全国的にも高齢化率の高い東北エリア
4人に1人が65歳以上の高齢者という日本。中でも青森県、秋田県、岩手県、山形県といった東北エリアの各県では高齢化率が約3割と非常に高くなっています(平成25年内閣府)。今回は、そんな高齢化が進む岩手県の盛岡駅と青森県の目時駅を結ぶ「いわて銀河鉄道株式会社」のチャレンジをご紹介します。
いわて銀河鉄道「IGR地域医療ライン」とは?
いわて銀河鉄道沿線の岩手県北部は、高齢化に加え人口の減少も進んでいます。さらに車社会となり鉄道の利用は右肩下がり。そのため、いわて銀河鉄道では鉄道利用者を増やすため、利用者に合わせた運行ダイヤの設定、パーク・アンド・ライド駐車場の設置、特典つき定期券の発売、沿線の人口増加のための不動産事業への参入なども行っています。その中で、県庁所在地の盛岡に通院する高齢者に「地域の足」を提供できないかと考えたのが「IGR地域医療ライン」の始まりです。
沿線の地域医療だけでは対応できず、盛岡市内の総合病院に通院する高齢者が増加。けれども自宅から盛岡の病院の往復は、高齢者にとって1日がかりの大仕事です。高齢者が安心して盛岡に通院できるサービスを目指して、IGR地域医療ラインの企画がスタートしたのです。
IGR地域医療ライン、どんなサービスがあるの?
このIGR地域医療ライン、企画時にどんなサービスが求められているのかを探るため、乗客へのアンケートを実施しました。そこで見えてきたのは高齢者の「不安感」。そこで、その不安を安心にかえて、多くの高齢者に利用してもらうためにこんなサービスを始めました。
だれもが安心して利用できる公共交通機関に
通院客をターゲットとしたIGR地域医療ライン。鉄道では全国でも初めてのサービスなんだそうです。通院する高齢者にとって優しく、そして鉄道会社にとっても集客のきっかけとなるこの取り組み。似たような状況の地域って、日本全国にあるような気がします。みんなが安心して利用できる本当の意味での公共交通機関が、地域に定着するといいですね。
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この記事の寄稿者
ノック
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。