【表で比較】介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違い・費用相場とは

有料老人ホームは大きく「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」に分かれます。役割やサービスの内容などで両者を比較します。

【表で比較】介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違い・費用相場とは
平栗 潤一

この記事の監修

平栗 潤一

一般社団法人 日本介護協会 理事長

大手介護専門学校にて教職員として12年勤務し、約2000名の人材育成に関わる。その後、その経験を活かし、認知症グループホームや訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅などの介護事業や、就労継続支援B型事業所や相談支援事業所などの障がい福祉事業を運営。また一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して活動中。

有料老人ホームのほとんどが介護付きと住宅型

有料老人ホームには「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があります。しかし健康型有料老人ホームは、全国に16件(2015年現在)とほとんど存在しません。

よって介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの2つが主です。

参考:厚生労働省「有料老人ホームの概況(平成25年度)

介護付き有料老人ホームとは

介護付き有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームに比べて要介護度が重い方が多く入居しています。施設内で介護サービスの提供があり、月額費用に含まれています。

介護付き有料老人ホームには、介護専用型、自立型、混合型の3種類があります。介護専用型は要介護1以上の人が入居できる施設です。自立型は主に自立から要支援の方が多く入居していますが施設数が少ないです。混合型は自立から要介護5まで幅広い方を受け付けています。

すべて特定施設入居者生活介護の指定を受けている

介護付き有料老人ホームはすべて「特定施設入居者生活介護」の指定を受けています。

そのため施設内で介護サービスの提供があり、入居者は要介護状態の方が多いです。また24時間、介護職員が常駐しているのも特徴の1つになります。

特定施設入居者生活介護に関しては以下の記事を参考にしてください。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、自立から要介護の方まで幅広く受け入れています。介護付き有料老人ホームに比べると、要介護度の低い方が多いです。そのためレクリエーションやサークル活動が盛んなところも多いです。カラオケやアトリエ、麻雀卓、プールなどの設備がある施設もあります。

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いとは

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いを表で比較します。

目的・役割の違い

介護付き有料老人ホームと住宅型有料の目的・役割の違いです。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 介護職員が日常生活のサポートをおこないつつ、24時間365日体制で介護サービスを提供する
  • 自立~要介護まで幅広い高齢者に生活支援サービスを提供する(介護サービスは含まれない)

入居条件の違い

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの入居条件について紹介します。入居時の年齢については一般的に65歳以上です。65歳以下で入居できるホームもあります。

なお、医療依存度によって、受け入れができないホームもあるので、事前にパンフレットなどで情報収集することをおすすめします。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 65歳以上の高齢者
  • 混合型の場合は、自立~要介護の方(医療的なケアは施設によって異なる)
  • 介護専用型は、要介護1以上の介護認定を受けている方
  • 65歳以上の高齢者
  • 条件は施設によってさまざま

サービスの違い

先述したように介護付き有料老人ホームは特定施設入居者生活介護に認定されており、施設内で介護サービスを提供しています。いっぽうで住宅型有料老人ホームは施設外の事業者の介護サービスを利用します。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 食事介助、入浴介助、排泄介助、更衣の手伝いといった介護サービス
  • 食事の提供、掃除、洗濯、行政手続き、来客の受付、買い物代行といった生活支援
  • 体温・脈拍の測定、服薬管理、健康診断などの健康管理
  • リハビリといった身体機能、認知機能維持の支援
  • イベントやレクリエーションの開催
  • 食事の提供、洗濯、掃除、見守り、生活相談といった生活支援
  • レクリエーションやイベントの開催
  • 食事介助、入浴介助などの介護サービスは外部の事業者に依頼する
  • その他、健康管理、リハビリなどは施設によって違う

人員配置の違い

介護付き有料老人ホームは法令によって、運営に必要な人員配置が細かく決まっています。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 施設長は1人
  • 生活相談員は1人以上。要介護者などの入居者100人に対して1人配置する
  • 計画作成担当者は1人以上。要介護者などの入居者100人に対して1人配置する
  • 介護・看護職員は要介護者3人に対して1人以上。要支援者10人に対して1人以上
  • 看護職員は入居者30人までは1人以上。以降、入居者が50人増えるごとに1人追加
  • 機能訓練指導員は1人以上
  • 施設長は1人
  • その他、人員の配置に関する基準が定められていません。必要数の職員がいれば問題ないとされていますので、施設によってまちまちです。
出典:厚生労働省「特定施設入居者生活介護の概要」/茨城県「有料老人ホーム設置に関する主な基準及び手続き

