特別養護老人ホーム高瀬荘の口コミ・評判　はたけ（男性/60代）

段差を作らないことにまず気が付いた。手すりもきちんと取り付けてあった。廊下は広くとってあり、歩行時の振幅の大きな高齢者、あるいは車いすによる同時多人数の移動にも対応していた。居室のドアは引き戸で、高齢者にも扱いやすくできていた。祖父の居室は南面の４人部屋で、窓際の日当たりのよい位置を与えられていた。

花見に連れて行ってもらった。祖父はとても喜んでいたという。入所当時は所内の誕生会などの行事を子供じみているといって嫌っていたが、認知症の症状が進行するにつれ、楽しみにするようになった。

月額１０万円台中盤の出費だったという。年金収入で十分まかなえる金額である。年金の入る口座の管理を施設に頼んでおり、家族側としては大変助かった。本やお菓子などに手許金をよく使っていたようだ。

周りの入居者の話では、食事の味付けが薄いとのこと。ただ、関西出身の祖父にはちょうどよかったようだ。在所後半には自分で食べるのが難しくなったが、施設の方が根気強く食事を手伝ってくれたことには感謝している。最後の時期には流動食対応もしてくれた。

施設の方の対応はおおらかかつ明るく、ぎすぎすした感じを受けなかった。祖父もこうした接し方をしてくれる施設の方々に心を開いているようであった。家族の来訪をやや強めに奨励しているのが今でも印象に残っている。祖父の長男である私の父は遠隔地からの通いが辛く、かなり参っていた。

施設は安曇病院に隣接しており、重病に陥った場合の連携体制は万全であった。祖父の場合も最後は肺炎で高熱を出したが、適切な時期に病院へ移送となり、そこでターミナルケアを受けた。

車で訪問するのがよさそうである。電車やバスでは行きにくい。電車は１－２時間に１本、バスは日中２往復程度だったと記憶している。信濃松川駅、あるいは祖父宅からタクシーを使わざるを得ず、かなりの出費だった。施設のロケーション自体は悪くない。病院に隣接しているほか、西側には北アルプスを望む好位置。

入所を希望するも、すぐには入れなかった。風邪をこじらせたときに大町総合病院に搬送されたが、独居であることと要介護度３という状況から退院後は特養に入る必要があった。高瀬荘を希望したが空きがなく、大町の病院に隣接する虹の家にひとまず入った。ただ、軽い病気でも病院に送られてしまうことを祖父はいやがり、高瀬荘への希望を出し続けた。念願かなったときの祖父の満足そうな表情を今も思い出す。