特別養護老人ホーム　きしろ莊の口コミ・評判　ぴーなっつ（女性/30代）

建物自体はかなり古いのですが、共同スペース（食堂、廊下、階段）は掃除専門の職員がいて綺麗に保たれています。しかし、居室は掃除専門の職員が1年ほど前に辞めてからは、必ずしも常に綺麗に保たれているとは言えない状態です。共用の洗面台は3つしかないので、入居者が自由に使えることはなく、お待たせして、順番に使っていただくしかありません。お風呂も古いので綺麗には見えませんが、入浴後に職員がきれいに掃除しているので清潔と思います。居室、共同トイレ、風呂にはカーテンが設置されているため、裸を見られることがないという意味ではプライバシーはある程度守られていると言えますが、特養ということもあり、急変等も意識する必要があり、居室で自由に過ごせるとか、他人の目を気にしなくて良いという意味では、プライバシー空間が保たれているとは言えない状態です。

日々の生活に刺激や彩を与えるため、月に１、２度は大きな行事が計画されています。お花見や外食、地域のお祭りなど、外に出る行事もありますし、おやつバイキングや屋上ビアガーデンなど、施設内でご家族の方にも声をおかけして実施する行事もあります。とくに外出する行事では元気な方に限られますが、たとえばお花見では普段離床が難しい方をリクライニングの車いすに乗せて桜を見に行ったり、バイキングでは居室にご本人の好物をお持ちすることもあります。大きな行事以外にも、月に何度かカラオケや動物訪問、カットがあったり、毎週土曜日には喫茶と称してお茶とお菓子が出されることもあります。

管理栄養士がしっかりと献立を立てているので、栄養のバランスや彩等はよかったと思います。昼と夜の主食で、主に魚と肉が交互に被らないように出てくるのもよかったです。メニューは決まっているのですが、品目も多いので、好きなものはしっかり食べて、苦手なものは残すなど、個人の好みに合わせて選ぶことができたり、朝の米とパンはあらかじめ利用者の好きな方が提供されるかたちになっていました。とろみやきざみなど、個人の残存能力に合わせて提供されます。 介助については、職員によりけりなところはありました。時間がかかってもご本人のペースで食べていただけるような援助をしている職員もいれば、早く着床したいために機械的に介助する職員もいました。

その日の職員体制、メンバーにもよりますが、ご家族の方が来られている時にはスタッフの表情、受け答えもきちんとしていると思います。スタッフはこの職場が長い方が多いですが、毎年新卒で新人が入ってきます。何でも話しやすい雰囲気もありますが、経歴の長いある一人の職員の支配下のような雰囲気もあり、その人にはなかなか逆らいにくく、新しい試みなどはしにくいのが現状です。 入居者の要介護度はほとんどが4、5、よくて3と、身辺自立度は低く、認知症も長い方がほとんどな上に、利用者に対するスタッフの数が少ないため、どうしても丁寧なかかわりというのは少なく、単調にはなってしまっています。しかし、チームで現場に入っている時には、スタッフが利用者や後輩スタッフに対して声を荒げたりすることはなく、和やかな雰囲気が保たれていると思います。

夜勤人数は、1フロア約20人の入居者につき、1人、2フロア合わせて2人で、厳しい体制だったと思います。看護師は日勤帯も1人〜3人で医療介入は大変でしたが、夜勤帯は不在です。急変時にすぐ連絡ができるよう、日によって緊急連絡に対応する担当看護師が決められており、何かあれば駆けつけるという体制になっていました。体温や血圧などは適切な時間帯に職員が確認しており、異常があればすぐに看護師に連絡し、見てもらうようにしていました。居室巡回の度に、アザや傷、びらん等が確認されれば、その都度他のスタッフに報告し、いつ、なぜできたのと考えられるかを検討したり、看護師にすぐ報告してみてもらっていました。入居に関しては、ターミナルケアまで行うので、胃瘻、点滴、褥瘡、認知症、何でも対応しています。

アクセスはとても不便です。駅からバスに乗り換え、バスで終点まで行き、それから急な坂道を歩いて10分ほど登る必要があります。車があればいいですが、入居者はかなり高齢で、お子さんも高齢な方が多いので、お見舞いはとても大変と思います。また、山の上の方なので、冬に雪が積もることもあり、道が凍結していて車でも上まで登れないことがたまにあります。静かで緑も多く、落ち着くことはできますが、周囲には本当に何もなくてちょっとしたお散歩などはできません。