インタビュー

入居相談だけじゃない、もっと頼れる存在に ──渡邊忠博(地域医療支援チーム)

期待を超える提案で病院のMSWや看護師から頼りにされている、地域医療支援チームの渡邊さん。入居相談を通じて知った高齢者やそのご家族が抱える悩み、それに対して渡邊さんがどう向き合ってきたのか聞きました。

入居相談だけじゃない、もっと頼れる存在に ──渡邊忠博(地域医療支援チーム) | 介護のほんねニュース

「介護のほんね」地域医療支援チームについて

病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や看護師からの依頼を受け、患者さんが退院後に安心して生活できる老人ホームをご提案し、ご入居までをサポートしています。

病院から在宅、そして老人ホームへ

渡邊さんは株式会社メディパス時代に深野さんと老人ホーム紹介事業(旧:ゴイカのかいご)を立ち上げたメンバーの一人なんですよね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
*2021年2月に株式会社メディパスが株式会社メドレーのグループ会社になったことに伴い、翌2022年1月に「ゴイカのかいご」も「介護のほんね」にサービス統合されました。
渡邊さんの画像 渡邊さん

はい。サービスの提供開始は2014年の秋ですが準備はその数ヶ月前から始めていたので、もう9年経ちますね。

それ以前はどんなお仕事をしていたんですか?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

扱う商材は違いますが、ずっと法人営業でした。実はもともと父親が在宅酸素療法を使っていて医療機器が身近にあったので「こういう医療機器を扱う会社も面白いな」と思って、人工呼吸器とか麻酔器とかモニター類とか主に手術室で使う医療機器の製造と卸売の会社に入社しました。配属先が大阪だったので地元を離れていたんですが、父親が倒れたのを機に戻ってきました。

それは大変でしたね……。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

やっぱりだましだまし働いてたところがあったんですよね。そのときに父親が入院中に「家に帰りたい」「早く帰りたい」って言うのをずっと聞いていたので、今度は在宅での療養を支援する訪問診療に関する仕事をやってみようとメディパスに入ったんです

なるほど。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

でも結局、在宅が難しくなって老人ホームに入居するケースがあるんですよ。それでメディパスで新しく老人ホーム紹介事業を立ち上げることになったときにそこへ参加したんです。

病院から在宅へ、在宅から老人ホームへというわけですね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

これまで医療機器にしろ訪問診療にしろずっと法人のお客様を対象にしてきたんですが、老人ホームの入居相談員になって初めて個人のお客様とも関わるようになりました。この仕事は病院のMSWや看護師さん、患者さん、ご家族、もちろん施設の方と、多方面の方と関わるのでそれぞれ使う筋肉が違って面白いなって。気づけば9年ですね(笑)。

「使う筋肉が違う」ですか……。なんだかかっこいいですね!

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
インタビューに答える渡邊さん 学生時代は中距離走の選手で、現在もランニングが趣味という渡邊さんらしい表現です。

「もう少し何かできないか」と取得した資格の数々

渡邊さんの画像 渡邊さん

全然そんなことないですよ(笑)。でも、入居相談員として相談を受けるうちに高齢者やそのご家族がいろんな問題を抱えていることがわかってきたので、もう少し何かできないかなと。かっこいい言い方をすると、包括サービスを提供できないかなと思って、いろんな勉強を始めるきっかけになりましたね

どんな勉強ですか?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

まずお客様から「不動産屋さんみたいですね」って言われたんですよ。

確かに、地域医療支援チームの場合は相談員が運転する車で見学先までご案内することもあるので、不動産の内見と似てますね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

でも、不動産屋は国家資格が必要じゃないですか。私たちの仕事も住まいに関わることなのに何の資格もないのが不思議だなと思って、宅建(宅地建物取引士)の資格を取りました。

えっ! 宅建の資格、持ってるんですか!?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

それから生活保護で身元保証人がいない方の入居先についてご相談をいただいたときに、法律についても勉強しておいたほうがいいなと思って、行政書士の資格も取りました。

えっ! 行政書士も取っちゃったんですか!?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

これで行政の仕組みがわかったので「知らなくて損してることがいっぱいあるな」って思いましたねえ……。

さらりとお話ししてますけど、簡単に取れる資格ではないですよね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

それはもう、結構がんばりました(笑)。資格を持っているだけで実務ができるわけではないんですが、老人ホームの紹介以外にも頼ってもらえるような“よろず相談”ができたらすごくいいなあと思っています。

PCに向かう渡邊さん 通勤時間が片道1時間半と長く「往復で1日3時間勉強できるんですよ」とこれまたさらりと言う渡邊さんですが、言うは易し行うは難しです。

いい老人ホームってどんなホーム

もしかしてほかにもまだあるんですか……?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

FP2級とホームヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修)、福祉用具専門相談員を持っています。

本当にすごいですね……!

