レビー小体型認知症とは|症状・原因・リハビリなどの対処法などを解説

レビー小体型認知症は三大認知症の1種です。このレビー小体型認知症には、パーキンソン症状、うつ病、幻視、認知機能障害が現れるといわれています。この記事では専門家の監修のもと、レビー小体型認知症について分かりやすくまとめました。「具体的な症状」「治療方法」「ケアのポイント」を紹介します。

更新日:
写真
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。

レビー小体型認知症とは

認知症の1種であるレビー小体型認知症は、認知症とパーキンソン病の症状が現れる病気です。レビー小体型認知症を英語でいうと「Dementia with Lewy Bodies」であり、頭文字をとって「DLB」とも呼ばれています。

すべての認知症患者のうち、レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多い疾患です。約500万人いる全認知症患者の20%がレビー小体型認知症と報告されています。

患者の男女比は男性が多く、女性の約2倍といわれています。

主な症状には「パーキンソン症状」「幻覚」「認知機能の変動」「レム睡眠行動障害」が挙がります。特に「手足が震える」「動きが遅くなる」などのパーキンソン症状が特徴的です。

原因は「レビー小体」

レビー小体型認知症の原因となる「レビー小体病」とは、シヌクレインというタンパク質からなる「レビー小体」が脳内に溜まることで発症する病気です。脳内にレビー小体が蓄積される原因は分かっていません。

なお、レビー小体はパーキンソン病患者にも見受けられます。レビー小体が脳幹に見られるとパーキンソン病と診断されるのです。脳全体にレビー小体が見られると、認知症の症状も現れるためレビー小体型認知症と診断されます。

レビー小体型認知症の進行

レビー小体型認知症の症状は時間とともに進行します。他の認知症に比べると進行が早いのが特徴です。個人差がありますが、初期・中期・後期で症状が違います。初期~後期までにかかる時間は10年未満といわれています。具体的な症状についてはこの後に解説します。

レビー小体型認知症の進行と症状
進行 症状
初期 パーキンソン症状
幻視
レム睡眠障害
自律神経症状
中期 認知機能の低下
視空間認知障害
後期 嚥下機能の低下

初期

初期症状に物忘れなどの認知機能の低下はあまり見られません。手足が震えるなどのパーキンソン症候群の症状が現れるのがレビー小体型認知症の特徴です。

パーキンソン病とは脳から運動の指令がスムーズに伝わらなくなる病気になります。「姿勢のバランスが悪い」「歩幅が小さくなる」など、些細な変化を感じたらレビー小体型認知症を疑ってください。

他にも存在しないものが見えてしまう「幻視」、睡眠時に大声を出す、暴れるなどの「レム睡眠障害」が現れます。

加えて自律神経のバランスが崩れるため身体の不調が生じます。レム睡眠障害での不眠や自律神経症状による不調から「抑うつ」状態になることもしばしばです。

中期

中期になると、症状が徐々に強まり日常生活上の介助や支援が必要な状況になります。加えて認知機能の低下が現れます。

なかでも目立つのが「視空間認知障害」です。視空間認知障害の場合、目の前にあるものが見えていても、認識できません。

またレビー小体型認知症は、日にちや時間帯によって症状が変動します。特に夕方はそわそわすることが多く幻視を見やすくなるのが特徴です。これを「夕暮れ症候群」と呼びます。

後期

後期はパーキンソン症状が強く現れるため、転倒のリスクが高まります。一度転倒すると骨折するケースも多く、車椅子生活になることもあります。自律神経症状によるふらつきや立ちくらみにも注意が必要です。

飲食物を飲み込む嚥下機能の低下も生じやすく、誤嚥性肺炎の引き起こす危険も高まります。状況によっては胃ろうを検討しなくてはいけません。

レビー小体型認知症の余命への影響

アルツハイマー型をはじめとした他の認知症に比べるとレビー小体型認知症は進行が早いのが特徴です。また、本人は「自分が認知症だ」という自覚はありません。

レビー小体型認知症を完治させる治療方法はありません。ただし症状を緩和させるための工夫はできます。レビー小体型認知症と診断された場合は「早期の治療」「リハビリテーション」「安全な室内環境」が大切です。

次に具体的な症状と対処法を解説します。

レビー小体型認知症の症状と対応方法

レビー小体型認知症は多様な症状が現れます。脳の細胞が影響を受けて生じる中核症状から、中核症状に応じて引き起こされる周辺症状などさまざまです。ここではレビー小体型認知症の代表的な症状と対処法を解説します。

