認知症を予防するための方法とは|食事(サプリ)・運動・脳トレ・趣味など

60~70代に差し掛かってくると気になるのが「認知症」です。認知症は現在では予防する方法が段々と分かってきています。この記事では予防において重要なポイントから、認知症リスク低減に効果があると考えられる方法までを紹介しましょう。

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認知症を予防するための方法とは|食事(サプリ)・運動・脳トレ・趣味など

日本老年精神医学会・理事、日本脳血管・認知症学会・理事、NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事。認知症早期発見のためのタッチパネル式コンピューター「物忘れ相談プログラム」等の機器開発やアロマによる認知症予防効果の研究等も行う。テレビ番組にも多数出演。

認知症は予防できる?

認知症は誰しも起こりうる症状だからこそ「いつか自分もなってしまうのではないか」「家族がなってしまったらどうしよう」と不安も大きいものです。どうしたら認知症を予防できるのでしょうか。

ちなみに遺伝によって認知症が発症する確率はごくわずかです。認知症と遺伝の関係については以下の記事をご覧ください。
認知症は遺伝しますか?また遺伝子検査について教えてください

残念ながら確実に認知症にならない方法は、現在はまだ見つかっていません。

しかし、認知症発症のリスクを下げる方法は徐々に解明されてきています。継続的に予防に取り組むことは、もし発症してしまった場合の進行を緩和するうえでも効果的です。

まずは、認知症予防のうえで大切な4つのポイントを理解しましょう。

認知症予防のための4つのポイント

認知症を予防するためには「健康的な生活習慣」が欠かせません。認知症を患っている人には生活習慣病を抱えている人が多いことが知られています。毎日の生活習慣を見直してできるだけ健康な体を保つことが、認知症予防にもつながるのです。また認知症は脳の機能が低下する症状ですので、意識的に頭を使うことも重要といえます。

生活習慣のなかでも特に大切な「食習慣」「運動」「知的行動習慣」「人との交流」について、気をつけるべきことを解説しましょう。

食習慣

生活習慣病を予防するうえで、食習慣はとても大切です。認知症のうち約半数を占めるアルツハイマー型認知症や、脳の血管障害が引き金となる脳血管性認知症は、高血圧や糖尿病といった生活習慣病との関連性が指摘されています。生活習慣病の要因となりうる塩分や糖分に気をつけながら、認知症予防に効果があるといわれる食品も取り入れると良いでしょう。

運動

適度な運動は生活習慣病予防に有効であることはもちろん、体を動かすという脳機能そのものの活性化につながります。体全体の血流を促し脳に刺激を与えるという点からも効果的です。運動しながら物事を考えると、脳のより多くの部分を刺激できるので、さらに効果が高まります。

知的行動習慣

知的行動とは「考える」「記憶する」「判断する」などの認知機能を使うことです。認知機能を鍛えることで、脳の衰えを防ぐことができます。楽しみながら脳を活性化できるよう、文章の読み書き、ゲーム、計算などを積極的に生活に取り入れてみましょう

人との交流

人とのコミュニケーションは、そのこと自体が脳への大きな刺激です。反対に、一人きりでこもりがちな生活をしていると、脳の機能が衰え認知症のリスクを高めると考えられます。うつ病の既往と認知機能低下は関連しているという報告もあり、精神的な安定を図るという意味でもコミュニケーションは効果的といえるでしょう。友人や家族とおしゃべりしたり、趣味の集まりやボランティア活動に参加したりと、人と交流する機会を大切にしましょう。

ここからは、食事や運動、趣味などの観点にもとづいて、より具体的な予防法について紹介します。

認知症予防に効果的な食事とは?

認知症予防では「食習慣」が重要です。具体的にはどういうことに気を付けるべきなのでしょうか。

何よりも大切なのは「バランスのいい食事」をとることです。この後に紹介するように、認知症予防への効果が期待できる栄養素や食材もありますが、あまりに偏った食生活はかえって体に悪影響をもたらす可能性があります。まずは、さまざまな食材をバランスよく食べることを心がけましょう。

認知症のリスクを高める生活習慣病を防ぐためには「塩分」「糖分」に注意が必要です。日本人は一般的に塩分摂取量が多い傾向にあります。食塩を減らすために、血液中のナトリウムを排出するカリウムが多い野菜や果物をとるなど、意識的に減塩に取り組むことが大切です。

