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ショートステイのロングってどのようなサービスですか?料金や利用方法など

現在、義理の母親を在宅で介護しているのですが、遠方にある私の実家へ1カ月ほど帰らなければいけない事情ができてしまいました。そこで、ショートステイのロングを利用しようかと考えています。しかし、ショートステイのロングがどのようなサービスかイマイチよくわかっていません。料金や利用方法について教えてください。

A短期で施設に寝泊まりする「ショートステイ」を延長して利用するものです。

ショートステイは、基本的に数日から1週間程度の利用が目安ですが、事情によっては宿泊が長期にわたるケースもあります。ショートステイのロングは自己負担になりますが長期的に利用できるサービスです。在宅での介護が難しければ、利用を検討してみても良いでしょう。担当のケアマネジャーに相談すると、どうするのが良いか一緒に考えてくれます。

岡田慎一郎
岡田慎一郎
理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

介護保険を利用したサービスにはさまざまな種類があります。それぞれの状況に応じて必要すべきサービスが異なるため、具体的にどのようなサービスなのか知っておくことも重要なポイントになります。

今回紹介するのは、ショートステイのロングというシステムについてです。家族がショートステイの利用を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもショートステイとは

ショートステイは短期入所生活介護と呼ばれており、要介護認定を受けた人が数日~1週間程度の短期間、施設に入所できるサービスです。介護保険サービスを使った連続利用日数は最長で30日までで、31日目以降は基本的に自己負担になります。

ショートステイには、併設型と単独型の2種類があります。併設型は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに併設されているタイプです。単独型は、高齢者向け施設に併設されているのではなく、ショートステイ専門の宿泊施設になっています。

ショートステイでは、食事や入浴、排せつ介助、洗濯といった日常生活のサポートをおこなっています。レクリエーションを楽しんだり、リハビリを受けたりできる施設もあるため、どのようなサービスを提供している施設なのか、事前に確認するのがおすすめです。

つまり、ショートステイのロングとは1週間を超えてショートステイのサービスを利用することです。ショートステイのロングを利用する前に、ショートステイの料金と入居用件を把握しておきましょう。

ショートステイの料金・利用条件

料金

ショートステイの料金は、介護保険の自己負担分と各種加算額や滞在費、食費、送迎費などです。滞在費や食費は施設によって大きく差があるため、利用予定の施設にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

また料金は、所得に応じて4段階に分かれています。第1段階~第3段階までの人は、申請すると滞在費や食費を減額してもらえる仕組みです。

年齢

ショートステイを利用できるのは、原則65歳以上の人です。ただし、介護保険2号被保険者として認定されている特定疾病がある人は40歳~64歳であっても利用できます。

介護度

ショートステイを利用できるのは、要支援1・2、要介護1~5のいずれかに認定されている人です。要介護認定で自立と判断された人は利用できません。

その他の条件

認知症の人は基本的に受け入れています。また収入の審査もないため、上記の条件を満たしていれば、利用できる可能性が高いでしょう。

ショートステイのロングとは

ショートステイのロングは、ショートステイを長期的に利用することです。

本来ショートステイは一時的に利用するための施設です。在宅介護をおこなう人が、冠婚葬祭による遠征、仕事での出張、またはリフレッシュのために介護者を施設に預けるのが主な用途となります。そのため、特別養護老人ホームや有料老人ホームに入居するような形で生活の拠点として利用することは認められていません。

ショートステイのロングの料金・利用条件

ショートステイのロングを利用した場合の料金は、基本的に30日を超えると全額自己負担となります。なぜなら長期的にショートステイを利用した場合は減算されるという仕組みが平成30年度の介護保険法改定によって導入されたからです。介護認定機関の半数を超えた利用や30日以上連続の利用をした場合は、全額自己負担になることに同意したうえで、利用しなければいけません。

