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車椅子のレンタルについて、費用など知っておくべきことを教えてください!

自分の親がケガにより車椅子が必要になりました。少し調べたのですが、車椅子は購入するだけではなくレンタルできると知り興味を持っています。あまり出歩く方ではないのでレンタルでも大丈夫かな?とは思っているのですが、どの程度負担することになるのか詳しい話を知りたいです。

A1日であれば安い価格でレンタルすることが可能です。

車椅子はレンタルと購入の2種類の方法で手に入れることができます。レンタルであれば1日から借りることができ、安いものであれば500円程度でレンタルできます。ただし、この費用は介護保険を利用した際の値段となるので注意してください。レンタルする会社によって割引サービスを実施していることもあるので、あらかじめ確認しておくとさらにお得にレンタルできるでしょう。

松本健史
松本健史
合同会社松本リハビリ研究所 所長

車椅子はレンタルと購入の2パターンがある

足が不自由になると自力で歩くことが困難になってしまいます。好きな場所に自分の力で行けないため、生活にハリがないと感じる人もなかにはいます。そんな時に活躍するものが「車椅子」です。

近年では車椅子を利用している人でも無理なく移動できる施設が増えており、足が不自由であっても様々な場所に行くことができ、負担を軽減し暮らしを快適にしてくれるのです。

しかし、車椅子が必要になった際に気になることと言えば、「どうやって手に入れるのか」ではないでしょうか?

レンタルがいいのか、購入がいいのか、どちらにもメリットやデメリットがあるので、それぞれご紹介していきます。車椅子のレンタルにかかる費用に関する情報もご紹介していくので、参考にしてください。

なお、レンタルが落ち着かないので購入したがる方もいます。しかし即座に購入するより、まず借りてみて、良いようなら購入という選択肢をとることがおすすめです。

購入とレンタルの違いとは

車椅子を所持する場合、レンタルと購入の2種類から選ぶことができます。それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきましょう。

購入のメリット

自分の好きに使える

レンタルの場合、自分の所有物ではないので使う際には傷や汚れに注意しなければいけません。少しの段差や狭い道を通る時など、傷をつけてしまわないか心配していては快適に生活することはできません。

しかし、購入した車椅子であれば自分自身のものになるため、傷や汚れを恐れる必要なく使えるでしょう。

自分好みの車椅子を探せる

車椅子といっても、メーカーや色、タイプには違いがあります。使いやすさはもちろんですが、見た目を重視する人もいるでしょう。購入であれば自分が気に入ったものを手に入れることができるので愛着が湧き大事に使えるでしょう。

購入のデメリット

費用がかかる

車椅子を購入するうえで最も大きなデメリットが費用でしょう。自分の体にあったオーダーメイドで作った場合にはさらに費用が発生します。

ただし、障害者の生活の向上や自立支援を目的とする障害者総合支援法にある「補装具費支給制度」を活用すれば原則として1割の自己負担で補助具を購入できます(一定所得以上の場合は支給対象外です)。

補装具費支給制度の対象となる障害は、以下の通りです。

  • 下肢機能障害
  • 体幹機能障害
  • 平衡機能障害
  • 心臓機能障害
  • 呼吸器機能障害

となり、手動式の車椅子を自分で動かすことが難しい人や負担が大きい人は電動車椅子の支給も対象となっています。

レンタルのメリット

返却可能

なかには、介護状態が改善する、もしくは悪くなってしまう人もいます。その場合、使用していた車椅子が不要になるケースもあるでしょう。破棄するにも料金がかかってしまいデメリットに感じるでしょうが、レンタルであれば返却できるので自分で処分する必要がなくなります。必要のない段階ですぐに返却できるので、家のなかで場所をとる心配もないでしょう。

点検や修理が手軽

毎日使うものであれば故障といったトラブルが心配になるでしょう。しかし、レンタルであればメンテナンスやアフターサービスを設けている事業者も多いので安心でしょう。定期的に点検を行っているところや、トラブルがあった際にすぐに対応してくれるところも多いので、レンタル事業者のサービス内容について確認することが大切です。

レンタル費用が安い

車椅子を取得するには費用がかかると心配する人は多いでしょうが、レンタルであれば初期費用を大幅に抑えることができるので、お財布を気にすることなく借りられるでしょう。

