専門家に囲まれつつ始まった父の介護
みなさん、こんにちは。POLE・STAR株式会社の佐久間理央と申します。
我が家では、私が30歳の時から父の介護が始まりました。私も母も福祉の専門家。介護に関する知識や情報であれば、ほとんど困ることはありませんでした。
そしてありがたいことに、職場や周りも介護や福祉の専門家。細かいことでもすぐに聞けるし、情報も知識も、そして状況さえもわかってくれる環境でした。父の介護に関するケアマネージャーや訪問看護師等も、もちろんとてもありがたい存在で、本当にたくさんの援助をいただきました。本当に感謝ばかりです。
「共感してほしい」という思い
でも時々、どうしても猛烈に愚痴りたいというか、怒りを吐き出したい、むなしいような出口の見えない恐怖にとらわれることがありました。
私自身の仕事や将来のことに関して、誰かに共感してほしくなるのです。できれば似たような年代で、働きながら、支援の中心として介護をしているという状況を共感してほしかったのです。
ただし私と同性代の人たちはまだ介護からは縁遠く、要介護者がいたとしても自身とは遠い関係の人だったりと、同じような境遇の人はいませんでした。
どうしようもないと分かってはいても…
私自身、祖母に介護が必要な時は母の兄弟が5人もいたので、直接に関わることはあまりなく、かなり客観的な状況にいたことがあるので、その気持ちもわかります。だから、愚痴ったところでどうしようもないことぐらい重々承知していました。そして、私のまわりの専門家の方々が本当に気を遣って、的確にアドバイスをしてくれていることもわかっていました。
それでも何か、大事なものを失っているような焦燥感や将来についての見通しがきかない等、焦りにも似た思いに追い込まれてしまい、自分の人生に関することで悩むこともあるのです。
長期化する介護の中で 介護者の心は
介護される側をケアするサービスはたくさんあります。それに比べて、介護する人のサポートは・・・長期化する介護の中で、愚痴を吐き出したい時もあるのです。
<続く>
この寄稿文は全3回の連載です。
この記事は、doppo の内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。