特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホーム(特養)は主に社会福祉法人が運営する公的介護施設です。入居の申込みができるのは原則、要介護3以上の方です。民間の施設と比べ費用が抑えられることから人気が高く、申し込んでも入居まで数年待ちというケースも珍しくありません。

特別養護老人ホーム(特養)とは?
遠藤 木実

この記事の監修

遠藤 木実

介護のほんね 入居相談員

介護のほんね 入居相談グループ マネージャー。「介護のほんねの入居相談グループでは、老人ホームをお探しの方から年間2万件近くご相談を承っています。条件に合った施設の提案から見学予約の代行まで、入居相談員が老人ホーム探しをお手伝いします。お困りのことがあれば、お電話やWeb、LINEでお問い合わせください」

主に要介護3以上の高齢者向けの公的介護施設

特別養護老人ホーム(略称:特養)は、主に社会福祉法人によって運営される公的介護施設で、入居の申し込みをするには原則要介護3以上の認定が必要です。また、特別養護老人ホームには入居定員が30人以上の広域型と29人以下の地域密着型があり、地域密着型には同じ自治体の住民票が必要です。

特別養護老人ホームの種類

広域型 地域密着型
定員
  • 30人以上
  • 29人以下
入居条件
  • 要介護3〜5
  • 居住地は問われない
  • 要介護3〜5
  • 同じ市区町村に住んでいる
施設数
  • 約8,300*(特養全体の約8割)
  • 約2,400*(特養全体の約2割)
*厚生労働省「令和2年 介護サービス施設・事業所調査の概況」より

有料老人ホームなどの民間施設と比べ費用を安く抑えられることから人気が高く、入居待ちの方が多数います。入居の申し込みをしても、先着順ではなく入居の必要性が高い方を優先的に入居させる仕組みになっているため、いつ入居できるか予測するのは困難です。とくに都市部では入居まで数年待ちというケースも珍しくありません

特別養護老人ホームのメリット・デメリット

特別養護老人ホームのメリットは、費用を抑えられること介護が常時受けられることです。加えて、原則として終身にわたり入居できることから、多くの施設が看取りに対応しています

一方でデメリットは、入居条件が要介護3以上であること入居までに時間がかかることです。地域によって異なりますが、申し込みから入居までに数年かかるケースもあります。

メリット デメリット
  • 月額費用が安い
  • 24時間介護が受けられる
  • 原則として終身利用が可能
  • 月々の利用料金に医療費控除の対象がある
  • 初期費用がかからない
  • 多床室の施設が多い
  • 入居までに時間がかかる
  • 入居には要介護3以上の認定が必要
  • 提供されるサービスに大きな差がない

特別養護老人ホームのサービス提供体制

サービス 主に食事や入浴、排せつなどの介助食事の提供機能訓練健康管理レクリエーションといったサービスが提供される。また、原則として終身にわたり入居できるため看取りに対応している。
スタッフ 入居者3人に対して職員1人が配置される。介護職員は24時間常駐、看護職員は日中常駐。
設備 居室の広さは1人当たり10.65㎡以上。居室は多床室従来型個室ユニット型個室ユニット型個室的多床室の4タイプがある。

サービス

特別養護老人ホームでは、食事や入浴、排せつなどの介助食事の提供機能訓練健康管理といったサービスを提供しています。そのほか、入居者のためにレクリエーションを実施しています。約7割以上の施設が看取りに対応しています。

スタッフ

特別養護老人ホームでは、入居者3人に対して職員1人以上を配置することになっています。介護職員は24時間常駐、看護職員は日中常駐しています。また、医師は入居者の健康管理および療養上の指導をおこなうために必要な数を配置するように定められています。

ほかにも、リハビリテーションを実施する機能訓練指導員(PT:理学療法士、OT:作業療法士、ST:言語聴覚士など)、ケアプランを立案するケアマネジャー、栄養管理を担う管理栄養士や栄養士が配置されています。

設備基準

特別養護老人ホームの居室タイプは、従来型ユニット型の2つに大別できます。

居室タイプ 居住環境
従来型多床室 4人部屋
従来型個室 個室
ユニット型個室的多床室 個室的多床室 + 共同のリビングスペース
ユニット型個室 個室 + 共同のリビングスペース

従来型には居室を2〜4人で利用する従来型多床室と、1人で利用する従来型個室があります。多床室はプライバシーが保てないこと、個室についても入居者同士の交流が少ないことが認知症予防の観点などから問題視されていました。

そこで2002年から制度化されたのがユニット型です。ユニット型はユニットごとに居室以外の共同のリビングスペースを設けることで、ほかの入居者と交流しながら、より家庭的な雰囲気の中で生活できます。

なお、いずれの居室タイプも広さは1人あたり10.65㎡以上と義務付けられています。また、共用設備として食堂兼機能訓練室浴室トイレなどがあります。

特別養護老人ホームにかかる費用

支払い方式 初期費用 月額費用
月払い方式 0円 5~15万円

初期費用

特別養護老人ホームは入居一時金や敷金といった初期費用はかかりません。そのため、月額費用の支払いのみになります。

月額費用

特別養護老人ホームの月額費用の相場は5~15万円です。月額費用には居住費、食費、介護保険サービス費(施設介護サービス)が含まれます。居住費は居室タイプによって異なるほか、サービスの提供内容や施設の体制に応じて、費用が加算される場合もあります。おむつ代や洗濯代はかかりませんが、日用品費や理美容代、医療費、病院までの交通費などは自己負担となります。

また、月額費用には医療費控除の対象となるものがあります。居住費と食費、介護保険サービス費(施設介護サービス)として支払った自己負担額のうち、2分の1に相当する金額が対象です。

特別養護老人ホームの入居条件

入居者 原則65歳以上の要介護3~5の方。地域密着型の場合は施設のある市区町村の住民票が必要。
同居者 本人、配偶者ともに要介護3以上であれば同居可能。ただし、同室への入居は難しい。
保証人 原則必要。保証人がいない場合は、成年後見制度や保証会社を利用する。
退去となるケース 常時医療行為が必要になった場合、持病の悪化などによる入院が3カ月以上経過した場合、迷惑行為がある場合。

入居者

特別養護老人ホームに入居できるのは、原則として65歳以上の要介護3~5の方です。ただし、認知症や知的・精神障がいにより在宅での生活が難しいと判断された場合は、要介護1~2であっても特例的に入居できます。また、地域密着型特別養護老人ホームの場合は、入居を希望する施設のある市区町村の住民票が必要です。

同居者

入居者の配偶者が入居条件を満たしていれば同居が可能です。ただし、特別養護老人ホームは公的施設のため、認知症の有無や家族の事情などを個別に判断し、入居の必要性の高い方から優先的に入居させています。そのため、配偶者であっても同時に入居の判断をされることはありません

保証人

特別養護老人ホームに入居する際には、保証人(身元引受人や連帯保証人)が必要です。保証人は入居者の子どもや親族が引き受けることが一般的ですが、頼れる人が身近にいない場合は保証会社を利用することもできます。また、認知症や精神障がいのある方は成年後見人制度を利用できます。

退去となるケース

特別養護老人ホームは原則として終身利用が可能です。ただし、夜間に看護職員がいない施設もあるため、常時医療行為が必要になると退去を求められる場合があります。また、3カ月以上入院している場合や、認知症の進行によりほかの入居者に対して暴言や暴力などの迷惑行為がある場合にも退去の可能性があります。

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