寄稿

介護ベッドはレンタルと購入のどちらがお得? メリット・デメリットと費用を比較して紹介

介護ベットの導入を検討している方へ、介護ベッドを購入した場合とレンタルした場合の費用やメリット・デメリットを比較します。

介護ベッドはレンタルと購入のどちらがお得? メリット・デメリットと費用を比較して紹介 | 介護のほんねニュース
澤村 智哉

この記事の監修

澤村 智哉

福祉用具専門相談員・福祉住環境コーディネーター2級

介護事業を扱うパナソニックエイジフリー株式会社で、福祉用具のレンタル・販売・住宅改修の相談員として従事。入社1年目より多部門で功績を上げ表彰を受ける。現在は株式会社メドレーの介護のほんね地域医療支援チームで、主に病院から退院される患者様の高齢者施設への入居相談を担当。在宅生活から高齢者施設への入居まで一気通貫に支援している。

介護ベッドとは

介護ベッドには、介護する側と受ける側の負担を軽減するさまざまな機能が付いています。代表的なのが背上げ機能(リクライニング機能)・膝上げ機能・高さ調整機能です。

介護ベットの主な機能

機能 内容
背上げ機能 背もたれの高さを調整できる機能。上体を起こすことを補助します。
膝上げ機能 脚部の上げ下げができる機能。起き上がり時のズレを防いだり、足のむくみを防ぐことも期待できます。
高さ調整機能 床板の高さを調整できる機能。車いすに移乗するときなど動作が楽になります。

介護ベッドは大きく分けて3種類

介護ベッドの機能の数は搭載されているモーターの数に比例し、1モーターベッド・2モーターベッド・3モーターベッドの3種類に分類できます。

要介護度の目安 背上げ 膝上げ 高さ調節
1モーターベッド 要支援1〜要介護2
2モーターベッド 要介護2〜5
3モーターベッド 要介護2〜5
△…いずれかが搭載されている ◯…搭載されている

1モーターベッド

1モーターベッドには背上げ機能か高さ調整機能のいずれかが付いています。要介護度の目安は要支援1~要介護2の方向けです。

2モーターベッド

2モーターベッドには背上げ機能に加え、膝上げ機能か高さ調整機能のいずれかが付いています。要介護度の目安は要介護2~5です。

3モーターベッド

3モーターベッドには背上げ機能・膝上げ機能・高さ調整機能の3つが付いています。要介護度の目安は要介護2~5です。自分の好みの体勢に調整できるので、起き上がりが難しい方や寝たきりでベッド上での生活が長い方におすすめです。

介護ベッドを購入・レンタルした場合の費用とメリット・デメリットを比較

介護ベッドを利用する場合、購入レンタルか2つの手段があります。それぞれにかかる費用やメリットとデメリットを比較すると次のようになります。

購入 レンタル
費用 新品の場合10〜20万円 介護保険利用で月1,000〜1,500円
メリット
  • 種類やメーカーなど好きなものを自由に選べる
  • 返却の必要がない
  • 汚れを気にしないで利用できる
  • 月々の費用負担が小さい
  • 身体の状態に合わせて機種を交換できる
  • 汚れたマットレスを無償で交換できる
デメリット
  • 初期費用の負担が大きい
  • 身体の状態に合わせて買い替えが必要
  • 処分に費用や手間がかかる
  • 要支援1〜要介護1の場合は自費レンタルとなる(介護保険が使えるのは要介護2から)
  • 他人が一度使ったベッドを利用することに抵抗を感じる人もいる

介護ベッドを購入した場合

購入のメリットは、介護保険サービスから指定されたものに限らず、好きなベッドを自由に選べる点です。また、自分の所有物になるので返却の必要もなく、汚れを気にせずに利用できます

購入のデメリットは、初期費用がかかることです。介護保険を使って購入できるのは腰掛け便座や入浴補助用具など、衛生面でレンタルに不向きな福祉用具に限られるため、介護ベッドは全額自己負担で購入しなくてはなりません。新品の介護ベッドは10〜20万円することがほとんどです。要介護度の変化によって買い替えが必要になると、新たなベッドの購入はもちろん、不要になったベッドの処分にも費用や手間がかかります。

介護ベッドをレンタルした場合

レンタルのメリットは、月々わずかな負担で身体の状態に合った介護ベッドを利用できる点です。介護保険を利用して介護ベッドをレンタルすると、自己負担額の相場は月1,000~1,500円程度(1割負担の場合)となります(参考:厚生労働省「全国平均貸与価格及び貸与価格の上限一覧(令和3年1月~)」)。また、要介護度など身体の状態が変化した場合にはベッドを交換してもらえますし、1ヶ月単位〜レンタル可能なので短期の利用にも柔軟に対応できます。

レンタルのデメリットは、一度他の方が使ったものを使用するため、人によっては使用に抵抗があることです。また、契約内容によっては汚れや破損が生じた場合に修理費などを請求されることもあります。

なお、介護保険を使って介護ベッドをレンタルできるのは要介護2からです。要支援1〜要介護1の方は自費になりますが、自費の方向けに介護保険を利用した場合と同程度の負担で介護ベッドをレンタルするサービスも多くあります。また、要支援1〜要介護1でも主治医が必要と判断した場合に限り、介護保険の利用を認めている自治体もあります。

「どちらがお得か」は介護期間によって決まる

「購入とレンタルのどちらがお得か」は介護の期間によって決まります。例えばここにレンタル料が月1,000円、販売価格10万円の介護ベッドがあったとします。この場合、「販売価格10万円 ÷ レンタル料月1,000円 = 100ヶ月(8年4ヶ月)」なので、8年5ヶ月以上使えば購入したほうがお得という計算になります。

参考までに、レンタル料とレンタル期間を概算すると次のようになります。

レンタル料:月1,000円 月1,500円
レンタル期間:1年 12,000円 18,000円
3年 36,000円 54,000円
5年 60,000円 90,000円
10年 120,000円 180,000円
15年 180,000円 270,000円

介護ベッド導入の際は「介護が必要な期間」を意識する

レンタルと購入のどちらがお得かは使用期間によります。介護が必要な期間は人それぞれのため正確に予測することは困難ですが、介護が必要な期間を「平均寿命 − 健康寿命」とした場合、統計的にはおおむね10年前後(男性9年、女性12年)となります(参考:厚生労働省「令和2年 高齢社会白書(概要版)第2節 高齢期の暮らしの動向」)。

介護ベッドのレンタルは利用期間が長くなればなるほど割高に感じるかもしれませんが、要介護2以上であれば介護保険を利用できる、ベッドやマットレスの交換に応じてくれるなど利便性の面で魅力的です。あらかじめメリットとデメリットを把握した上で、どうしたらよいのかわからない場合は、担当のケアマネジャーに相談することをおすすめします。

介護のほんね編集部

この記事の寄稿者

介護のほんね編集部

年間1万件以上の老人ホーム探しをサポートしている介護のほんね編集部です。介護に関する情報を、認知症サポーターの資格を持つスタッフが正しく・分かりやすくお届けします。

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