「認知症になりやすい人」の特徴とは? 食生活や運動、生活習慣など

2020.09.04
認知症になりやすい人

近年、いうまでもなく高齢化社会が急速に進んでいる日本。それにともなって、さまざまな病気や疾患に対しての向き合い方を考えていく必要があります。

特に、認知症はこれから超高齢化社会を迎える日本にとって、今後のケア方法・予防が大きな課題になっていくでしょう。医療が発達し、長寿が当たり前になりつつある現代だからこそ、ずっと健康を維持したいと思っている方が多いはずです。

今回は認知症にかかりやすい人の特徴について、多角的にご紹介します。すぐに改善できることもありますので、予防の一環として参考にしてみてください。

100%認知症を予防できる方法はない

自分自身や家族が高齢になるにつれて「認知症になったらどうしよう……」と思われている方が多いのではないでしょうか。また、若年性アルツハイマーと知られるように、高齢者でなくても認知症の症状が出てしまう場合があります。

残念ながら、現代の医療では、認知症にかからないようにするための明確な解決策・予防策はまだ見つかっていないのが現状です。

しかしながら、少しずつですが、病気にかかりやすい生活習慣認知症になりやすい人の特徴、傾向など、分かってきていることもあります。これらの情報をもとに自分の生活を見直しながら、早めの認知症の予防を心がけていきたいものです。

認知症になりやすい人の特徴とは?

できれば認知症にかからずに健康に過ごしたい。健康を維持しながらゆっくりと年を取っていきたい……。長寿が当たり前になっているいまだからこそ、病気にかからずに健康を維持するには、どういった暮らしを送ればいいのでしょうか。

実際に、認知症にかかる人はどんな特徴を持っているのでしょうか?

以下のような生活習慣をお持ちの方は認知症にかかるリスクが高いといえます。

  • 乱れた食生活
  • 運動不足、睡眠不足
  • 喫煙
  • 過度なストレス
  • 生活のリズムの乱れ

これらの項目にあてはまるものがある方は認知症はもちろん、さまざまな生活習慣病・その他の病気にかかるリスクが高くなってしまいます。今から食生活、生活習慣を見直し早めの予防を心がけて健康寿命を伸ばしていきましょう。

認知症になりやすい性格は?

認知症にかかりやすい人とは一体どのような性格を持った人なのでしょうか。

一般的に「怒りやすい・短気な人」「小さなことを気にすぎてしまう人」「協調性のない人」は認知症にかかるリスクが高いと言われています。

怒りやすい・短気な人

すぐに怒ったり、イライラしたりしてしまう人は、その頑固な性格から、周囲と円滑なコミュニケーションをとることが難しい場合があります。些細なことでも怒鳴ってしまったり、自分が納得できないことがあったりして、人に当たってしまうなど、周囲の人たちとうまく関係を気づけない人に関しては、徐々に社会的にも孤立してしまう可能性もあるでしょう。人とのコミュニケーションや関わりが減ってしまい、脳の老化が進み認知症につながってしまう要因となるといわれています。

小さなことを気にすぎてしまう人

気にしすぎてしまう人もまた、認知症のリスクにつながってしまう場合があります。小さなことや、人から何気なく言われたことを気にしすぎてしまう人のなかにはいつも周囲のことをが気になり、敏感で傷つきやすくストレスを受けやすい性格の方もいます。ネガティブな思考にとらわれ、小さなストレスが蓄積されていくと、鬱傾向に陥ることもあります。鬱は認知症予防にとってはリスクです

協調性のない人

また、協調性のない人も、周りの人と一緒になって動くことが苦手という面から人とのコミュニケーションの場が減ってしまいます。人と交わることがあまり好きではない人は一人で行動することが多くなり、他者との関わりや会話が少なくなってしまうと認知症の発症リスクを高めてしまうといえるでしょう。

何でも自分1人だけでできる人

認知症になりやすい人の特徴として「なんでも自分で行える人」「人の助けをあまり必要としない人」というものがあります。

これは、少し意外と思われることかもしれませんが、自立心が高く人の助けを必要とすることなく行動できる人というのは、自然と外部の人とのふれあいやコミュニケーションが減っていき、脳の働きが鈍くなるといわれているからなのです。

高齢になっても自立して自分自身で生活できていて、自分で身の回りのお世話をできるなんてとても素晴らしいことではないか、と思うところですよね。しかしその反面、自分だけの生活で完結してしまうので、自宅に一人こもりっきりになる、人とのコミュニケーションが減りがちになるということも起こりえるのです。

なかなか自分の性格や習慣を変えることは難しいのですが、意識的に他の人とのコミュニケーションをとったり、人の集まる場所へ行き積極的に人との交流を図る行動をしたりすることで脳の老化の予防につながります。高齢になっても、周囲とのつながりを大事にしながら生活することが大切です。

認知症にかかるリスクが高い人の口癖とは?

では、性格から逆算して認知症になりやすい人の口癖を考えていきましょう。

「今の若い人は~」「これだから現代人は」といつも口にしてしまうような人は要注意です。

柔軟な考えや、やわらかい心を持っていないと周囲や社会に向けてどんどん不満がつのっていきます。特に、年をとることで今までの経験やプライドなど様々な要因から新たな思考やアイディアを受け入れることが難しくなっていきます。

すると、どんどんストレスがたまり、周囲との交流も少なくなり遂には周りに人がいない、そのような状態に陥ってしまうかもしれません。このような傾向がある人は、社会に適応していくために必要な脳の前頭葉の機能が低下している可能性もあります。

逆に、常に新しいことにチャレンジしたり、その年齢、時代ごとに自分の人生を楽しめたりするような人は認知症にかかるリスクが低くなると言えるでしょう。

認知症になりやすい人の口の匂いとは?

