「認知症 効く」でググってみると・・・?
超高齢社会を迎え、認知症を予防・改善することは私たちの大きな関心事となっています。テレビや雑誌、インターネットなどあらゆるメディアで認知症に効くものの特集が組まれ、取り上げられた食品などがあっという間に売り切れてしまう・・・そんな経験も一度や二度ではありませんよね。比較的最近取り上げられた認知症に効くと言われているものをいくつかご紹介してみましょう。
認知症に効くと最近言われているもの
アマという植物の種からとれる亜麻仁油(アマニ油)には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。この脂肪酸は代謝によって脳によいとされるDHAになります。ほかにもオメガ3脂肪酸は高血圧・高血糖の抑制、アレルギーの改善、精神疾患の改善、そして視神経の障害までにも効果があると言われているのだそうです。テレビで放送されて以来、お店でもアマニ油の売り切れが続出なのだとか。
こちらは愛知県蒲郡市と愛知学院大、食品メーカーの明治が行った実験結果の紹介です。同市の住民約350人にカカオポリフェノールを多く含むチョコレートを食べてもらい、実験の前後で体重や血圧、糖の代謝などを比較しました。この実験ではチョコレートを食べたあと、脳内神経細胞の成長を助けるタンパク質が増えたそうです。アルツハイマー型認知症などの予防につながるかもしれませんね。
インドに認知症の人が少ないことから、カレーのスパイスに注目した実験も行われました。その結果、カレーのスパイスであるターメリック(ウコン)に含まれるクルクミンという物質がアルツハイマー病を抑制することが分かったそうです。
今回はあくまで試験管とマウスによる実験で、人に対する効果が証明できたわけではありません。それでも今後の認知症予防・治療に使えるのでは、と期待されています。
最近ではスーパーやドラッグストアでも見かけるようになったココナッツオイル。アメリカの医師が出版した本でブームに火がついたようです。食事に加えることで認知症が改善するといわれています。アマニ油と違って熱に強いのでスープや温かい飲み物に混ぜて摂取することができます。和訳を監修した順天堂大学の先生もオススメだそうですよ。
ちがう方向も見て
今までご紹介したほかにも、青魚にアーモンド、クルミにゴマにホウレンソウにオリーブオイル・・・食品だけでも実に多くの「認知症に効く」ものが存在します。認知症を改善したい、予防したいと切実に願う人にとって、一筋の光明とも言えるこの食品たち。ですが、あまりに多くの情報に惑わされてはいないでしょうか?
そんななか、認知症の方を見守る声掛け運動をする山形県寒河江市や認知症の方が安心して地域で買い物ができる仕組み作りを進める愛知県東海市など、認知症とともに安心して暮らしていける社会をめざす地域が増えてきています。昔ながらの近所づきあいのある生活に、医療・福祉・介護サービスを加えたこうした試み。ご本人もご家族も、認知症を隠すことなく安心して暮らしています。
こんなふうに見渡してみると、認知症には「もの」よりも、「人」や「制度」の方がよく効くのかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
ノック
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。