都営三田線の発着駅である「西高島平」駅から徒歩8分、静かで穏やかな住宅街にあるサービス付き高齢者住宅が「アミカの郷成増」です。 今回はアミカの郷成増のホーム長・栗林 亜行(くりばやし あこう)さんと、営業担当・佐藤 開(さとう かい)さんにインタビュー。施設の特徴、魅力について伺いました。
20代、30代の社員が定着するから施設の雰囲気が明るくなる
――先ほど入居者様が楽しそうに職員の方と話している姿を拝見しました。すごく明るい雰囲気を感じたのですが、こういった会話は日常的にあるのでしょうか。
はい、コミュニケーションは頻繁に取っていますね。
アミカの名前の由来は「あかるく みじかな、かいご」となります。明るく元気に入居者様に寄り添ってくれるスタッフを育成しています。その中で若いスタッフが集まり、ホーム生活を彩ってくれております。
少し前まで高校生の子もアルバイトで働いていましたし、社員も30代が多いんです。
運営法人であるALSOK介護には「ともよび制度」というものがあって、友だちを誘う文化が根づいています。最初は30代のスタッフが「ママ友」を紹介してくれたんですよ。そうしたら紹介された方がまた別のママ友を誘って……といった具合で入社してもらっているんですね(笑)。だから、スタッフ同士がとても仲が良いんです。
――なるほど。だから施設内の雰囲気が明るいんですね。
はい、そうです。施設の職員が元気だと入居者の方も声をかけやすいと思います。例えばスタッフの一人が休みの日に入居者様から「今日、〇〇さん見ないけど、どうしたの?」とお声がけいただくこともあるんですよ(笑)。
――こうした言葉をいただけるくらいコミュニケーションを取っているということですね。まず一般的に離職率が高い業界なのに、若手のスタッフが定着しているのがすごいなぁ、と。
「仲が良い」というポイントは大きいと思いますね。悩みが出てきてもスタッフ同士で相談しているんだと思います。またALSOK介護では、社員のスキルアップのために入社後に研修を設けたり、資格取得の補助をしたりしているんです。それで「自分の介護技術に自信がつく」という点もあると思っています。
――なるほど。
また定着してくれると、入居者様にとってもメリットがあります。担当のスタッフがころころ変わってしまうと、入居者の方も困惑するでしょうし、なかなか信頼関係を築くのが難しいんですよね。ご家族の方も不安になると思います。
入居者様が気軽にコミュニケーションを取ってくれるのも、社員が定着しているからでしょうね。
――そうですよね。またチームワークの良さも感じます。
スタッフ間の連携には特に力を入れていますね。昼勤と夜勤のスタッフが入れ替わるタイミングで、入居者様の情報を伝達する「申し送り」はもちろん欠かさずにしています。それ以外に「ミニカンファ」という時間を毎日設けているのも、アミカの郷成増の特徴の一つです。
――「ミニカンファ」ですか。
はい。どのスタッフも同じレベルでケアができるように、その日に出勤している全スタッフが集まって、入居者様の情報を交換する時間です。その日に起きたことをすべて共有するんですね。
例えば「〇〇さん、昼食のときに咳が出ていたけど、夕食は介護食にするべき?」とか「おトイレに失敗してしまって、少し精神的にショックを受けているかもしれない」といった相談や情報を逐一共有しています。
――そうすることで、出勤している全スタッフが各入居者様の状況を把握できるんですね。
そうです。これによって、どのスタッフも適したケアができるようになるのがメリットです。逆にいうと、入居者様のことを全員が分かっていないとコミュニケーションエラーが起きます。すると、入居者様はもちろん、ご家族の方の信頼を失ってしまうことになりかねません。
こうした毎日の細かい情報伝達をしているからこそ、入居者様に信頼していただき、お声がけいただけるようになるんです。
過去の入居者様の生活データを用いた「論理的な介護」
――その他に入居者様の生活をサポートするためにしていることを教えてください。
全居室に「眠りSCAN(販売元:パラマウントベッド株式会社)」を導入しているのは大きな特徴だと思っています。
――「眠りSCAN」とはどのような装置ですか?
