援1、2、要介護1~5の7段階で介護が必要なレベルを導き出します。

日本では「介護の必要がある」と認定されると、介護保険を使って自己負担額1~3割(所得によって変わる)で介護サービス、介護予防サービスを受けられるようになります。

7段階に分かれている理由は、一人ひとりに対して適切な介護保険サービスを提供するためです。要介護認定が「介護が必要か否か」という視点でなされると、寝たきりの方も、ほとんどの生活は一人でできる方も、同額の介護保険を使えてしまいます。これでは不公平だと感じる方もいます。

そこで要介護認定で7段階にレベルを分けることで、介護保険の支給限度額と使えるサービスをそれぞれ定めているのです。重い人ほどサービスの種類と支給限度額が増えます。

要介護度別、1カ月あたりの介護保険の支給限度額と自己負担額
介護度 支給限度額 自己負担額(1割で計算)
要支援1 5万320円 5,032円
要支援2 10万5,310円 1万531円
要介護1 16万7,650円 1万6,765円
要介護2 19万7,050円 1万9,705円
要介護3 27万480円 2万7,048円
要介護4 30万9,380円 3万938円
要介護5 36万2,170円 3万6,217円
※1単位=10円で計算
参考:厚生労働省「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額」

要介護認定を受ける流れ

では具体的に要介護度はどのように判定されるのでしょうか。ここでは申し込みから結果が出るまでの流れについて紹介します。まだ認定調査を受けていない方は、まず要介護認定を受けることからスタートしましょう。

市区町村に要介護認定を申し込む

まずは認定を受ける方の住民票がある市区町村の窓口で要介護認定を申し込む必要があります。あらかじめ役所に電話をして担当者がいることを確認しておくのがおすすめです。役所に申請用紙がありますので用紙に必要事項を記載してから提出しましょう。なお、その際に以下の持参物が必要になります。

要介護認定の申請の際に必要なもの
全員に共通 第1号被保険者(65歳以上) 第2号被保険者(40~64歳)
住民票 第1号被保険者証 健康保険被保険者証
マイナンバーカード

(確認できれば写しでも可)

住民票と介護保険の被保険者証、健康保険証、マイナンバーが必要になります。事前に必要なものを準備したうえで、申請をしましょう。

申請が承認されたら認定調査に移ります。

訪問調査

申込が受理されたら、数日中に訪問調査があります。訪問調査では認定調査員が実際に対象者の住まいや病室を訪れて、様子を確認したりヒアリングをしたりすることでリサーチをするものです。実際にどれくらい介護の必要性があるのか、どれほどの労力がかかるのかなどを把握するのが目的です。

主治医の意見書の作成

また同時に市区町村から、かかりつけ医に意見書の作成依頼があります。「これまでにどのような病理があったのか」「どんな治療をしたのか」などを把握することで、判定の材料にするのです。

一次判定

「訪問調査」と「主治医の意見書」の2つ材料をもとに一次判定に進みます。一次判定ではコンピュータを使って結果が出ます。

二次判定

一次判定でのコンピュータの結果だけは判断されません。一次判定の結果を踏まえたうえ、二次判定で「介護認定審査会」が会議をします。介護認定審査会は保健、福祉、医療などの専門家たちで構成された合議体です。彼らが一次判定では含まれない要素などを話し合ったうえで、最終的な要介護度を決めます。ほとんどの場合はここで、最終判断がくだされることになります。

要支援2と要介護1を判定する「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」とは

ただし要支援2と要介護1の境界は非常に重要なものです。要支援2では介護予防サービスしか受けられませんが、要介護1になると介護サービスを受けられます。ですので、二次判定の結果、要支援2もしくは要介護1に該当した場合は、最終的に「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」で協議されます。

判断基準として以下の2点があります。このどちらかに該当した場合は「要介護1」です。いずれも当てはまらない場合は要支援2となります。

要介護1と要支援2の判断基準
(1)疾病や外傷などにより心身の状態が安定せず、短期間で要介護状態等の再評価が必要になると想定される。
(2)認知機能や思考・感情等の障害により、十分に説明したとしても予防給付の利用を適切に理解できない。

