福祉系大学の学生が福祉施設へ就職しなくなった?
世の中には「そんな資格持ってるのに何故ここに?」と思う人もいますよね。例えば人気アーティストが教員資格を持っていたり、アイドルが超高学歴だったり。確かに資格や経歴を生かした仕事をするかしないかはその人次第。
ですが、最近の福祉系大学の学生には特にその傾向が見られるようになってきました。福祉系出身の彼らの多くが、福祉施設に就職していないのです。それも各福祉大学や福祉学部の公表しているデータを見れば一目瞭然。さっそくその進路状況を見ていきましょう。
出典:http://www.shizuoka-eiwa.ac.jp/
「東北福祉大学」の学生は
1282人の卒業のうち、福祉施設に就職したのは224人。社会福祉士資格が取れる『社会福祉学科』の学生ですら、ほぼ半数が一般企業や公務員を選んでいます。
ただし、『保健看護学科』の学生は一般企業への就職は0。看護師や保健師など資格を活かした就職先を選んでいます。これが職業系大学の本来の姿とも言えますね。
出典:http://www.tfu.ac.jp/career/
「法政大学・現代福祉学部」の学生は
この学部の社会福祉士現役合格率は42%。全国平均をはるかに上回るこの数字、彼らが福祉の現場で活躍してくれることに期待したいものです。
ですが、2013年度の進路状況を見る限り福祉施設に就職したのはたった17%に過ぎません。ここでも一般企業が人気のようですが、サービス業、金融保険関、鉄道会社やマスコミ関係など幅広い就職先が選ばれています。
出典:http://www.hosei.ac.jp/
「東京福祉大学」の学生は
文系のみ大学としては10年連続就職率トップ!東京福祉大学の卒業生の就職先は高齢者施設20%、児童施設20%。他の大学に比べて福祉施設を選ぶ傾向は高めですね。それでもやはり20%程度の学生は一般企業や公務員を選んでいます。
出典:http://www.tokyo-fukushi.ac.jp/
福祉施設への就職率が悪いのはナゼ?
高校生の時、福祉の資格は就職に困らないと言われた学生も多いでしょう。そうやって福祉分野に進んだ学生なら、いざ就職となった時により良い条件の一般企業を選ぶのは不思議ではありません。この問題について行われた調査でも、「経済上昇による一般企業における雇用枠の拡大,反対に社会福祉施設職員の処遇の低さ,賃金格差の問題(福祉系大学における学生の職業選択に関する要因の検討)」が原因だと結論付けられたようです。
ですがやりたい仕事なら収入は低くても問題ない、と言う人もいますよね。ただ給料を上げるだけでは「学生の福祉施設離れ」はこのまま止まりそうにありません。
出典:http://www.shizuoka-eiwa.ac.jp/
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。