「富山型デイサービス」に注目集まる
富山生まれのデイサービスのかたち「富山型デイサービス」に、全国各地から注目が集まっています。これは、年齢や障害の有無で施設を分けず、赤ちゃんや子ども、高齢者、障害者が同じ施設で過ごす福祉サービスのこと。富山型デイサービスとは、いったいどんなものなのでしょうか?
まるで自宅にいるような環境が魅力
富山型デイサービスの多くが、民家を改装して作られた施設。もちろん日常生活を送りやすいようバリアフリー化はされているのですが、畳の敷かれた居間や台所など、利用者にとってなじみ深い光景が広がっています。
こぢんまりとした空間なので定員が多いわけではありませんが、スタッフや他の利用者との距離が近く、親しみやすい雰囲気に包まれているのが魅力です。まるで友人の家に遊びに行くような感覚で気軽に立ち寄ることができそうですね。
世代の垣根を超えたふれあいの場
富山型デイサービスを行う多くの施設では、高齢者を対象とした事業のほか、障害者を対象としたデイケア事業、乳幼児の一時預かりが行われています。赤ちゃんから高齢者までさまざまな年代の人が集まる機会は、核家族化が進む現代では貴重なものかもしれません。子どもたちは、高齢者や障害を持つ人とのふれあいに学び、高齢者たちは子どもたちから元気をもらう…そんな環境が整っています。
一部には高齢者のみを対象とした富山型デイサービスもありますが、いずれも小規模で、家庭的な環境が特徴です。
「富山型」は行政のバックアップがあってこそ
かつては、富山型デイサービスのような民間の小規模施設は、国や県の補助対象外でした。高齢者や障害者の区分を分けない施設に対する補助制度もありませんでした。ところが平成5年に富山型デイサービスの前身となる小規模の民間福祉サービスがはじまると、県もこの動きに賛同し、独自の助成制度をつくりバックアップをスタート。
そして10年後となる平成15年、富山県は国から「富山型デイサービス推進特区」の認定を受けました。これにより特区内では、知的障害者や障害児が自立支援給付費を利用してデイサービスを受けられるように。さらにこの取り組みは県内の特区に留まらず、全国展開されるようになりました。
出典:http://www.toyama-kyosei.jp/
富山型デイサービスは日本各地に拡大中
家庭的な環境で、地域の赤ちゃんから高齢者までさまざまな人が過ごすことができる富山型デイサービス。このような取り組みに全国から注目が集まり、滋賀、長野、愛知…と、各地に広がりを見せています。
富山型デイサービスは、行政はもちろん、地域の自治会とも連携し、幅広い年代の人たちが寄り添いあえる場所。地域包括ケアの大切さが問われる今、このような取り組みが地域のこれからを支えていくのかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。