パーキンソン症状

初期症状としてパーキンソン病特有の症状が現れます。運動機能が不自由になることで以下の症状が現れます。なお、同時に「抑うつ」「不眠」などの精神的な症状も現れます。

代表的なパーキンソン症状
  • 手足の震え(振戦)
  • 動作の緩慢(寡動・無動)
  • 筋肉のこわばり(固縮)
  • 体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)
  • 歩行障害
  • 無表情
  • 抑うつ
  • 不眠

日常生活での対応ポイント

筋肉や関節が固くなって平らな床でもつまずきやすくなるので転倒に注意が必要です。一度骨折してしまうと、寝たきりや車椅子生活を余儀なくされることもあります。

特に目立つのが「椅子から立ち上がるとき」や「階段で移動するとき」です。バリアフリーにリフォームするなど住環境を見直してください。

転倒の引き金となる要因は環境だけではありません。実はご本人が転倒しそうな際に「危ない!」と大きな声をかけることは逆に危険な行為でもあります。その声に驚き転倒するケースがあるからです。

下記の適切な対応のように、事前に転倒リスクを軽減するよう環境を整えておくことが大切です。

適切な対応
  • 歩行、椅子の立ち上がり、階段の使用に注意
  • マットや電気コードなど居室内の段差や凹凸を減らす
  • サンダルなどの脱ぎやすい履物を避ける
  • 後ろから不意に声をかけたり、驚かしたりしない

幻視・妄想

後頭葉の血流が悪くなることで幻視の症状が現れます。「存在しないものが見える」「見えるものが違う形に見える」などの幻視はレビー小体型認知症の特徴です。それに伴い妄想にも悩まされます。

日常生活での対応ポイント

幻視は室内の環境を整えることで改善できるといわれています。まずは室内に見間違いとなる影を作らないこと。照明の明るさを均一にするなど工夫を凝らしてください。「ハンガーにかかった洋服」「テレビのランプ」「柄の壁紙」などを避けてなるべくシンプルな居室を造ります。

妄想に関しては周囲が否定してはいけません。「どのような気持ちになったか」など感情について尋ねてください。また家族が妄想の対象となってしまった場合は、少し距離を取ることも一案です。

適切な対応
  • 室内の照明の明るさを統一する
  • 壁に洋服をかけない
  • 周囲に目立つものを置かない
  • 妄想を否定しない
  • 妄想が発展して手に負えない場合は医師へ相談する

認知機能障害

レビー小体型認知症も、認知機能障害が現れます。ただしアルツハイマー型認知症に比べるとあまり目立ちません。

意識がはっきりとした状態とぼやっとしている状態が交互に来ることが特徴です。調子が良い状態で検査を受けると、正確な認知症の診断が難しいといわれています。

レビー小体型認知症の場合は認知機能障害のなかでも「視空間認知障害」が目立ちます。視空間認知障害は、目の前にある物が見えているにも関わらず認識できない症状です。物を無くすだけではなく、足元との距離感も掴みにくいため転倒のリスクも高まります。

日常生活での対応ポイント

空間をうまく把握できないので、階段などの段差を上がるときもどこまで足を上げていいのか迷います。そのような場合は、明るい靴や靴下を履いてもらいましょう。足元の色を明るくすることで、どこまで足が上がっているか自分で認識しやすくなります。

適切な対応
  • 明るい靴や靴下を履く
  • 階段では段ごとに色違いのテープなどを張り目印をつける
  • 落下や転倒の危険がある部分にはセンサーをつけて音で知らせる
  • 探し物を一緒に見つけてあげる

自律神経症状

自律神経は循環器・消化器・呼吸器などの活動を無意識に調整しています。自律神経のバランスが崩れるとさまざまな不調が現れるのです。

レビー小体型認知症の原因であるレビー小体は脳の他にも心臓や食道などの自律神経にも現れます。そのため、以下の不調に悩まされることが多くなるでしょう。

代表的な自律神経症状
  • 排泄にまつわる症状(便秘・頻尿・尿失禁)
  • 起立時の立ちくらみ(起立性低血圧)
  • 食後の立ちくらみ(食後性低血圧)
  • めまい・失神
  • 湿疹

