グループホーム川柳の口コミ・評判　笹ずきん（女性/70代）

何しろ新設から半年ほど過ぎたところでしたから、とてもきれいで広々として明るさがあって良いと思いました。2階の廊下の突き当たりに広いガラス窓がしつらえてあり、玄関まで家族を見送ることの出来ない入居者もここから1階の出口に向かってまっすぐに伸びたエプロンを歩く家族を見送ることが出来ました。いつまでもいつまで手を振っていた母の姿がいまでもくっきりと思い出されます。居室を出てすぐのところに食事をする楕円形の大きなテーブルがあって、みんなで食事を摂るようでした。母などはまだまだ食事を作ることが出来て、「味噌汁係」として腕前を発揮したようです。トイレも、お風呂も3年の間ほとんど自力で行っていましたので、家族としては記憶にありません。 　写真帳を持ち込んだり、本を読んだり、快適に、自由に過ごさせて貰いました。

バスに乗って遠足のような遠出があったようですし、菜園があってその植え付けや収穫なども出来る人にはやらせる計画だったようです。街に買い物に行くとか外出の計画もいろいろとあったようですが、個体差があって全員でぞろぞろ・・・というのは数えるほどしかなかったはず。それでもそうした時のスナップ写真を個室のドアに貼りだしてあって、こんなことをしたんだ、と訪問した際に判りようになっているのはよいことと思いました。 　室内で行った演芸会のようなものを見学したことがありました。入居している認知症の進んだ夫のために懸命に踊ってみせる訪問者の姿が忘れられません。

事前に言われた費用通りだったと思います。ただ、なくなって整理にいった時にロッカーからおびただしい紙おむつが出てきたのにはびっくりしました。何枚も使っていないのにまた次の紙おむつに手をつけるという形で尋ねては見ませんでしたが、こんな無駄遣いをどうしてするのかと思いました。 　今思うのですが、おむつが必要、となると毎月機械的にパッケージを配布、母は使わずに頑張ってトイレを使っていたのに毎月の経費に計上されていたのでしょう。大勢を扱うとはいえ、過程ならこんな無駄は絶対にしません。些細な金額でも痛みのない人のこしらえる出費が全国でどれだけのものになるか、人手が足りないこの業界にきめ細やかに、とお願いするのは無理な相談でしょうか。

一緒に食事をしたことはありませんでしたが、母が食事内容に文句を言うことはありませんでした。台所を覗かせて貰った時もきちんとしていて、満足な食事内容を伺わせるものでした。 　ただ、母が大切にしていた塗り箸が殺菌で醜くはがれているのを見て、若い職員の「未知の分野」かと諦めさせたことでした。「これはこの施設でははがれちゃうから使わないで」と予め言ってもらえれば、辛い思いをしなくて済んだのに、と思いました。

新設ですし、立派な施設にしようという気概が横溢していたと思います。馴染んでのびのびと・・・という印象とは異なりますが、萎縮せずに過ごせていたと思います。2階には9人の入居者がいましたが、家にいるより頻繁に声かけをしてもらって会話も多かったようです。 　ホーム長はベテラン、と見えました。

歯科診療はよく連れて行って貰っていたようですし、最後の救命救急では施設長がずっと付き添って下さり、家族に様子を十分説明して引き継いで下さいました。

最寄り駅から3キロあるので車族でない私には結構な距離でした。ただ判りやすい道だったのでひたすら母のことを考えながら向かったり、様子を振り返りながら駅に急いだ時間は、いまとなっては貴重なひとときだったように思います。

新設で空きがあったので、こちらの決断申し込みで即入居することが出来ましたので、本当に良かったと思っています。 　出入りも記帳だけで自由にさせてもらえましたし、入居者も普通に暮らすことを見守っていていただけたように思います。