また丼物や麺類、パンなどの糖質が多く含まれる炭水化物中心の食事が増えると、糖分を過剰に摂取してしまいます。お菓子などの甘いものはもちろん、普段の食事でも糖分のとりすぎに気を付けましょう。

認知症の原因物質を抑制するおすすめの食品

「基本的な食生活以外に、もっと効果がある食品はないの?」と思う人もいるでしょう。

カギを握るのは「アミロイドβタンパク」です。この物質が加齢によって脳内にたまってしまうことが認知症の原因の一つと考えられており、アミロイドβタンパクの蓄積を抑制できれば認知症予防に効果的であるといえます。ここでは、予防効果があると考えられる食品を4つ紹介します。

魚が効果的と考えられる根拠は、特に青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3脂肪酸です。EPAには血液をサラサラにする効果があり、血流を促進することで脳に十分な栄養や酸素を送り込めるようになります。一方、DHAは、記憶力や判断力の向上に役立つと考えられてる成分です。

魚をよく食べる人のほうが認知症発症のリスクが低いという研究もあります。

緑黄色野菜・果物

葉酸を多く含む「ほうれん草」「小松菜」「イチゴ」「キウイ」などが特におすすめです。

葉酸が不足してしまうと、肝臓でホモシステインという物質が増え、結果的に動脈硬化の進行やアミロイドβタンパクの作用強化を招きます。そのため、葉酸を積極的にとりホモシステインを減らすことが大切です。

また、野菜や果物に含まれるポリフェノール、ビタミンE、ビタミンCが持つ抗酸化作用も、認知症予防に効果があります。

緑茶

緑茶に含まれるカテキンも抗酸化作用を持つ成分です。体の酸化、つまり老化を防ぐことで脳内のアミロイドβタンパク蓄積を抑える効果が期待できます。

また、うまみ成分の一種であるテアニンが持つ、血圧の上昇を抑え脳の神経細胞を保護する働きも効果的です。緑茶のほか、コーヒーなどにも含まれるカフェインが有効であるという研究もあり、注目を集めています。

赤ワイン

赤ワインのポリフェノールが持つ強い抗酸化作用は、認知症予防のほか、動脈硬化や高血圧などにも効果的です。

ただし、過度なアルコール摂取は反対に認知症のリスクを高める恐れがあります。ワインを飲む場合は、1日にグラス1杯程度にしましょう。

できれば避けたい食品

  • マーガリン
  • ショートニング
  • ファーストフード
  • お菓子
  • 菓子パン

認知症予防の観点からは、これらの食品は極力避けるべきです。トランス脂肪酸が多く含まれているため、血中のLDLコレステロールを増やし動脈硬化のリスクを高めます。動脈硬化は、脳血管性認知症の要因の一つである脳梗塞も招く恐れがある危険な状態です。

また特にお菓子や菓子パンには糖質も多く、糖尿病などの生活習慣病予防のためにもできるだけ控えたほうが良いでしょう。

週3回以上、30分以上の運動が効果的

認知症予防には有酸素運動がおすすめです。運動することによって血行が良くなるほか、脳細胞を活性化させ脳の機能を鍛えることができます。運動の目安は「1日30分以上の有酸素運動を週3回以上」です。習慣的に運動することが大切ですので、無理なく続けられるものを見つけて取り入れてみましょう。

おすすめの有酸素運動

  • ウォーキング
  • 水中ウォーキング
  • 水泳
  • 踏み台昇降運動
  • 椅子に座って足踏み
  • ヨガ
  • エアロバイク、サイクリング
  • 縄跳び

全身への負荷が軽すぎると効果が薄くなってしまうので、軽く息がはずむ程度の運動を心がけましょう。また、体を動かしながら同時に頭を使うと、脳の機能をより多く使うことになり、さらに効果が高いといわれています。

運動と認知トレーニングを組み合わせた「コグニサイズ」

国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ」は、まさに運動と認知トレーニングを同時にするもので、認知症予防に効果的です。気軽に取り入れやすいものを2つほど紹介しましょう。

コグニステップ

「コグニステップ」は足のステップを繰り返しながら、3の倍数になったら手を叩くというものです。まずは両足をそろえ背筋を伸ばして立つところからスタートしましょう。

  1. 右足を右横に大きく出す。
  2. 右足を元の位置に戻す。
  3. 左足を左横に大きく出す。同時に手を叩く。
  4. 左足を元の位置に戻す。
  5. 右足を右横に大きく出す。
  6. 右足を元の位置に戻す。同時に手を叩く。
  7. 左足を左横に大きく出す。
  8. (以降、同じように繰り返す)