引用:厚生労働省「状態の維持・改善可能性にかかる審査判定

状態の安定性や認知症の有無などで、要支援2か要介護1かが決まるのです。では要支援2は具体的にどのような心身の状態である場合に判定されるのでしょうか。

要支援2の心身状態とは

要介護度を判断するうえで、重要な判断材料に「要介護認定等基準時間」という項目があります。これは簡単にいうと「1日のうちで介護に要する時間」のことです。一次判定では、この時間をもとに判断が下されます。

判定区分別の要介護認定基準時間・認知消加算
判定区分 要介護認定等基準時間と認知症加算の合計
要支援1 25分以上32分未満またはこれに相当する状態
要支援2 32分以上50分未満またはこれに相当する状態
要介護1 32分以上50分未満またはこれに相当する状態
かつ状態が不安定な場合や、認知症などにより介護予防給付を正しく理解して利用できない場合
要介護2 50分以上70分未満またはこれに相当する状態
要介護3 70分以上90分未満またはこれに相当する状態
要介護4 90分以上110分未満またはこれに相当する状態
要介護5 110分以上またはこれに相当する状態

1日の介護に必要な時間が「32分以上50分未満またはこれに相当する状態」という場合、要支援2もしくは要介護1と判定されます。そのうえで前述した「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」の2項目のうち、どちらにも該当しない場合に「要支援2」と判断されるのです。

要支援1、要介護1と要支援2との心身の状態の違い

ではより具体的に要支援2の状態を知るために「要介護認定等基準時間」以外の内容をもとに要支援1と要介護1との違いを紹介していきましょう。ここでは廿日市市と静岡市の項目を参考にします。

廿日市市
要支援1
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
  • 居室の掃除などの身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
  • リハビリテーションなどによる状態の維持改善可能性が高い。
要支援2
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
  • 居室の掃除などの身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • リハビリテーションなどによる状態の維持改善可能性が高い。
要介護1
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
  • 居室の掃除などの身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 問題行動や理解の低下がみられることがある。
引用:「廿日市市「要介護度別の心身の主な状態例
静岡市
要支援1
  • 居室の掃除や身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
要支援2
  • 見だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
要介護1
  • 要支援2の状態に加えて、問題行動や理解低下がみられることがある。
引用:静岡市「要介護度別の状態区分

このように要支援2とは、要支援1に比べて自分1人でできる基本的な生活動作が制限されはじめた状態です。しかし要介護1とは違って「問題行動や理解の低下」はない状態であり、見守りなどは必要ですが、リハビリなどで回復する見込みは高いという特徴があります。

なお、要支援1と要介護1の状態については以下の記事で詳しく紹介しています。

要支援2に納得できない場合は「やり直し」もできる

要支援1と要介護1との違いを知ったうえで「要支援2」と判定された際に「もっと重いレベルのはずだ」と思う方もいるでしょう。結果が腑に落ちない場合は、調査のやり直しを申請できます。

調査員のヒアリングなどでは、人が判断しているので、たまに対象者との齟齬が起きてしまうこともあるのです。特に要支援2と要介護1との違いは微妙なラインですので、間違いが発生することもあります。

やり直しの際には再度、結果をもとに地域包括支援センターに相談をしてみましょう。すると「区分変更の申請」を勧められるはずです。区分変更の申請とは認定調査のやり直しのことをいいます。本来は「調査中に容態が急変した」などのトラブルの際に使われる制度ですが、結果に不満があった際にも利用できます。ただし、区分変更の申請をしたとしても必ず希望している区分に認定されるわけではありません。

要支援2の支給限度額とは

要介護度によって介護保険の利用限度額が決まっていることは前述した通りです。要支援2の支給限度額は以下になります。

要支援2の月額利用限度額 自己負担額(1割で計算)
10万5,310円 1万531円

要支援2の場合は月に10万5,310円分の介護予防サービスを使えることになります。自己負担額は(1割の場合)1万531円です。なお、10万5,310円を超えてしまうと、超過分は10割負担となりますので注意しましょう。

要支援2で入居できる老人ホーム・介護施設は?