日常生活での対応ポイント

低血圧による立ちくらみに注意してください。パーキンソン症状でも解説しましたが、椅子から立ち上がる際は注意しなければいけません。特に食後は食後低血圧という急激に血圧が下がる症状がでる危険性があるので要注意です。

また便秘や頻尿、尿失禁に悩んでいる人も多く見られます。対策としてはこまめな水分摂取が重要です。

適切な対応
  • 起き上がったらその場で脚を上げて足踏みする
  • めまいを感じたらしばらく動かない
  • 入浴やアロマなどで心身をリラックスさせて自律神経を整える
  • 1日1リットル以上の水分を補給する

レム睡眠行動異常症

睡眠には熟睡状態の「ノンレム睡眠」と浅い睡眠状態の「レム睡眠」があります。ちなみに夢を見ているときはレム睡眠です。

レム睡眠時に大声を叫んだり、眠ったまま歩き回ったりなどの異常行動を「レム睡眠行動異常症」といいます。健康な場合は、睡眠中に身体に力が入りませんが、レビー小体型認知症の人は脳が活動しているため身体に力が入ってしまいます。大抵の場合は悪夢を見ている状況です。

レム睡眠行動異常症はレビー小体型認知症の初期症状です。中期以降になると生じにくくなります。

日常生活での対応ポイント

レム睡眠行動異常症は10分以上も続きません。夜中に症状が現れた場合は危険がないように見守ってください。

朝方に症状が現れた場合は部屋を明るくしたり、目覚ましを鳴らしたり、自然に目を覚ますように手伝います。身体に触れて起こすことは、より強い刺激になるため控えてください。

適切な対応
  • 10分以内で治まることが多く、危険がないように見守る
  • 身体を揺らすなどして起こさない
  • 夜にぐっすり眠れるように、日中に活動する
  • 不安になるニュースや怖い映画などを避ける

抑うつ症状

抑うつ症状にかかると「気分が落ち込む」「何をする気も起こらない」など慢性的に憂鬱な気分になります。レビー小体型認知症の多くの人は抑うつ症状が出現します。精神状態に合わせて、食欲の低下や怠惰感などの身体症状も現れます。

日常生活での対応ポイント

ストレスを溜め込むと抑うつ症状は悪化します。周囲もご本人が孤立しないように、積極的なコミュニケーションを心がけてください。

適切な対応
  • 本人が嫌がることを強制しない
  • 本人が得意なことに役割を与える
  • 散歩や趣味など気分転換になる活動を勧める
  • 「がんばれ」などプレッシャーとなる言葉をかけない

レビー小体型認知症の診断方法と基準

レビー小体型認知症の症状が思い当たる場合は、早めの診断をおすすめします。現在、レビー小体型認知症を根治させる治療はありません。ただし、進行を遅らせるための治療は可能です。

また診断を受けることで、周囲もレビー小体型認知症の理解が深まり、適切なケアを実践できます。

続いて実際に医療機関での診断方法やレビー小体型認知症の基準を解説しましょう。

STEP1:面談・問診

まずは医師との面談や問診を実施します。面談ではご本人とご家族から状況を話してもらいます。

レビー小体型認知症の人は、自分が認知症であるという自覚はないので、面談の最中に腹を立ててしまうかもしれません。ご家族は事前に伝えたい内容をメモして医師に伝えると、スムーズに進みます。

面談の質問例
  • 受診するきっかけになったのはどんな症状ですか
  • 症状はいつ現れましたか
  • 症状は進行していますか
  • 他の症状が現れてきましたか
  • 症状は1日のうちに変化がありますか
  • 現在、治療中の病気や内服中の薬はありますか
  • 家族に認知症の人はいますか

STEP2:身体検査

一般的な身体検査です。糖尿病や高血圧など、認知症を引き起こす要因となる病気を発症していないか調べます。

主な身体検査
  • 血液検査
  • 心電図検査
  • 感染症検査
  • X線撮影

STEP3:認知症検査

最後に認知症検査を実施します。認知症検査は「神経心理検査」「画像検査」の2種類です。

神経心理検査

神経心理検査は認知機能の状態を評価するテストです。検査の内容は医療機関によって異なります。

質問に答えたり、書いたり、道具を使ったりすることがほとんどです。テストを通じて記憶力・見当識・計算力を見極めます。

テストの点数によって「認知症の疑い」を判定します。テストだけでは認知症を断定できません。

主な神経心理検査
  • 長谷川式認知症スケール(HDS-R)
  • ミニメンタルステート検査(MMSE)
  • 時計描画試験(CDT)