一見すると容易そうですが「足のステップは4つで1セット、手は3の倍数」と異なるリズムで構成されており、実践すると案外難しいものです。慣れてきたら「1ではない他の数からスタートする」「手を叩くタイミングを変える」など、応用してみましょう。心地よく体を動かしながら、しっかり頭を使うことができます。

コグニウォーク

複数人で歩くときもトレーニングのチャンスです。ぜひ一緒に脳のトレーニングをしてみましょう。次のポイントを参考にしてください。

  • しりとりや計算、川柳などを交えながら歩く
  • いつもより大股で、少し早く歩く
  • 上半身はまっすぐ起こす
  • 手はしっかり後ろに振る

(参考:国立研究開発法人国立長寿医療研究センター「認知症予防運動コグニサイズ」)

また以下の記事ではその他のコグニサイズの方法や、フラダンスなどを用いて楽しめるコグニサイズの手法などを紹介しています。興味がある方はぜひご覧ください。
コグニサイズとは?体と脳を一気に鍛える認知症予防運動

「脳トレアプリ」で認知機能のトレーニングを習慣に

認知機能を鍛える知的行動習慣には、楽しく取り組める「脳トレアプリ」もおすすめです。なかには、見守りやコミュニケーションができる家族機能を搭載したアプリもありますので、家族で一緒に使ってみるのもいいでしょう。

脳トレだけでなく運動、食事もサポート! 『脳にいいアプリ』

販売元:BESUPURA, K.K.
価格:無料
(出典:『脳にいいアプリ』

脳科学に基づき、脳の健康維持を図るためのアプリです。「運動」「食事」「脳トレ」に目標を設定し、その人にとって適切な活動を促します。人工知能によって、使えば使うほど適したアドバイスをくれるので、継続することでより高い効果をもたらすでしょう。

また、家族機能を使えば、遠く離れていても食事や運動の状況を把握したり、脳トレの対戦を楽しむことも可能です。

おもしろ雑学をクイズで楽しむ 『認知症予防 脳トレーニング雑学! 豆知識 クイズアプリ』

販売元:yoshihiro kawamoto
価格:無料
(出典:『認知症予防 脳トレーニング雑学! 豆知識 クイズアプリ』

役に立つ雑学がクイズ形式で出題されるアプリです。気軽にクイズを楽しみながら、頭を活性化できます。新しいことを学べるので、家族や友人とのコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

懐かしい歌で脳を活性化 『音楽回想法』

販売元:Faith,Inc
価格:無料(App内課金有り)
(出典:『音楽回想法』

懐かしい音楽を聴いたり歌ったりしながら昔のことを思い出す「回想法」は、気持ちの安定を図るとともに脳機能を活性化させます。嗜好に合った曲を次々と歌うことで充足感を得る「フラッシュソングセラピー」の手法を用い、回想法を家庭でもできるようにと作られたアプリです。

有料会員になれば、過去の履歴やランキングなどが確認できるほか、先生からの一言アドバイスがもらえる「あなた専用のカルテ」などの機能も利用できます。

シンプルなゲームで続けやすい 『みんなの脳トレ~脳年齢がわかる脳トレ』

販売元:DAI WEIJIE
価格:無料
(出典:『みんなの脳トレ~脳年齢がわかる脳トレ』

「観察力」「記憶力」「判断力」など6つの能力別に、シンプルで簡単な脳トレゲームが楽しめます。短時間でできるものが多いうえ、ゲームの結果として脳年齢が表示されるので、達成感があり続けたくなるのも魅力です。

第一生命の加入者のみが利用可能 『健康第一 - 認知症予防アプリ』

販売元:Dai-ichi Life Insurance Company,Limited
価格:無料
(出典:『健康第一 - 認知症予防アプリ』

認知症保険を取り扱っている第一生命では、加入者とその家族向けにアプリを提供しています。「脳トレ」「ウォーキングチャレンジ」「食事管理」の3種類のプログラムで認知症予防が可能です。そのほか、早期発見ができるよう認知機能チェックも搭載しています。

サプリメントで手軽に認知症予防

効果的な栄養素をサプリメントで補う方法もあります。世の中にはさまざまな効能をうたったサプリメントがありますが、なかには根拠が不明なものや副作用が懸念されるものもあるので注意が必要です。使用する前に、得られる効果やその信頼性をしっかり確認するようにしましょう。