要支援2でも入居できる介護施設は多くあります。もし予算に余裕のある方は、施設への入居も視野に入れてみるといいでしょう。

要支援2で入居できる介護施設・老人ホーム
施設種別 対応可否
介護付き有料老人ホーム △(ホームによって異なる)
住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅
グループホーム (認知症の場合)◯
ケアハウス 一般型◯

介護型✕

特別養護老人ホーム
介護老人保健施設

ただし要支援の場合は、まだ施設入居ではなく、在宅介護でもケアが行き届くことも多いです。日常生活において、一部の介助が必要ですが、生活のほとんどは1人でも可能です。まだ施設に入居せずとも生活できるともいえます。

要支援2で使える介護予防サービスは?

では具体的に介護保険を使って、どの在宅サービスをどれくらい使えるのでしょうか。表にまとめると以下のようになります。なお、記載している回数と費用はあくまで目安です。どれだけ利用するかは利用者によって変わります。またそれによって費用も変動します。実際に利用する際は担当のケアマネジャー、サービス事業者などと相談をしましょう。

要支援2で使える在宅介護サービス一覧
サービスの種類 項目 1回あたりの自己負担額費用の目安(1割の場合)
訪問サービス 介護予防訪問入浴介護 845円
介護予防訪問リハビリテーション 290円
介護予防訪問看護 286円
※利用時間によって変動
介護予防居宅療養管理指導 管理・指導内容によって異なる
通所サービス 介護予防通所リハビリテーション(デイケア) 3,615円
※1カ月あたりの利用料
通所介護(デイサービス) 423円
宿泊サービス 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ) 486円
介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 721~817円
※部屋のタイプによって変動
施設サービス 介護予防認知症対応型共同生活介護 743円
※「自己負担額1割」「1単位=10円」で計算
参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造(R3.1.18)

この他に利用できる介護保険サービス

訪問・通所・宿泊・施設などのサービスの他にも、要支援2で利用できる介護保険サービスはあります。この他の介護保険サービスについて説明しましょう。

福祉用具のレンタルサービス

福祉用具のレンタルも介護保険を使うことで、安価に利用できます。ただし要介護2以上でしかレンタルできないアイテムもありますので、注意してください。

要支援2でレンタルできる福祉用具
  • 手すり(工事をともなわないもの)
  • スロープ(工事をともなわないもの)
  • 歩行器
  • 歩行補助杖

福祉用具の購入

要支援2と認定されることで、レンタルだけでなく福祉用具の購入もサポートを受けられます。年度ごとに1年間で10万円(税込)を上限に利用できますので、必要な際に購入をしましょう。10万円で購入できる福祉用具は以下の通りです。

介護保険で購入できる福祉用具
  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すりなど)
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具

参考:厚生労働省「介護保険と福祉用具

介護予防住宅改修

要支援の状態でも室内で転倒などをしてしまうと要介護になってしまう可能性があります。そこで介護予防のために住宅の改修をができます。申請をすれば20万円の補助金が支給されるものです。こちらは要支援1と2の方が対象になっています。

介護予防住宅改修でできるリフォーム
  • 手すりの取付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え
  • その他、上記の住宅改修に付帯する工事

参考:厚生労働省「介護保険における住宅改修

自費であれば使える在宅サービス

ここで紹介したのは介護保険を使える介護予防サービスです。この他の介護サービスに関してももちろん自費であれば、利用ができます。これらの「要支援2では介護保険を利用できないが、自費負担で使える在宅サービス」は以下のものがあります。

要支援2でも自費負担でなら使える在宅サービス
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 療養通所介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

要支援2の生活で大事なのは「介護予防に力を注ぐこと」

要支援2は要介護状態になる瀬戸際の状態です。ですので、介護保険を使って介護予防サービスを使いながら運動機能、認知機能などを維持することを考えましょう。

また在宅での生活が多いのが特徴です。自宅での生活を不自由なく続けるためにも、外部の事業者を頼りながら生活できるように工夫しましょう。

この記事のまとめ

  • 「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」で要支援2と要介護1が判別される
  • 要支援2では介護保険を使って介護予防サービスを使える
  • 要支援2の生活では介護予防に力を入れることが重要

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