老人ホームの体験入居とは|チェックすべき5つのポイント・入居までの流れを紹介

老人ホームによっては入居前に数週間から1カ月程度の体験入居ができます。今回は、老人ホームの体験入居でチェックすべきポイントをご紹介します。

老人ホームの体験入居とは|チェックすべき5つのポイント・入居までの流れを紹介
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて教職員として12年勤務し、約2000名の人材育成に関わる。その後、その経験を活かし、認知症グループホームや訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅などの介護事業や、就労継続支援B型事業所や相談支援事業所などの障がい福祉事業を運営。また一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して活動中。

見学だけでは安心して入居を決められない

多くの場合、入居後に後悔することのないように老人ホームに入居を決める前に見学に行きます。

見学では1~2時間ほどで施設内の設備や居室を確認し、施設の担当者から直接、契約内容について共有があります。

気になる点は質問をすれば施設の方が丁寧に答えてくれますが、老人ホームは「入居してみないとわからない」ことがたくさんあります。

多くの場合、入居者本人にとって共同生活は初めての経験です。

入居後に居心地の悪さを感じて自宅に帰りたくなってしまったり、本人が「初めての共同生活」に耐えられなくなることもあります。

老人ホームの体験入居とは

そこで、施設によっては「入居後にイメージの差異をなくして安心して入居してもらうため」に体験入居ができます。 体験入居とは「契約の前に数日から1カ月ほど老人ホームに入居すること」です。

体験入居では施設内で他の入居者と同じように食事を食べて、リハビリに取り組み、居室で就寝します。 見学だけではわからない情報や入居後の生活が把握できるので、入居を決めるための判断材料を得られるメリットがあります。

老人ホームは入居にあたり多額の入居金が必要となります。 仮に入居後に「イメージと違った」とクーリング・オフをしたとしても全額が返ってくるわけではありません。

体験入居の料金は、多くは入居後の月額費用の日割りとなるので入居費用より安く施設の暮らしが体験できます。

体験入居の期間と費用相場

体験入居の期間と費用の相場について紹介します。ただしここで記すのはあくまで相場です。詳細は施設によって違いますので、詳しくは直接問い合わせることをおすすめします。

期間は2週間~1カ月という施設が多いようです。ただし2、3日で終わる施設もあれば3カ月ほど入居できることもあります。また1日単位で柔軟に体験入居できる施設も存在します。

体験入居の費用は、1泊あたり4,000~1万5,000円の施設が多いようです。基本的には施設の家賃額と比例します。

体験入居は途中でキャンセルすることも可能

「施設が合わなかった」「契約して入居したくなった」と、期間を待たずに体験入居をキャンセルすることも可能です。施設に伝えて最終日を決めた後に体験入居を中止できます。

体験入居のチェックポイント

実際に体験入居をした際に本人と家族がチェックすべき5つのポイントを紹介します。

1.介護職員の対応は丁寧か・スタッフは足りているか

本人が実際に介助を体験することで職員の対応を評価します。家族は現場を確認できないので、入居者本人に「快適に生活できるか」を質問するといいです。施設によっては、信頼性を高めるために体験中の入居者の様子を写真・動画で撮ってくれる施設もあります。

なお多くの施設では日中に比べて早朝・深夜のスタッフ数が少なくなります。「時間帯によってサービスの質が変わらないか」も確認すべきです。

2.夜間・早朝に騒音・異臭などの不具合はないか

夜間は見学ができない時間帯です。例えば「居室の壁が薄く、夜中に隣人のいびきが聞こえる」といった不具合はないかをチェックします。

本人でないとわからないポイントですので、異変を感じたら家族に報告をしてもらうことがおすすめです。

3.食事は口に合うか、また介護食は食べやすいか

体験入居中は毎日3食、施設内の料理を食べます。見学時にも時間帯が合えば食事をとれる可能性はあります。しかし「1食だけでは味について不安」「食事についてこちらからの要望にはどれくらい応えてくれるのか」といった方には体験入居がおすすめです。

また噛む力、飲み込む力弱い方には介護食の対応もしてくれます。きざみ食、ミキサー食などは施設内の職員によって加工されることが多いです。柔らかさ、とろみの量などは職員の技術力で変わるので、入居者本人にとって食べにくさを感じることもあります。

「施設側に要望を伝えたあとに改善されたか」「毎日で味や食べやすさにばらつきはないか」などを確認します。

4.他の入居者とのコミュニケーションは取れているか

自立の方が特に多い施設だと、共用スペースに人が集まり自然と交流が生まれます。

他の入居者と関わりながら生活を送りたい方は、前もって施設内部の雰囲気を掴んでおくことをおすすめします。他の入居者だけではなく、施設のスタッフが入居者とコミュニケーションを取ろうと動いているのかも確認しておきます。

5.外出・アクセスなどに不便はないか

自立状態の方であれば、多くの施設で自由に外出できます。「周辺環境に何があるのか」をチェックしておきます。ゆっくり散歩できる公園、買い物ができる場所、趣味を楽しめる施設などが近くにあることで行動範囲が広がります。

また要支援・要介護の方だと施設職員が同伴で外出をすることが多いです。この場合は「どれだけの頻度で外出できるのか」を把握しておきます。

体験入居の流れ

では実際に体験入居はどのタイミングで申し込み、利用するのがベストなのでしょうか。入居するまでの流れをご紹介します。

ステップ1. 希望の施設を探す

まずは入居者本人と家族の要望をもとに施設を探します。探し方は人それぞれです。店舗を構えている老人ホームの紹介センターに足を運ぶこともありますし、介護のほんねのようにオンライン上で介護施設を検索でき、そのまま電話で相談できるサービスもあります。

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ステップ2. 施設見学と体験入居の申し込み

希望の施設が見つかったら、多くの場合は見学を申し込みます。施設に連絡をして日にちと時間を決めてから訪問します。好感触であれば、体験入居を申し込みます。体験入居の申込書は施設側で用意していることが多いです。

ステップ3. 必要なものを用意して体験入居をはじめる

体験入居の際は施設によって期間が違いますが、多くの場合は2週間以上を過ごすことになります。ですので、家族が日用品や衣類などをあらかじめ準備しておき、入居に合わせて持ち込みます。主に以下の物品が必要です。

体験入居に必要なもの
  • 利用者情報提供書
  • 健康保険証
  • 老人医療受給者証
  • 介護保険被保険者証
  • 衣類(上下3セットほど)
  • 洗面用具(歯ブラシ、コップなど)
  • 体験入居の費用

体験入居時には大型の家具家電などは必要ありません。しかし毎日使う歯ブラシやコップなどの日用品、また洋服、下着、パジャマなどの衣類は必要です。衣類は施設で洗濯をしてくれますので、3セットほど準備しておけば安心できます。

ステップ4. 体験入居を評価して契約・入居

体験入居中の面会や期間を終えた後に、家族が入居者本人に質問をしながら、先述したチェックポイントに合わせて体験を評価します。本人にとっても納得いく施設であれば契約して入居となります。

ただし契約をしても90日以内であれば「クーリング・オフ」が可能です。入居一時金の未償却分は返還されます。

体験入居で気づかなかった問題点を入居後に発見した場合は、まず施設側に確認しましょう。それでも不安が解決されない場合は、クーリング・オフを使うのも手段1つです。

この記事のまとめ

  • 体験入居とは契約前に数週間から1カ月程度、お試しで施設に入居すること
  • 見学だけでは不安な部分を体験入居で把握すると、安心して入居できる
  • 体験入居前に「チェックすべきこと」を決めておく

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