ここでは、一般社団法人日本認知症予防学会が「効果がある」もしくは「効果がありうる」と判定したサプリメントをピックアップします。

酸化ストレスを低減する抗酸化サプリ 「オキシカット(Oxicut)」

製造販売元:TIMA Tokyo株式会社

「オキシカット(Oxicut)(旧商品名・TwendeeX)」は、ビタミンCやビタミンB2など8つの有用成分を含む抗酸化サプリメントです。老化の原因の一つでもある酸化ストレスは、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)や早期アルツハイマー病とも大きな関係があるといわれています。オキシカットは抗酸化作用によって酸化ストレスを低減するため、認知症予防に効果的です。

安心・安全に使えることを重視しており、臨床実験において認知能力が改善したという実績があるほか、安全性試験や放射能試験なども実施しています。日本以外でも、フランスの検査機関ICDDによる公式認定を受けるなど、世界的に注目されているサプリです。

米ぬか由来の天然ポリフェノールを配合 「フェルガード®」

製造販売元:株式会社グロービア

「フェルガード」の主要成分は、米ぬかから抽出した天然ポリフェノール「フェルラ酸」です。強い抗酸化作用があるほか、アルツハイマー型認知症の原因の一つといわれるアミロイドβタンパクの蓄積を抑える効果があるという研究もあります。そのほかに、ヨーロッパを中心に古くから用いられている「ガーデンアンゼリカ」、インドの伝統的な医学で利用されてきた「バコパモニエラ」などが配合されています。

フェルガードには、成分の配合割合によってさまざまな種類があるため、使用したい場合は医療機関に相談しましょう。

趣味を楽しむことにも予防効果がある

さまざまな角度から認知症予防の方法を紹介してきましたが、最も簡単ともいえる方法がもう1つあります。それは「趣味を思い切り楽しむこと」です。

「感動」や「ときめき」などを感じると脳が活性化し、快感につながる「ドーパミン」や「エンドルフィン」などの神経伝達物質が分泌されます。アルツハイマー型をはじめ、多くの認知症は神経細胞が損傷したり減少したりすることで発症するものです。脳に刺激を与えることで、神経伝達物質が活性化して認知症の予防につながるのではないかといわれています。精神的な高揚による認知症予防のメカニズムについては以下の記事をご覧ください。
認知症予防に効果あり?その「ときめき」、大切にしてください

日本認知症予防学会のエビデンス創出委員会では「音楽療法」と「絵画療法」の有効性を認定しています。

音楽療法

音楽療法とは、音楽を使って心身の健康の回復や向上を目指す方法です。リハビリテーションなどにも用いられます。

普段の生活に取り入れるうえでは、あまり難しく考える必要はありません。たとえば単純に歌を歌うにも、歌詞を思い出す、正しい音程を意識するなど、実は意外と頭を使っているものです。歌に合わせて手足を動かすなど工夫すると、脳をより活性化することができます。

また音楽を聞くだけでも、リラクゼーションや精神的なストレスを和らげる効果が得られるのです。「特に趣味がない」という方にとっても、取り入れやすい方法の1つでしょう。

絵画療法

絵画療法は芸術療法とも呼ばれます。自由に表現することで心のケアにつながる方法です。芸術的な美しさなどを本格的に考える必要はありません。指先を使うため前頭葉が活性化され、感情のコントロールにも効果的です。また作品について会話するなど、コミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

作る対象は絵画に限らず、粘土や陶芸などでも効果があるとされています。言葉に表しづらいことも表現できることが、絵画療法のポイントです。

また他にも囲碁・将棋などのゲームは、勝利に向かって考え計画を立てるといった高度な思考力が必要です。相手とコミュニケーションもとることができ、人との交流が図れるという意味でも認知症予防に向いています。

興味のあることや好きなことに打ち込むと、精神的に満たされるだけではなく脳も活性化します。何よりも、好きなことはストレスなく楽しみながら続けられるのが魅力です。

「認知症になりやすい人」とは

認知症は先述したとおり、誰もがなってしまう可能性があります。しかし原因について分かっていることも多いことから、認知症にかかる可能性が高い人は存在します。認知症になりやすい人の特徴を知っておくと、予防をしやすいでしょう。これまでの内容を見ると予想がつくはずですが、以下のような特徴が挙がります。

