高齢化の進んだ日本、被災者も高齢化
近頃、日本の各地で頻繁に起こっている火山噴火や地震。それにくわえて、例年のように日本では集中豪雨や台風被害にみまわれます。こういった大災害はなかなか予測できませんから、日頃からの備えが肝心ですね。
こうした大災害が発生すると、高齢者ほど対処が難しくなります。たとえば平成16年新潟豪雨では死者16人中13人が高齢者。新潟県中越沖地震では14人中11人が高齢者、と、高齢者が被災者となる割合はとても高くなっています。また、せっかく助かってもそのあとの避難所生活は高齢者の方にとってラクではありません。
災害時には、高齢化が進んだ日本ならではの問題点も出てくるようです。
高齢者は災害時に逃げ遅れてしまう
ニュースや防災アナウンスを聞いた高齢者の方が、速やかに避難することができるでしょうか?体の自由がきかない、認知症で自分が何をどうするべきなのかわからない、そんな方だっているはずです。家族や介護スタッフの誘導なしで、自力で避難できる方は限られてくるでしょう。
ですからまず、高齢者の方は「逃げ遅れる」ことによって被災者になる可能性が高まります。
高齢者の「関連死」は多い
東北大震災の後、1か月以内に「関連死」した方の9割以上が高齢者。そのうち半数が「避難所への移動中または避難所生活中の肉体・精神的疲労」が原因と思われるものでした。
出典:http://www.reconstruction.go.jp/
それでなくてもちょっとしたことで体調を崩しがちな高齢者の方。周囲への遠慮もあって、困ったことや体調不良を自分から言い出せないこともあります。また、避難生活の緊張のためか自分自身の健康状態の悪化に気付かない方も多いそうです。
そしてもう一つ心配されるのが、急な環境変化やストレスによる認知症の悪化。今まで認知症状がなかった人でも一時的なせん妄が出てくるケースもあるんだとか。せっかく一度は助かったのに、避難所で状態が悪化したり死亡してしまう高齢者の方もまた、被災者といえます。
自治体、家族、ご近所で高齢者を大災害から守る!
多くの自治体では、高齢者や障害者向け対策として福祉避難所の整備を急いでいます。バリアフリー設備を備え、専門的なケアも行える福祉避難所なら、高齢者の方にかかる負担もずいぶん少なくなりそうですね。
もちろん一番肝心なのはまずは逃げ遅れないこと。逃げ道に物を置かない、背の高い家具の配置に注意するなど、自宅内の安全を確保しておきましょう。非常用持ち出し袋をわかりやすい場所に置いておくのも、逃げ遅れ防止の大切なポイント。このあたりはぜひご家族に協力してもらいたいところです。そしてご近所に高齢者がいる方も、もし余裕があればいざという時にはサポートをしてあげてくださいね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。