また介護保険サービスは、支給限度基準額という限度額が介護度に応じて決められています。つまり、同じ月に他の介護保険サービスを利用しながら長期的にショートステイを利用した場合は、支給限度基準額を超えてしまう可能性が高まります。そうなってしまうと自己負担が大きくなってしまうのです。

もしも支給限度基準額を超えてしまいそうになったら、区分変更を視野に入れましょう。区分変更をすることで自己負担額を減らせる可能性が高まります。

ショートステイのロングを利用する場合、ケアプランが必要になります。ショートステイ自体が介護保険サービスに含まれるからです。ケアマネジャーにケアプランを作成してもらってからでないと利用できないので注意が必要になります。

また、ショートステイを利用するためには理由書の提出も必要です。ショートステイのロングを使用しなければいけない理由が記された書類をケアマネジャーが自治体に提出します。全てケアマネジャーがおこなってくれるので、家族は特に書類の作成などをする必要ありません。

ショートステイのロングの期間は

ショートステイのロングを利用できるのは最大で30日間と紹介しました。注意したいのが、日数の数え方です。最大日数を利用した翌日に別の施設でショートステイを使うことはできません。施設を移ったとしても「同じサービスを継続利用している」と見なされるからです。

日数がリセットされるのは「別のサービスを利用する」「1日だけでも自宅に戻る日がある」といった場合になります。例えば上限までショートステイを利用した次の日に1日だけ自宅に戻り、その翌日から再びショートステイを利用することは可能です。

ショートステイのロングに必要な持ち物とは

初めてショートステイのロングを利用する際、何を用意すればいいか分からない方も多いと思います。こちらでは一般的な持ち物を一覧で紹介します。 施設によってはすでに用意してある物もあるため、検討する利用先に聞いてみましょう。

保険証関連
  • 介護保険証
  • 介護保険負担割合証
  • 介護保険負担限度額認定証(持っている方のみ)
  • 健康保険証(75歳未満の方)
  • 後期高齢者医療被保険者証(75歳以上の方)
生活用品
  • 衣類(普段着の上下、下着、パジャマなど)
  • 歯磨き用品(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、入れ歯洗浄剤など)
  • 上履き(スリッパは移動しづらいため、かかとがあるものが望ましい)
  • ティッシュ(必要な分)
  • タオル・バスタオル
  • 飲食用のコップ
医療関連
  • かかりつけ医の診察券
  • 内服薬
  • 処方せん・お薬手帳
必要に応じて
  • 電動ひげそり(男性)
  • くし
  • 車いす用のクッション
  • ブランケット
  • ポータブルテレビ・ラジオ・本など

ショートステイのロングのメリット・デメリット

ショートステイのロングを使うメリットは、想定していた期間より長く施設に預けられることです。「急用で1カ月、家を空けなければならなくなった」「突如、遠征先に留まる理由ができた」など、在宅介護をするなかで急な予定変更を強いられることもあるでしょう。何らかの事情で長期的に家族を介護できない状況に陥ったが、老人ホームに入居するほどでもない。そういった場合はショートステイのロングが役立ちます。

反対に、デメリットは費用負担が大きくなることです。

予算と負担を加味してショートステイのロングを利用することが重要

ショートステイのロングは、一般的なショートステイと比べると費用がかかってしまいます。状況によっては、ショートステイのロングを利用しなければいけない場面もあるため、予算と負担を加味したうえで利用を検討するようにしましょう。どうしたら良いか分からない場合は、担当のケアマネジャーに相談し、対策を一緒に考えてもらうという方法が良いでしょう。

岡田慎一郎

この記事の監修

岡田慎一郎

理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

身体障害者、高齢者施設に勤務。古武術の身体運用を参考にした「古武術介護」が反響を呼ぶ。近年は介護、医療、リハビリ、消防・救命・育児支援・教育・スポーツなど、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、多岐にわたる活動を国内外で行う。『あらゆる状況に対応できる シンプル身体介助術』(医学書院)など著書、DVD、通信講座など多数。

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