画像検査

画像検査は、脳の萎縮や血流を調べる検査です。それぞれの病気に特徴的な働きがあるかを観察します。

検査内容も検査目的によって異なります(下記の表を参考)。レビー小体型認知症の診断は「SPECT(DAT-scan)検査」「MIBG心筋シンチグラフィ検査」が有用です。

画像検査の種類
検査方法 検査目的
  • CT検査
  • MRI検査
レビー小体型認知症の場合は異常が見つからない。脳に他の病気がないか調べる。
  • SPECT検査
  • PET検査
脳の血流や代謝を調べる。レビー小体型認知症の場合は後頭部の血流や代謝が落ちている。
  • SPECT(DAT-scan)検査
    (ドパミン トランスポーターシンチグラフィ)
ドパミンを取り込むタンパク質の働き具合を調べる。異常の場合、レビー小体型認知症であること可能性が高い。
  • MIBG心筋シンチグラフィ検査
心筋の交感神経が正常に働いているかを調べる。アルツハイマー型認知症との区別するために実施。

レビー小体型認知症の診断基準

レビー小体型認知症の診断基準は「日常活動に支障をきたす進行性の認知機能低下」が必須です。それに加えて「中核的特徴」および「指標的バイオマーカー」の該当数に応じて「ほぼ確実」か「疑い」かを診断します。

必須の症状
  • 日常活動に支障をきたす進行性の認知機能低下
中核的特徴
  • 注意や明晰さの顕著な変化を伴う認知の変動
  • 繰り返し出現する構築された具体的な幻視
  • 認知機能の低下に先行することもあるレム睡眠行動異常症
  • 特発性のパーキンソン症候群
指標的バイオマーカー
  • ドパミントランスポーターの取り込み低下
  • MIBG心筋シンチグラフィでの取り込み低下
  • 睡眠ポリグラフ検査による筋緊張低下を伴わないレム睡眠の確認
レビー小体型認知症の診断基準
診断 基準
ほぼ確実である
  • 2項目以上の中核的特徴
  • 1項目以上の中核的特徴と1項目以上の指標的バイオマーカー
疑いがある
  • 1項目以上の中核的特徴が存在するが、指標的バイオマーカーの証拠を伴わない
  • 1つ以上の指標的バイオマーカーが存在するが、中核的特徴が存在しない

他の病気と誤診されやすい

レビー小体型認知症は多様な症状があり個人差もあります。初期症状は認知機能障害が目立たないため「パーキンソン病」と診断されるケースもあるのです。

また「抑うつ」「幻視・妄想」「睡眠時の異常行動」の症状が強いと「うつ病」や「統合失調症」と診断されるかもしれません。診断結果によって治療方法も異なります。

処方された薬を飲んでも症状の改善しない場合は、かかりつけ医に相談するほか、セカンドオピニオンを受けてみてください。

それではパーキンソン病やうつ病、アルツハイマー型認知症との違いを紹介します。

パーキンソン病との違い

レビー小体型認知症はパーキンソン症状が現れるためパーキンソン病との区別が難しいのが特徴です。画像検査などを通じてレビー小体が溜まっている場所を観察することで判断していきます。