認知症を予防するには、お口のケアも大事になってきます。

「卵の腐ったような匂い」「血なまぐさいにおい」「生ごみのにおい」口から上記のようなにおいがする方は歯周病の可能性があります。意外なことに、歯周病は認知症につながるといわれているのです。

歯周病が原因物質を溜める可能性も

歯周病は歯周病菌の感染でおこる炎症性の疾患です。歯と歯茎の間をしっかりと洗わないと、口の中で多くの細菌が繁殖し、歯肉の周りに炎症がおきます。また、お口の中のブラッシングが不十分で歯垢が蓄積していくと、虫歯や歯周病を引き起こし、最悪の場合は抜歯をしなくてはならなくなったり、歯を失ったりしてしまうこともあるのです。

歯がなくなってしまうと、当然噛む力が弱くなります。物を噛む力が弱くなってしまうと、噛むことによって脳の中枢神経に送られていた刺激がなくなってしまいます。中枢神経に送られる刺激が少なくなってしまうと、認知症の発症リスクが高まってしまうのです。

2017年、名古屋大学と国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの共同研究で、”歯周病の感染によっておこった歯周病は、アルツハイマー病の病状を悪化させる”というマウスを使った実験の研究結果を発表しました。

このように、歯周病を放っておくと、歯を失い食べ物を噛むことができなくなったり、歯を失うことで脳の老化が進み認知症やアルツハイマーなどの疾患を呼び起こしたりする可能性が高くなってしまいます。

日頃から上手に歯磨き、歯周病ケアを行い大切な歯を守りましょう。

生活習慣病(糖尿病)がリスクを高める可能性も

生活習慣病は認知症の発症を高めてしまう可能性もあります。生活習慣病とは平成8年、当時の厚生省が従来の成人病というくくりに変えて、新たに生活習慣に着目した概念として取り入れられたものです。

運動、食生活、休養、飲酒、喫煙などの日常生活の習慣から引き起こされる病気を「生活習慣病」と定義づけました。

生活習慣病とその原因
項目 疾患
運動不足 肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病
食生活の乱れ 大腸がん、歯周病、高尿酸血症
喫煙 肺がん、肺気腫
過度な飲酒 アルコール性肝疾患

上記以外でも、日常の悪習慣を原因とする様々な疾患のことを言います。

特に、糖尿病は膵臓で作り出されるインスリンが十分に働かず、血糖値があがってしまうことからくる病気です。

高い血糖値が続いてしまうと認知機能が低下し、認知症になると血糖のコントロールが難しくなってしまうといわれています。

具体的には、糖尿病を患っている人はアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症にかかるリスクが2~4倍上昇してしまうという研究結果があります。

糖尿病にかかると認知症になりやすく、認知症になると糖尿病が悪化してしまうといえます。早い段階から血糖コントロールをして、認知症の予防を行うことが必要です。

さまざまな観点から認知症予防を進めていく

このように、認知症を誘発してしまう生活習慣病を予防するには早めの生活の見直しや改善が必要です。日頃から小さな習慣をつけ発症予防を行うことで、のちの病気の発症リスクをぐんと下げることができます。

認知症を予防したいと思ったら、自分の生活を見直し、取り組めるものからはじめて健康な生活を送っていくことが大切です。

食生活を改善して認知症を予防

バランスの悪い食事は健康にはもちろん、認知症になるリスクも高くなってしまいます。高齢になると、食生活も少食になったり、偏ってしまったりするなど影響が出てしまうこともあるでしょう。野菜果物を十分に摂取し、動物性脂肪分を控えめにしたバランスよい食事をこころがけ、脳の健康維持につなげていきましょう。

具体的には、摂取カロリーを守る塩分・糖分を摂りすぎない脳に必要な栄養素を積極的にとるなど、工夫が必要です。

また、自分で料理をすることも認知症予防には効果的。自分でレシピを考えたり、体も使って料理したりすることは脳に良い影響をもたらします。

生活サイクルを見直して認知症を予防

普段の生活を見直すことで、認知症を予防する習慣をつけることができます。まずは、できることから始めてみましょう。運動不足、睡眠不足は認知症のリスクを高める要因となります。週3日以上の有酸素運動(ジョギング、少し息の切れるウォーキングなど)をするなど、毎日の中で定期的に運動できる習慣を付けましょう。適度な運動が心拍数を上げ、脳を活性させると、認知症はもちろん、糖尿病・高血圧・骨粗鬆症などの予防・改善にもつながります。

また、十分な睡眠をとれていない状態も脳や記憶、思考にとってもよくありません。朝起きたら太陽の光をあび、毎日決まった時間に寝るといいといわれています。

慢性的な不眠など、睡眠に障がいを持っている場合は病院に相談しましょう。さらに、大きなストレスは認知症の発症リスクを上げるといわれています。日常生活のなかで、悩むことを少なくできるよう工夫や取り組みが必要かもしれません。

認知症に対するケアを早めに始めることが大切

認知症はいまだに明確な原因が分からない病気です。しかしながら、認知症の進行を遅らせる治療や予防対策など、少しずつ認知症に対するケア方法が解明されつつあります。生活を見直しつつできることから取り組んでいきましょう。

この記事のまとめ

  • 認知症を完全に予防する方法はない
  • 食生活・運動・口腔ケアなどが認知症改善に役立つ
  • 早めに認知症予防を始めることが重要

この記事の監修者

平栗潤一
一般社団法人日本介護協会理事長
大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

平栗潤一
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寄稿者

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緒方 優樹

介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。

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