生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれます。入居者とその家族との相談、調整、手続きなどをする方です。

計画作成担当者は入居者の様子、要望などをヒアリングしたうえで、ケアプランを作成する方です。

機能訓練指導員とは入居者の身体の具合を把握したうえで、適切なリハビリプランを立ててリハビリを推進する役目です。

費用相場の違い

どちらの施設も、初期費用が0円から数千万円かかるものまで幅があり、また月額費用も施設によって異なります。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 初期費用 0~数千万円
  • 月額費用 10万~30万円
  • 一定額支払う代わりに月に何回でも介護サービスを受けられる
  • 基準より多い介護職員を配置しているときは「上乗せ介護費」がかかる
  • 初期費用 0~数千万円
  • 月額費用 12万~30万円
  • 介護サービス費は利用する都度かかる

注目したいのは介護サービス費です。介護付き有料老人ホームは、毎月一定の額を支払う代わりに、介護サービスが何回でも受けられます。いっぽう住宅型有料老人ホームは、利用した分だけ介護サービス費を支払う仕組みです。介護サービスの利用回数が少ない方は費用が抑えられます。

介護サービスを頻繁に利用する人は「介護付き」、月に数回しか使わない方は「住宅型」がマッチしているでしょう。

それぞれの費用相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

介護保険を使った際の自己負担額

介護付き有料老人ホームの場合、介護保険サービスは利用した頻度や内容にかかわらず定額で受けられます。1割負担の場合、要支援1の5,460円~要介護5の2万4,210円(1単位10円で計算した場合)まで幅があります。

いっぽう、住宅型有料老人ホームは利用した分だけ介護保険サービスの費用がかかります。1割負担の場合、要支援1の5,032円~要支援5の3万6,217円(1単位10円で計算した場合)までであれば介護保険を適用できます。ただし、限度額を超えた分の介護保険サービス費については自己負担です。

※1単位=10円で計算 参考:社保審-介護給付費分科会「2019年度介護報酬改定について 第168回(H31.2.13)

イベント・レクの違い

老人ホーム・介護施設では主に運動機能、認知機能の維持を目的としてイベントやレクリエーションが開催されます。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
  • 要介護者が多く、施設によっては参加者が集まらないため、レクリエーションの回数は少ない
  • 開催される場合はリハビリを目的にとしたレクリエーション・イベントが多い
  • 自立~要支援の方もいるのでレクリエーションやイベント、サークル活動が比較的盛んにおこなわれる

それぞれのメリット・デメリット

最後に、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットをご紹介します。どちらの面も把握することで、より本人にあった施設探しにつながるでしょう。

介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
メリット
  • どの施設も24時間介護職員がいる
  • 一定額を支払うことで、月に何回でも介護サービスを使える
  • 医療連携がとれており緊急時も安心できる
  • 看取り対応している施設が多い
  • 自分に必要な分の介護サービスだけ利用できる
  • 介護保険適用の福祉用具をレンタルできる
  • 自立している人が多く、生活の自由度が高い
  • レクリエーションやリハビリが充実している
デメリット
  • 毎月一定額の介護サービス費を支払う必要があるため、あまり使わない人は損
  • 介護保険適用の福祉用具はレンタルできない
  • 生活リズムが固定されているところが多い
  • 介護サービスを利用しすぎると月額費用が高くなる
  • 介護度が重い場合は、住み続けることが難しい
  • 看取りに対応していない施設が多い

どんな方におすすめか

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームは、それぞれどんな希望がある方におすすめなのかを紹介します。特に「どれほど介護が必要なのか」を考えることで、どちらの有料老人ホームに入るべきかを判断しやすいです。

介護付き有料老人ホームはこんな方におすすめ

介護付き有料老人ホームは、要介護度が高く日常的に介護が必要な方におすすめです。施設内で介護サービスを受けられます。また24時間で介護職員が常駐しているので、深夜や早朝に体調が急変した際にも素早く対処できます。

住宅型有料老人ホームはこんな方におすすめ

住宅型有料老人ホームは「まだ要介護度は高くないが、今後に備えて老人ホームを利用したい」という方におすすめです。イベントやレクリエーションを通して趣味を見つけたり友人を作ったりと、シニアライフを豊かに過ごせます。

この記事のまとめ

  • 介護付き有料老人ホームは24時間介護職員が常駐
  • 住宅型有料老人ホームは要介護度が軽い方が多く、イベントやレクが豊富
  • 要介護度をもとに考えると、どちらに入るべきかを判断しやすい

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