  • 乱れた食生活
  • 運動不足、睡眠不足
  • 喫煙
  • 過度なストレス
  • 生活のリズムの乱れ

またこのほかに性格や口癖にも認知症につながる要因があるといわれています。例えば「怒りやすい・短気な人」であれば、自然と周りの方々とのコミュニケーションが減ってしまうことが予想されるでしょう。すると間接的に認知症にかかるリスクが高まってしまうのです。

また九州大学や北京理工大学(中国)の研究チームは歯周病菌とアルツハイマー型認知症の関係について長年研究を続けており、2020年の10月にはメカニズムが解明されました。これによって歯周病が認知症の原因になることも分かり始めています。詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
歯周病がアルツハイマー型認知症につながるメカニズムが解明!

このように認知症になりやすい人の特徴はさまざまです。以下の記事では、あらゆる方向から「認知症になりやすい人の特徴」について解説しています。認知症の予防にも大きく関わってくる情報ですので、ぜひご覧ください。
「認知症になりやすい人」の特徴とは? 食生活や運動、生活習慣など

早めに気づきたい認知症の初期症状

認知症は、種類によって症状が異なることが特徴です。なかには認知症かどうか気づきにくい症状もあります。いざというときにいち早く対応できるよう、認知症の初期に生じやすい変化を知っておきましょう。

体験そのものを忘れている

年齢を重ねて物忘れが増えると、認知症が心配になる方も多いでしょう。しかし、物忘れと認知症による記憶障害は性質が異なります。

「昨日の夕食の献立が思い出せない」「知り合いの名前を忘れてしまった」など、経験したことは覚えていても内容を忘れてしまったというケースは一般的な物忘れです。しかし「夕食を食べたのに、食べていないと言う」「知り合いなのに、初対面だと思っている」というように、体験そのものが記憶から抜け落ちている場合は、認知症の可能性があります。

普段していることでミスが多くなる

毎日の家事や、本人が好きで続けている趣味などで、以前にはなかったようなミスが増えた場合は注意が必要です。判断力や物事を順序立てて遂行する能力が低下している可能性が考えられます。

本人も異変に気づいて不安になっている場合もありますので、むやみに責めずよく話を聞くようにしましょう。

性格が変わったように感じる

「怒りっぽくなった」「ミスを人のせいにするようになった」「ふさぎがちになった気がする」など、周囲から見て人柄が変わったように感じるケースもあります。認知症だけでなく、うつ病など精神的な疾患の可能性も考えられる症状です。

妄想や幻覚が見られる

認知症の種類によっては、妄想や幻覚が生じることもあります。明らかに事実ではないことを本当と思い込んでいたり、存在しないはずのものが見えると訴えたりする場合は、認知症の可能性があるのです。

本人にとっては現実と見分けがつかないほどの状態であることが多いため、周囲の人から否定されるとひどく傷つきます。まずは話を聞いて上げるようにしましょう。

認知症が疑われるときは、早めに病院へ

「認知症かもしれない」と思うような症状が現れたら、早い段階で病院を受診しましょう。認知症には確実な予防法がないように、ほとんどの認知症には完治する方法がありません。

だからこそ、早めに症状に気づいて正しい治療を受けることが大切です。認知症の種類や原因が分かれば、症状をコントロールする適切な方法が見つかることもあります。

認知症が心配な場合はまずはかかりつけ医に相談し、必要であれば専門医を受診しましょう。何かしらの異変が生じているときは、認知症以外の病気が潜んでいるリスクもあるのです。タイミングが遅れて重症化してしまわないよう、早期発見に努めましょう。

毎日の生活に認知症予防の工夫を取り入れよう

ここで紹介した通り、認知症予防に絶対的な方法はないものの、毎日の生活を少し工夫するだけで取り入れられるものが多数あります。しっかりと継続することが大切ですので、無理のない範囲で少しずつでも取り組んでみましょう。

また認知症が心配な場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。認知症は早期発見が何よりも大切です。日頃から予防に取り組むことで、ちょっとした変化にも気づきやすくなるでしょう。ぜひ習慣として認知症予防に取り組んでください。

この記事のまとめ

  • 認知症の絶対的な予防策や治療法はまだ見つかっていない
  • 認知症予防のポイントは「食習慣」「運動」「知的行動習慣」「人との交流」
  • しっかりと継続することが認知症を予防するうえで大切