ペットだって高齢化。広がる「老犬ホーム」
医療の進歩の恩恵を受けて高齢化しているのは、人間だけではありません。獣医学の発展やペットフードの充実によって、ペットたちの寿命もじわじわと伸びています。ペットの高齢化にともなって問題視されているのが、ペットたちの介護問題。人間が高齢になるにつれて体が思いどおりにならなくなるように、ペットたちにも食事や排せつの介助が必要になってきます。
そこで近年注目が高まっているのが「老犬ホーム」と呼ばれるペット向けの介護施設です。
老犬ホームは高齢犬たちの受け皿
老犬ホームは、飼い主が何らかの理由で手放さなければならなくなった高齢犬に対する受け皿です。飼い主が亡くなってしまったり、介護のために施設へ入所したりした場合、ペットたちは行き場をなくしてしまうことが少なくありません。そんなとき、動物愛護センターや保健所で新たな飼い主に出会えればいいのですが、老犬となるとなかなか難しいもの。新たな飼い主が現れなければ、ペットたちは殺処分となってしまいます。
「自分にもしものことがあったときに、代わって面倒を見てほしい」。そんな需要から生まれたのが老犬ホームです。また、まだまだ数はさほど多くはないものの、猫を対象とした「老猫ホーム」もあります。
老犬ホームってどんなところ?
老犬ホームは、高齢犬たちが健やかな余生を送るための施設。食事や排せつ、投薬の介助など、それぞれの犬に必要な介助と、日々の健康管理が行われます。
人が入所する介護施設とは違い、施設のスペースやサービス内容に制約がないため、施設によってかなり特色が現れます。都会にあり、面会に訪れやすいことが魅力の施設や、広い敷地でのびのびと暮らせるのが魅力の施設など、さまざまです。
たとえば茨城県つくば市にある「老犬介護ホーム ひまわり」は、犬のテーマパークが経営している施設。広大な敷地に3ヶ所のドッグラン、動物病院とペットにかんする専門学校が併設されているのが魅力です。
老犬ホームに入るには?
老犬ホーム入所の条件は施設によってさまざまですが、概ね10歳以上であることを条件にあげている施設が多いようです。そのほか、大型犬や、病気、障害を持っている犬に対して制限を設けている施設も。入所にかかる費用は施設の立地やサービス内容、犬種によって大きく幅があります。1ヶ月単位や3ヶ月単位で料金を支払うのが基本ですが、多くの施設で終身一括払いの料金システムも採用されています。終身一括払いシステムは百万~数百万ほどまとまったお金が費用としてかかりますが、不測の事態を回避するためにはぜひ活用したいシステムですね。
人もペットも高齢化が進むいま、考えたいのは「飼えなくなった日のこと」。自分にもしものことがあったときのペットの居場所として、老犬ホームという選択肢があることを覚えておくといいかもしれません。
-
関東 [95]
-
北海道・東北 [12]
-
東海 [10]
-
信越・北陸 [3]
-
関西 [21]
-
中国 [1]
-
四国 [1]
-
九州・沖縄 [12]
この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。