来年4月に埼玉最大規模のサービス付き高齢者向け住宅”入間藤沢幸楽園”を開設予定の医療法人社団 白報会の森さんに、施設のこだわりやサービスへの想いを聞きました。
究極の安心を追求した"医師・看護師が常駐する介護施設"
【岡】医療法人社団 白報会がどのような事業を行っているか教えてください。【森】医療法人社団 白報会は2000年8月設立。今年で14年目になります。元々は理事長の白 昌善が数名のスタッフと共に始めた小さな在宅診療所が始まりになります。その後、在宅診療所を少しづつ拡大させつつ、幸楽園というブランドの老人ホームを埼玉県入間市、所沢市、越谷市、草加市という順に展開してきました。また、4つ目の草加幸楽園および現在建設中の入間藤沢幸楽園に関しては、施設の一階部分に医師・看護師が常駐している診療所を備えた老人ホームになっています。この部分が、我々のような医療法人ならではのサービスになっていると思っています。
いつでも診療できるだけではなく、リハビリのニーズを強く感じた。
【森】また、診療所があるという安心感だけではなく、併設しているリハビリスペースにて、医師のアドバイスのもとリハビリを受けられることも弊社の老人ホームの大きな特徴になっています。実は草加幸楽園のご入居者様70名のうち9割以上の方がこのリハビリを受けておられ、非常にニーズを感じたことから、今回この入間藤沢幸楽園においても同様のサービスを提供し、かつ120床の大規模な施設展開に踏み切りました。【岡】この新しく作る施設の診療所とリハビリ施設は、一般の方も利用が可能なんですか?
【森】はい。可能です。この入間藤沢幸楽園におけるリハビリスペースは、"診療所に併設されているリハビリスペース"になっていますので、医師の指示のもと医療保険でリハビリを受けることが可能です。また、デイケアと呼ばれる介護保険を使ったリハビリスペースも併設しているため、医療保険を希望される方も介護保険を希望される方も、医師またはケアマネージャーの指示のもとリハビリを受けられるようになっています。なので、これが我々のコンセプトでもあるのですが、"医療と介護が本当の意味で一体化した施設"を象徴する一つのサービスです。
【岡】その他に"医療と介護の一体化"を体現しているサービスってあるんですか?
【森】はい。この入間藤沢の診療所では診療科目の一つに整形外科を設置する予定です。これは、施設に入居するお客様が抱えるベッドなどからの転倒等による骨折リスクに対する対応策になります。従来の施設では転倒等が発生した場合、ご家族に連絡を取って病院へ連れて行って頂くか、我々が病院にお連れしてはじめて、レントゲン等の検査を通じ医師の診察を受けるスキームとなっていました。しかし、ここでは1階に降りるだけですぐにレントゲン撮影と医師の診察が受けられる施設を予定しています。こういった流れが"一体化"を体現していると思います。
徹底的に人事制度・待遇の見直しをかける
【岡】実際に入間藤沢幸楽園で勤務するスタッフさんたちの募集とか採用はどんな状況なんですか?【森】オープン時は順調な滑り出しを図るため、施設長・主任・主要な看護師については運営ノウハウを知っている既存の幸楽園スタッフから構成する予定です。その他の看護師やヘルパーさんたちの募集においては、現在は建築現場の立て看板とインターネットでの求人経由でのお問い合わせとなっていて、今年の7月から開始しています。意外だったのが、看護師さんからのお問い合わせの方が多かったことです。
【岡】へー。それは母体が医療法人社団だからということですか?
【森】それもあるかもしれませんね。一方で面接を通して感じたのは、多くの方が"医療と介護が一体"になった複合施設であるということに興味を持って頂いているようでした。あとは、駅から3分という立地や、スーパーやドラッグストアが隣接して便利だということも魅力だと思ってます。
【岡】なんか結構"求人"って業界全体的に課題だと思うんですが、御社はその辺りの状況どうなんでしょうか。
【森】いつも充足しているわけじゃありませんね(笑)ただ、弊社は色々な所に見直しを掛けておりまして。例えば、夜勤手当が少ないという事実がわかったら、周辺の状況を確認した上で見直しを掛ける。介護福祉士などの資格を頑張って取ってくれた人のために、資格手当をつくる。また、管理職の方々は職責に応じて手当を手厚し、末永く弊社で働いて頂けるよう努めています。
【森】また、勤務時間内できちっと仕事を完了して頂くことにも尽力していて、しっかり仕事をしていても勤務時間内をはみ出てしまうような場合はシステム、環境、人員配置等のどこかに問題があると考えて、すぐに対策を講じます。なので、慢性的に残業が多く発生するようであれば、適正な配置を考慮した上ですぐに人材採用をするように徹底しています。
今後は終末期も含めたワンストップサービスを提供したい。
【岡】最後に、これから白報会の介護はどのように展開していくのでしょうか。【森】いままでも介護・医療に携わってきましたが、今後は終末期のお客様に対してもしっかりとサービス提供を行える施設を展開し、最後の最後まで我々がワンストップでサービスを提供できる体制を作っていきたいと思っています。
施設紹介
入間藤沢後楽園の全体イメージ図。これだけでもサービス付き高齢者向け住宅としてかなり大規模なものだと分かりますね。 現在の外観写真です。青いヴェールに包まれてますが、その巨大さが伝わってきます・・・ こちらは食堂のイメージ図です。遮るものがなく、明るくオープンな空間ですね。 現在の食堂の写真です。イメージと変わりなく良い空間になりそうですね。早くスタッフやおじいちゃんおばあちゃんが生き生きしている光景を見てみたいです。 最後に廊下。幅も十分確保されてるし、この見通しの良さはケアの質を上げてくれそうです。編集者のひと言
「医療と介護の一体化」 言葉ではよく聞く言葉ですが、これが本当の意味で実現できている事業者がどれだけいるでしょうか?医療法人だからできる連携。その連携が実現する地域福祉。福祉施設のリハビリ設備を地元住民が有効的に活用している図が目に浮かびます!完成後、ぜひまたレポートさせていただきたいと思います!!(岡)-
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この記事の寄稿者
岡勇樹(NPO法人Ubdobe代表理事)
介護のほんねニュース初代編集長。1981年 東京生まれ。3歳〜11歳までアメリカ・カリフォルニア州で生活。27歳で高齢者介護と障がい者支援の仕事を始め、29歳で医療福祉・音楽・アートを融合させた「NPO法人Ubdobe」を設立。近年は厚生労働省 介護人材確保地域戦略会議の有識者やNHK出演など多岐に渡る活動を展開中。(http://ubdobe.jp)