厚さ約2cmほどのマット状の装置になります。マットレスの下に敷くことで、入居者様がベッド上で横になっている間のお身体の状態を記録できるんです。
――どのようなデータを取得できるのでしょうか。
眠っている間の体動(寝返りや呼吸数、心拍など)を計測できます。また「睡眠状態にあるかどうか」を判断できます。横になっている時間も、もちろん計測可能です。こうした数値情報をデータとして記録しておけるのが、大きなメリットだと思いますね。
――こうしたデータを生かすと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まずは「転倒のリスク」を軽減できます。例えば「深夜の4時ごろにベッドから立ち上がっている」と確認したとします。その場合、自力でトイレに行こうとしている可能性があります。すると夜勤の職員がお部屋まで向かって、移動介助できるんですね。これによって転倒を未然に防げるわけです。
また、この装置によって職員の見回り回数も大幅に減りました。前は深夜帯に全室をくまなく回る必要がありましたが、眠りSCANを導入したことで「睡眠中の方のお部屋」を見回る必要がなくなったんですよ。これによって、入居者様を起こしてしまうリスクが軽減されましたね。
――なるほど。入居者様とスタッフの両方にとってメリットがある装置なんですね。具体的に、眠りSCANによって生活が改善した例はありますか?
入居直後はきちんとした生活リズムだったのですが、だんだんと昼夜逆転してしまった方がいらっしゃいました。夜間に眠りSCANが作動しないので「どうしたのかな」と見回りにいくと、車いすに座っていらっしゃったんですね。
そこでまずは「眠れないかもしれないけど、とりあえず横になってみましょう」と声をかけて、夜間帯の状況を眠りSCANで観察していました。最初はどうしてもすぐに立ち上がって、車いすに移動してしまうんです。
そのたびにスタッフがお声がけして、なんとか時間感覚を戻していただくためにサポートをし続けました。また眠りSCANに溜まったデータを参考にしながら「落ち着いて眠っていただくためにどうすべきか」をスタッフで相談しました。
そのかいあって、今ではちゃんと昼に起きて、夜に眠るという生活に戻れています。
――「データを元にケアをする」というのが論理的で安心感がありますね。
そうですよね。やはりこれも若いスタッフが多いから、という部分もあると思います。経験はもちろん大事ですが、実際の入居者様のデータのほうが信頼感がありますからね。
今は定期的にナースコールを鳴らしてしまう入居者様がいらっしゃるのですが「1時間に何回鳴ったか」「何時に回数が増えるのか」といったデータを取得しています。これによって傾向がわかると、対策が打てると思うんです。
介護記録や日誌なども「ブルーオーシャンノート(販売元:株式会社ブルーオーシャンシステム)」というツールを使って、すべて電子化しています。過去の介護記録についてもスタッフ全員が気軽に確認できるので、それでケアの方向性を柔軟に変えるようにしているんです。
こうした電子機器の導入がしやすいのも、若い社員が多いからだと思いますね。飲み込みが早いんですよ(笑)。
毎日のレクリエーションとALSOK体操で身体を動かす習慣をつくる
――イベントやレクリエーションはおこなっていますか?
はい。イベントは季節ごとに開催しています。レクリエーションは毎日していますね。社員がメニューを考えて実施してくれています。「輪投げ」「塗り絵」「書道」「マニキュア」など、ほぼ毎日違うメニューを実践しているのが特徴ですね。
なかでも「ヨガ」は私(ホーム長)が講師となって、みなさんで一緒にします。ALSOK介護が催している「ヨガ講習」を受けているんですよ。
――それは盛り上がりそうですね。
そうですね。また、それとは別に「ALSOK体操」を毎日しています。月に1回はインストラクターの先生に来ていただいて、みんなで身体を動かす習慣があります
――参加者数はどれくらいなんですか?
半数くらいですね。自立度の高い方は「まだ必要ないから」と参加されない方もいらっしゃったり(笑)。運動はしていただきたいですが、確かにまだ身体的にそこまで必要ない方に無理におすすめすることはありません。あくまで「ストレスなく暮らしていただくこと」を優先していますね。
――なるほど。明るい雰囲気のホームで定期的に身体を動かしながら生活すると、元気で暮らせそうだと感じました。では最後に、介護施設を探されている方に向けてメッセージをお願いします。
アミカの郷成増では、一部医療行為が必要な方を除いて、どんな方でもお受け入れするスタンスをとっています。他の施設で断られてしまった方につきましても、お気軽にお問い合わせください。
また入居対応の際にもサポートをさせていただきます。例えば車がない場合は営業担当が送り迎えできますし、引っ越し作業も無料で手伝います。お客様のご希望を実現できればと思いますので、何でもご相談ください。
この記事の寄稿者
緒方
介護のほんね編集部。認知症サポーターです。
介護を始めたての方に向けて、老人ホームや認知症に関する知っておきたい情報を、誰もが分かる簡単な言葉でご紹介します。