またパーキンソン病の人が認知症を発症するケースも判断が困難です。パーキンソン症状から1年以内に認知機能の低下が見られたら「レビー小体型認知症」と判断します。

1年以上経過後の場合は「認知症を伴うパーキンソン病」と判断し、他の認知症の可能性を調べます。まだ根本的な区別はできません。

うつ病との違い

レビー小体型認知症の約7割の人は「抑うつ」の症状があるといわれています。初期にうつ病の症状が出やすいため「うつ病」と誤診されるケースもあるでしょう。

なお、うつ病にも物忘れなど認知症のような症状が発症します。これを「仮性認知症」といいます。

「うつ病」と「認知症によるうつ状態」の違いは自責の念です。うつ病患者は「自分に価値がない」「生きる意味が分からない」など自責の念が強く、自殺願望があります。

レビー小体型認知症は、意欲の低下は見られますが自分を責める傾向はあまりみられません。

とはいえ、レビー小体型認知症とうつ病を見分けることは困難です。レビー小体型認知症とうつ病を併発している可能性もあるので、医療機関に相談してみましょう。

アルツハイマー型認知症との違い

アルツハイマー型認知症は認知症の代表格です。アルツハイマー型認知症の場合、パーキンソン症状はほとんど現れません。種類によって症状が異なるのです。

また「MIBG心筋シンチグラフィ検査」をすることで、アルツハイマー型認知症かレビー小体型認知症かを判別できます。

レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の比較
レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症
主な原因 レビー小体が溜まり神経細胞が死滅する 脳内に老人斑という物質が溜まり、脳が萎縮する
主な症状
  • パーキンソン症状
  • 幻視
  • 抑うつ
  • 睡眠障害
  • 物忘れ
  • 徘徊
  • 妄想(物盗られ妄想)
経過 急速に進行することもある 徐々に進行する
男女比 男性に多い 女性に多い

レビー小体型認知症の治療方法

現在の医療にはレビー小体型認知症を完治させる薬はありません。ただしレビー小体型認知症の進行を緩和できます。

処方される代表的な薬に「コリンエステラーゼ阻害薬」「NMDA受容体拮抗薬」があります。これはアルツハイマー型認知症にも効く薬です。

加えて、抗パーキンソン病の治療薬である「レボドパ製剤」「ゾニサミド」も処方されます。症状に併せて抗認知症薬・抗パーキンソン病薬・抗精神病薬が処方されます。

ただしレビー小体型認知症は薬に副作用が出やすく敏感です。もし薬を使う場合は、体調の変化をこまめに観察してください。

また比較的副作用が少ない漢方薬「抑肝散(ヨクカンサン)」を服用することもあります。抑肝散は幻覚・妄想・レム睡眠行動障害に効果があるといわれています。

代表的な主な薬
分類 薬剤名 一般名
抗認知症薬 コリンエステラーゼ阻害薬
  • ドネペジル
  • ガランタミン
  • リバスチグミン
NMDA受容体拮抗薬
  • メマンチン
抗パーキンソン病薬 レボドパ製剤
  • メネシット
  • ネオドパストン
ゾニサミド
  • トレリーフ
抗精神病薬 定型抗精神病薬
  • セレネース
  • コントミン
非定型抗精神病薬
  • リスパダール
  • セロクエル
漢方薬 抑肝散
  • 抑肝散(薬剤名と同じ)

非薬物治療であるリハビリが効果的

レビー小体型認知症は薬物に過敏に反応するため、非薬物療法であるリハビリテーションも実施します。

特にパーキンソン症状は運動機能が低下します。何もしないで放置しておくと、寝たきりや転倒のリスクも高まるでしょう。寝たきり・転倒予防には、薬物療法よりもリハビリテーションが効果的です。

リハビリテーションは、ご本人のやる気を引き出すために周囲のフォローも大切です。一緒に暮らしているご家族もご本人と散歩や買い物を楽しむなど心がけてください。

転倒予防のための機能訓練は、家事の役割を与えてお願いすることもおすすめです。洗濯、掃除、食器洗いなどは結果が分かりやすく、役割があることに心地よさも感じます。加えてデイサービスや通所リハビリを利用するといいかもしれません。

リハビリテーションを日常に組み込むことで、QOLの向上にもつながるでしょう。

介護のポイント

この記事で紹介したようにレビー小体型認知症の症状は多岐にわたります。症状別のケアポイントも紹介し他通り、人間性を尊重したケアが大切です。一人の人として周囲に受け入れられることは、リラックスできるとともに自分に自信を持てます。

また否定されたり、無視されたりすると、本人も傷つき悲しみます。症状も悪化するでしょう。幻覚や異常行動を取った場合も、本人の言動を否定せず感情に寄り添ってください。

また周囲でもフォローが難しくなってきた場合は、家族だけで抱え込まないで、かかりつけ医やケアマネージャー、自治体の相談窓口に相談しましょう。

安全な環境づくりも大切

レビー小体型認知症は、体が思うように動きません。ちょっとした段差でも転倒しやすい状況です。「居室スペースに段差がある」「ベッドが高くて降りにくい」など、転倒の引き金になる不備がないかを確認してください。

バリアフリーにリフォームしたり福祉用具を使ってみたりと、安全な環境づくりも積極的に実施してみましょう。

この記事のまとめ

  • レビー小体型認知症は、脳に「レビー小体」ができることで起こる認知症
  • 男性患者が多く、手足のふるえや幻視、抑うつなどが特徴的な症状
  • 安全な環境づくりと、本人の主張を否定せず受け入れることが大切