レンタルのデメリット

注意を払う必要がある

自分の所有物ではないので使用する際には大切に使わなくてはいけません。ただし、不慮の事故による破損や傷などは保険が適用されるケースもあります。無償で交換できる場合もあるので、あらかじめチェックしておきましょう。利用者が故意に破損してしまった場合や故障させてしまった場合には、費用を負担することが多いので注意してください。

利用規約がある

レンタルしている事業者それぞれに、利用規約がある場合は多いです。それを守らない場合はトラブルに発展する可能性もあるので、利用規約はしっかりと確認しましょう。

すぐにレンタルできない場合も

レンタルをしている事業者でも車椅子の数には限りがあります。そのため、レンタルしたくても借りられない場合もあるでしょう。希望している車椅子がないケースもあるので、レンタルをしたい日時が決まった際には早めに申し込みを行いましょう。

車椅子のレンタルはどこでできる?

車椅子をレンタルしたい場合、まずはケアマネジャーに相談することからスタートしていきましょう。そのほかにも、医師や看護師、理学療法士などにも相談し、アドバイスをもらいながら自分に合った車椅子をレンタルしてください。

レンタルして返却をするまでの流れ

レンタルして返却をするまでの流れ

車椅子のレンタルにかかる流れをご紹介していきます。

1.ケアマネジャーに相談

車椅子のレンタルができるか、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。

2.福祉用具貸与事業者を選ぶ

ケアマネジャーがケアプランを作成しレンタルする事業者を選定してくれます。

3.用具の選定

福祉相談員が自宅まで訪れて最適な用具を選んでくれます。

4.用具の確認

実際に事業者が用具を納品して適合するか確認します。この時に使いやすさや乗り心地などを確認しましょう。

5.用具の決定

実際に試して問題が無ければ決定となり、契約を結びます。契約前にしっかりと契約内容やレンタル料金について確認しましょう。

6.レンタル開始

指定された日時に車椅子が自宅まで届けられます。取り扱う際の注意点についてはしっかりと確認し、大切に使っていきましょう。

7.メンテナンス

福祉用具専門相談員によるメンテナンスやアフターサービスが実施されます。不具合があればすぐに相談し、交換が必要な場合は早めに連絡しましょう。

注意点としては、毎日使うものでもあるので福祉用具専門相談員からのアドバイスをしっかりと聞くことが大切です。要介護者は要介護度が上がることもあります。体型の変化によって今まで使いやすかった車椅子が、「使いにくい……」と感じることもあるでしょう。そのため、同じ車椅子を使い続けることは少ないのです。少しでも違和感があれば、すぐに相談をして自身に最適な車椅子を使えるよう選び直しをしましょう。

車椅子のレンタル費は?

車椅子をレンタルするにあたり、最も気になることと言えばレンタルにかかる費用ではないでしょうか?「高くないのか?」「安く抑えたい……」など不安になることが多いはずです。そこで、車椅子のレンタルにかかる費用について詳しくご紹介していきましょう。

介護保険は使える?

車椅子のレンタルは、介護保険制度を活用してレンタルすることが可能です。介護保険が適用となれば、自己負担額が1割となります。ただし、所得によって負担の割合に差異があるので、あらかじめチェックしておきましょう。

レンタル料金の一例
レンタル費用
(10割負担)
1万円
レンタル費用
(1割負担)
1,000円

レンタルの費用については、事業者によって違いがありますが10割負担(全額負担)と比較すると大きな違いがあることが分かるでしょう。費用を抑えてレンタルしたい場合は介護保険制度が適用になるか確認してください。ただし、介護度によっては対象外となるので注意してください。対象者に関しては以下の通りです。

  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

となり、自走用の標準型車椅子と普通型電動車椅子のほか、介助用標準型車椅子のレンタルに限ります。要支援1と要支援2、要介護1の場合は、車椅子のレンタルは対象外となるので注意してください。ただし、医師の判断などによっては介護保険制度を活用してレンタルできる可能性もあります。例えば、

  • 時間帯によって病気の状態が変動しやすい
  • 病気が急速に悪化し、近いうちに用具が必要になる
  • 病気の症状が重篤化することを回避するため

といった事項であれば、適応となるケースもあるのでケアマネジャーに相談してみましょう。

無料でもできる?

