老人保健施設はくれいの口コミ・評判　サブレ（女性/50代）

老齢ではなく、不慮の交通事故で母親が障害を負い、たまたま介護を受ける年齢に達していたため、通常の障害者のように社会復帰を目指す施設は選べず、介護老人保健施設しか選択肢がありませんでした。施設は数件見学しましたが、はくれいを選んだ最大のポイントが日当たりです。施設によっては病院のようだったり、日中でも薄暗かったりする所があったりで、もし私だったら気持ちが滅入ってしまいそうな感じでした。はくれいは中庭があるため居室スペースに必ず自然光が入ります。また中庭を中心に廊下がぐるりと囲んである形なので、車椅子でも歩行でも知らず知らず結構な距離をリハビリ出来ました。設備が古いのでウォッシュレットでなかったり（2010年当時）、大部屋（4人ほど）と今風の施設の快適さには欠けていましたが、スペースが広めにとってあり、見た所圧迫感は感じられませんでした。テーブルや椅子に関しては結構不揃いだったりキズが多かったりはしました。建物は全体的に古くても清潔で全てフラットでバリアフリーです。

入所していた5ヶ月足らずの間に中庭に柿を干して干し柿を作ったり、春に車で農業園芸センターに花見に行く行事がありました。花見の際は希望者は家族も付き添って参加出来たのが良かったです。3月にはひな人形を飾っていました。母本人はまだ回復途中でしたので、行事を楽しむゆとりはあまりなく、行事について話す事がほとんどないので、私が把握していたのはそんな所です。

見学に行った施設の中では一番費用が安かったです。母が入所中の月額利用料は2010年当時105,000円行かなかったので、国民年金の母でも負担を感じずに済みました。支払いは直接事務所へ支払って領収書を貰っていました。私はほぼ毎日通っていたので、その方法で構いませんでしたが、振込など他の支払い方法があったのかも知れません。

母は咀嚼に関しては問題がなかったですし、好き嫌いがない何でもよく食べる人なので特に不満はありませんでした。味付けなども特に濃いとか薄いとか言ってませんでした。食事は施設内で調理されて出されていたのでそれも良かったです。食事時に訪ねて行った時の見た感じや匂いは美味しそうでした。食事の介助が必要な入所者にはスタッフがついて食べさせていました。介助が必要な人が結構多く、少し人手が足りなく感じました。

相談員の方や介護士さん作業療法士さんはソフトな人が多く、母の回復状況に応じてよく対応して下さったと思います。母は趣味でソフトテニスをしていてその関係の友人たちがよく訪ねて来ていましたが、あまり施設っぽさを感じず、気兼ねなくおしゃべり出来る雰囲気の所でした。唯一気になったのは、外出や通院の際の移動の際男性スタッフの運転が荒かった印象があります。相談員の方の付き添いで小型車での移動の時は気にならなかったので車両の特徴や運転歴も関係あるかとは思います。

利用時は母はシャントが入っていましたが、特に医療が必要な状態ではありませんでした。定期的に施設の専属医の診察はありましたし、母の希望で眼科へ２度ほど通院した時には病院へ送迎して貰えました。他の入所者の方達を見る限り、母のように回復に向かっているというよりは、全体的にお世話されている方の様子はよくケアされていると感じました。

住宅地や町から外れた田園地帯で、バスの本数も多くないので自家用車がないと、行きにくい場所ではあります。近くに温水プールとテニスコートを備えた施設がありわかりやすい場所で、決して辺鄙ではなく、療養するには程良いとも言えます。近隣には商店もないので、訪ねたついでに用事を足したりは出来ません。

はくれいを含め３件老人保健施設の入所申込みをしており、ここは第二希望でした。母は交通事故で病院から自宅へ帰れるほど生活能力が回復していなかったので、入所が決まるまで中規模の病院で療養しながら待機していました。いちばん早く返事を貰ったはくれいに１ヶ月半ほど待ってから入所出来ました。空きがあって検討が早かった第三希望の施設からはシャントが入っている事を理由に断られました。第一希望の施設は自宅から最も近く新しくスタッフも多い所でしたが、返事が来たのは３ヶ月後だった事を考えるとベストな選択だったと思います。相談員の方が家庭を持っていらっしゃる女性の方だったのも話しやすくて良かったです。