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

髙野さんのように実際に働いた経験があるわけではないんですが、ホームヘルパー2級取得時の実習や訪問診療の支援業務を通じて、特養・老健・グループホームを含む介護の現場を間近に見る機会がありました。やっぱり食事・排泄・入浴の介助がしっかりしているホームが一番いいなって思ったので、ご家族にもそこを見てくださいってお願いしています。

設備なら見ればある程度わかると思うんですが、介護の質はどこをどう見て判断すればいいんでしょうか?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

分かりやすいのは、入居者の方の表情ですかね。特にご高齢の方はゆったりとした時間の中で過ごされたいと思っているので、職員が常にバタバタと慌ただしくしていると落ち着けませんし。

人手が足りないと慌ただしくはなりがちですよね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

いいホームってやっぱり自立支援ができているホームだと思うんです。

自立支援?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

残存機能を維持するには自分でできることは可能な限り自分でやっていただいたほうがいいんですが、介護の効率を考えると職員がやったほうが早い。

確かに、自分の力で歩くのを側で見守るより、車いすで案内してしまったほうがよっぽど早いですよね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

そうなんです。でも、どこも人手に余裕があるわけではないので、限りある中でどのように工夫して介護を提供するかはホーム長の考えが大きく影響します。なのでホーム長や介護リーダーに会って「どんな思いで介護に関わっているのか」聞く機会は設けてほしいと思います。

渡邊さんこだわりの提案資料 「パンフレットに掲載されていることは当たり前、相談員だから知っていることを含めたい」というこだわりが詰まった提案資料。

「老人ホームに入ったら二度と自宅に帰れない」という勘違い

渡邊さんの画像 渡邊さん

やっぱり(親を老人ホームに入れることに対して)ご家族は当惑し、悩ましい気持ちがあるんですよね。本当だったら「自宅がいい」って当たり前じゃないですか。でも医療処置が必要だからとかご家族が忙しいからとか、やむにやまれない事情があることは私たちも分かっているので、ご家族が心のどこかで抱えてらっしゃる「自分がもっと頑張れば」という気持ちをおもんぱからないと。

相談をいただいた時点で、まだ在宅か施設か迷われている方はいらっしゃいますか?

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

いらっしゃいます。ただ、施設に入ったらもう二度と自宅に戻れないということはないので。実際「どこまで回復されたら、ご自宅で見られそうですか」と聞くと、大概は「トイレに多少自分で行けるようになれば、自宅に連れて帰りたいんですよね」って言ってくださるんですよ。なので「それなら、職員の方に相談して入居後にトイレにご自身で行けるよう自立支援を厚くしてもらいましょう」「回復できたらご自宅に戻ることを前提に考えていきませんか?」という話はしますね。

そう言ってもらえると前向きに考えられますね。今はプロの力が必要なとき、頼っていいときなんだって。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

実際は年齢も年齢なので難しいことも多いんですが、本当に自宅に復帰された方や、完全復帰は難しくても、月に何回か日中に自宅でご家族とお食事をすることを楽しみにしていらっしゃる方もいます。

過去に相談を受けた方がご紹介した施設で元気に過ごされている様子を知ると本当に嬉しいものですね。

介護のほんね編集部の画像 介護のほんね編集部
渡邊さんの画像 渡邊さん

そういう実績があるホームは自信を持っておすすめできますし、迷っている方には「私見ではありますが」と断った上で意見も伝えます。それが入居相談員が介在する価値だと思っています。実際に足を運んで、目で見て、職員の方と話すことで知っている実感値をお伝えすることで、ご家族やご本人が納得のできる選択ができるようにしたいなと思います。

株式会社メドレーのデジタルサイネージの前でほんねさんのぬいぐるみを抱いてポーズを取る渡邊さん
介護のほんね編集部

この記事の寄稿者

介護のほんね編集部

年間1万件以上の老人ホーム探しをサポートしている介護のほんね編集部です。介護に関する情報を、認知症サポーターの資格を持つスタッフが正しく・分かりやすくお届けします。

老人ホーム探しは
介護のほんねにおまかせください!
おすすめの施設をピックアップしました。
無料入居相談室

お困りの方はいつでも
お気軽にご相談ください

お困りの方はいつでもお気軽にご相談ください

施設の探し方や介護に関するご質問など、プロの相談員が施設探しをサポート致します!

介護まるわかりガイド

公式SNSアカウントも更新中!

介護に役立つ選りすぐりの
最新ニュースをお届けします!

介護のほんね 老人ホーム探しなら
介護のほんね

入居相談員が無料でフルサポート!

0120-002718

営業時間:9:00〜18:00

みなさんの介護の悩みや気になることを教えてください

集まった質問は今後の参考にさせていただきます!

質問を投稿する