「さらにお得にレンタルしたい。」「無料で借りることはできないの……?」となかには考えている人もいるでしょう。無料ではレンタルできないと諦めている人もいるでしょうが、期間に定めがある場合もありますが、無料でも車椅子をレンタルすることは可能となっています。無料で借りられる施設は以下から確認してください。

社会福祉協議会

社会福祉活動の推進を目的としている民間組織の社会福祉協議会は、都道府県や市町村で暮らす人たちが安心して過ごせるよう「福祉のまちづくり」を行っています。そのため、その自治体に住んでいる人であれば無料で貸し出しを行っている場合も多いのです。

貸出期間や条件は、それぞれの自治体にある社会福祉協議会によって違いがあるでしょう。申請方法も窓口に直接足を運ぶほか、電話で申し込みができるところもあります。車椅子の種類にも違いがあるので、無料でレンタルしたい際にはあらかじめホームページで確認するか、電話で問い合わせを行ってみましょう。

ショッピングセンター

買い物を楽しめるショッピングセンターにも車椅子が設置してあります。買い物で訪れた際に見かけたことがある人も多いでしょう。ショッピングカートや子供用のカートと一緒に車椅子が設置してある施設や、カウンターなどで貸出を行っている場合もあります。買い物をする時だけ利用したい場合には活用すると便利でしょう。

テーマパーク

近年では、テーマパークでも車椅子のレンタルを行っています。無料でレンタルできる施設もあれば、1日〇〇円など、費用がかかる場合もあります。観光の場合、車椅子を持参していると移動の際に邪魔になってしまうこともありますが、テーマパークで借りることができるのであれば活用することで、より手軽に観光を楽しめるのではないでしょうか?

空港や駅

観光では空港や駅を利用することも多いでしょう。自家用車だけではなく、電車や新幹線、バスを利用することで観光がまた違った味わいになるのです。しかし、駅や空港によっては複雑で移動距離が長い場合もあるでしょう。お土産を購入するにしても、広い施設の中を移動することは足が不自由であれば大変です。

しかし、主要駅や空港では無料で貸し出しを行っている場合も多いので、借りることで負担を減らすことができます。観光の際には事前にレンタルできる場所をチェックしておきましょう。

車椅子は1日単位でレンタルできる?

車椅子をレンタルしたい場合、最低でもその程度の期間からレンタルできるのか疑問に感じている人もいるでしょう。上記でご紹介したように、ショッピングセンターやテーマパークでは、もちろん1日単位でレンタルすることが可能です。

そして、介護用品をレンタルしている施設でも希望に合わせて1日単位からレンタル可能な施設は多くあるので、1日や2日しか必要ない場合も問題なく借りることができるでしょう。もし、レンタルを希望している場合は期間を伝え短期間でも大丈夫なのかあらかじめ確認しておきましょう。

まずはケアマネジャーに相談して対象かを確認する

車椅子があることで介護者の負担は軽減します。介護される者としても、「車椅子を利用して様々な施設に遊びに行きたい」、「買い物に出かけたい」など、様々な希望があるでしょう。理由は関係なく介護保険を活用しての車椅子はレンタル可能です。ただし、介護度によってはレンタルできない場合もあります。

自分がレンタル対象なのか知るためにも、まずはケアマネジャーに相談することからスタートしていきましょう。そして、レンタルにするのか、購入にするのかもしっかりと考えることが大切です。メリットやデメリット、そして料金についてもふまえて、自身に合った方法で車椅子を取得しましょう。

松本健史

この記事の監修

松本健史

合同会社松本リハビリ研究所 所長

理学療法士。佛教大学大学院社会福祉学修士課程修了。専門は生活期リハビリテーション。病院・デイサービス勤務後2014年合同会社松本リハビリ研究所設立。全国の老人ホーム、デイサービス、介護施設でリハビリ介護のアドバイザー、生活リハビリセミナー講師、雑誌・書籍の執筆など活動中『転倒予防のすべてがわかる本 』(講談社)など著書多数。
YouTubeチャンネル「がんばらないリハビリ介護」/オンラインサロン「松リハLAB

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