「会社には言えない」。ごく普通の会社員が仕事をしながら介護
以前より共働き家庭が増えた日本では、家庭を奥さんに任せてご主人は仕事に没頭というわけにはいきません。子育てや家事はもちろん、介護も夫婦で協力というスタイルが増えつつあるようです。それと同時に浮上してきたのが「隠れ介護」と言うキーワード。何故彼らは隠すのか、そしてこれが社会に与える影響はどんなものなのか、「隠れ介護」の実態を探っていきましょう。
出典:http://www.nikkei.com/
社員6万人の大企業が行った調査で「隠れ介護」の実態が浮き彫りに!
調査の結果、4人に1人が「働きながら介護をしたことがある」そして8人に1人が「現在も介護中」。社員の多くが身内に介護者を抱えているなんて、会社にとっても寝耳に水だったようです。それもそのはず、会社に介護について相談しているのはそのうちたった1割なのです。よっぽど親しくなければ「あまり身内の事を知られたくない」という心理は誰にでも働くものですよね。それに加えて介護の場合は、認知症や排せつ介助に対して理解のない人から差別的な目で見られる恐怖心もあります。「知られたくない」より積極的に「隠したい」気持ちに駆られた彼らが貫くのが隠れ介護スタイル。また、会社員ならではの「出世に響くかも・・・」という気持ちもないわけではありません。
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隠れ介護世代は40~50代の現役世代!
隠れ介護にあたる半数以上が管理職クラスというデータもあります。自分が辞めて穴を開けるわけにはいきませんし、再就職も難しい年齢。そこで彼らは休みを返上して週末介護、有給で病院の付添い、と隠れ介護を続けているのです。その生活に限界が来れば「介護離職」し、時間の融通のきくアルバイトに転向したり貯金を切り崩していく事になりますが、どちらにせよ金銭的には厳しい状況が訪れます。また、これまで第一線で働いてくれていたエースが消えた会社も大変です。あらかじめ相談を受けていればしっかり引継ぎを行ってスムーズに業務を移行させる、という事もできますがこれも不可能。大企業ならともかく、社員数の少ない中小企業では人員を確保するのさえ難しいかもしれません。
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「会社に言えない」推定隠れ介護者は全国で1300万人!
今、国では介護休業制度や介護休暇などの仕事と介護を両立しやすい制度が整備されつつありますね。それと同時に「突然社員がいなくなってしまうかも知れない」事に気づいた企業でも、独自の制度を設ける所が増えてきました。隠れ介護社員と共倒れしないために、隠れ介護社員をなくす。そのためにも、企業自身が「有給を取るように(こちらも日本は少し取りにくいですが)気軽に介護休暇が取れる」環境を率先して作っていく必要がありそうです。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。