地域密着型認知症共同生活介護事業所　ふれあの口コミ・評判　雪の子（男性/80代）

元が病院だったらしく、介護施設を目的として建てられた建物でないので、広告でよく見る介護施設と比べると見劣りする。しかし床はバリアフリーの絨毯敷きとなっており、機能的な問題は全くない。掃除も行き届いている。集会スペースはどの個室からもアクセスしやすい中心部に位置している。同じ場所に調理施設があるのでスタッフの目が届きやすく、元気な入居者が調理や配膳を手伝ったりする姿をよく見かける。

誕生会、花見、食事会など毎週のようにイベントが開催されている。そのイベントも食事メニュー、施設外医師による巡回診察などと併せて事前に毎月家族に郵送されてくる。

私は直接の保護者でなく、兄弟が担当しているので正確な費用は把握していない。しかし本人の年金で足りていると聞いているので、安心している。

毎日のメニューは月単位で家族に郵送されており、食事時間に同席して実際のメニューも目にしているが、まったく問題を感じていない。入居者の状況に合わせて量を調整したり、細かく刻んだり、牛乳で延ばして流動性を高めたり、食の細い人にはスタッフが隣に座ってスプーンを手に30分以上にこやかに話かけるなど実に細かく気を使っているのがわかる。

ホームの雰囲気は実に明るい。入居者に直接退治している人ばかりでなく、他の用で通りかかったスタッフも入居者に大きな声で明るく声を掛けている。入居者がゲームをやっている時にいらだつ時もあるが、すかさずスタッフの誰かが声を掛け、話題を変えたり、軽く叱ったりと、雰囲気が悪化する前に対処している。そのタイミングが絶妙で、スタッフはどのような訓練を受けているのだろうかと舌を巻くことがある。

入居者が殆ど自分では動けなくなってもベッドに放置したりはしない。毎日パジャマから日常着に着替えをさせ、可能な限り車椅子で集会スペースに連れ出す。医師は定期的に巡回診察に回ってくる。入院治療が必要なケースは別として、まったく動けなくなっても退所させることなく、最後まで面倒を見てくれている。

駅から徒歩5～10分、見舞いに訪問するものにとってはこの上ない立地条件である。大きな通りに面しているが、交通量は多くなく、車での訪問にも問題はなく、交通騒音も殆どない。

入居者個人個人の生活記録ファイルが入り口近くに置いてあり訪問者は誰でも目を通すことができる。食事、入浴、排泄、医師の記録、訪問者、体温、血圧、投薬などは午前、午後、夜間と分けて実に細かく記録されている。記録は毎日複数のスタッフによって行われている。最も目を引くのは「前日と同じ」、「いつもと変わらず」と言った言葉が全くないこと。全員について毎日毎日、まるで今日初めてつけたような鮮度の高い記録がつけられているのに舌を巻く。