特別養護老人ホーム寿楽園の口コミ・評判　hapa（女性/40代）

古い特養なので、見た目の美しさや便利な設備などはない。良いところは、廊下に椅子があったり、おやつの時間があるので、一日中寝かせっぱなしではないようだった。おやつの内容もよかったと思う。不満だったのは、最初は箪笥を置いてくれていたが、要介護４で自分では何もできない状態だったせいか途中で撤去された。服は全部小さなベッド上の箪笥に押し込まれ整理が行き届いておらず、なくなったものもあった。また、季節による毛布や布団の入れ替えが遅くて、頼んでも何週かそのままにされたので、寒くないように自宅から毛布や上掛けをもっていったりした。

行事は季節ごとの、どこの施設も行っているようなものだと思う。（七夕、盆踊り、お茶会など）誕生月には、外出してお花見などがあったよう。不満なのは、外出できるのは介護度がそれほど高くない人のみで、ほぼ寝たきりのご老人は何も恩恵がない。お誕生日会やプレゼントはありがたいが、無理やりお化粧をしたようで、怒った顔をした家族が映った写真をベッド横に飾ってあった。

特別養護老人ホームは本人の所得に応じて費用が決められるているし、おむつ代もこみ、多床室なので、年金8万弱で月6万程であった。しかも施設に払う介護保険料は、月額の最高費用がきまっており、あわせて高額介護医療合算制度で年に数万円返還された。入院した場合は、部屋代のようなものだけ請求されるので、病院に支払う費用と合わせても、それほど一か月の支出はかわらない。こういったことはとてもありがたいことだった。以前いた有料老人ホームは、おむつ代、洗濯代は別、介護保険料の払い戻しといった制度は全く適用されず、月々の支払い額は介護度が上がるにつれ高騰し、12→17万円にまで膨れ上がった。しかも、入院時は部屋代3万円、光熱費基本料、食事管理代2万、その他管理代1万円など、入院代と合わせてかなり高額な支払が必要な月もあった。5年以上お世話になったが、費用を負担しきれなくなり、特養に移った。

認知症が進んでいたので、食欲にむらがあり、病気の時以外はなんとか栄養がとれるだけの食事量しか食べていなかったようだ。何度か食事を確認したり、献立をチェックしてみたが、決して安い特養とは思えない、十分バラエティあるおいしそうなものだった。こちらの施設の良いと思ったところは、おやつ。くだものとお菓子、プリンなどが交互に日替わりで提供されるようで、とても内容がよくてびっくりした時もあった。あくまで、本人が自分で食べることができれば喜びはあると思うが、寝たきりの家族の場合、介護士が忙しいときは数日前のおやつがそのままベッド横に置きっぱなしだったり、ほかの入居者がかってにとっていくなどしたときもあった。ただ、ほかの特養に見学にいったところでは、おやつはお昼に小さなものがつきます、それ以外は家族から差し入れがあった人だけ食堂に集めて提供します、とおやつの提供がないところもあったので、寝たきりの時間が多くなったり、他の入居者とのおやつの差などきになったので、ここは良いほうだと思う。

一番印象に残っているのは、とにかく介護士の入れ替わりが激しい様子だった。いったい誰が家族の担当なのかもわからない、ほかの介護士に「預けてある毛布をだしてほしい」などお願い事を伝えても、すぐ伝わって実行されることはまれであった。寮母さんはとてもしっかりした知識のある方のようだった。全体的に広いので、介護士はいろいろ動き回って大変そうだと思った。

介護士は入れ替わりが激しい印象を受けた。看護師も厳しめな感じで、あまり愛想はよくなかった。よく額にあざがあったが、ベッドの手すりに頭をぶつけるから、と言われ、家から柔らかい手すりカバーなどをもっていったが、何も対処はされなかった。ベッドのシーツが汚れっぱなしの状態が何週間も続いた事もあり、きちんとシーツが交換されているか疑ったこともある。ノロに感染させられたこともあった。どこの特養の施設も同じだとは思うが、入居者が多いので手厚い看護や介護は期待できず、具合がわるくなればすぐ病院に入院させられた。提携病院はかなり田舎の精神病院なので、ベッドがあくまで都合よく入退院の日取りを決められるようだった。

かなり田舎なので、利用できる公共交通機関はほぼないと思う。車かタクシーが一般的だと思う。まわりは静かな山の中で、畑があり住宅がちらほら、人もまばら。我が家から車で数分だったのが、入居を決めた主な理由。徘徊しないように気を付けていたと思うが、もし施設を抜け出したとしたら、捜索に時間がかかるかもしれない。ただ特養なので、開放的なつくりではないし、歩けない人も多いので無用な心配かもしれない。

おやつは施設から提供されるので、持ち込んでも家族で食べさせるのみ、預かってもらえない。田舎なので、特養であってもわりと空きがあり、ショート入居まで１か月、入所までさらに1か月程度だった。昔ながらの多少室で、古いのでご家族の好みはあると思う。ただ個人部屋が良いかというと、我が家の場合（要介護4→5）はそうでもなく、詰所近くの多床室でよかった思う。以前いた有料老人ホームは扉でしめきった個室であったが、見回りが十分でなく、ベッドから落ちていたり、抜け出してお風呂にいたり、目薬を飲んでしまったり危険なこともあった。また、他の入居者がかってに違う部屋に入って怒られたりしているのを見たこともあるので、介護度が高く、多動性がある人は多床室で介護士や人がよく通る場所に入れてもらうのも安心かもしれない。介護度や、プライバシーを気にするか、人懐っこさや外交性など、本人の性格に合わせて部屋の形態を決めるのも良いと思う。