説明できない父の症状
今の状態は病気なのか、介護状態なのか。
父の場合、どう説明をしていいのかわからない症状なので、「それなりにダメージはあるみたい」とか、「病気をした割には元気だけど…」と、あいまいな説明になってしまいました。
避けられない病をフォローする
高齢になってくると、病気とは縁が切れなくなってきます。
病名が付くもの、高齢による機能の低下や機能不全によっておこるもの等様々です。
病名が付かないと何とも説明しにくかったり、病気ととらえていいものかどうか困ってしまうことも多くありました。
また介護と言うと、寝たきりの状態や認知症の症状等、要介護度の高い状態をつい想像しがちですが、日常生活を送る上でできなくなった部分をフォローしていくことでもあるのだと思います。
病気なのか、介護なのか・・・あいまいな境目に悩む
病気と要介護というのは境目がはっきりしなくなってきます。ケガや病気がきっかけとなり、そのまま一気に要介護状態になってしまうことも決して珍しくはありません。
ある症状が表れたとき、医療なのか介護なのか誰にどう相談すればいいのか迷うことにもなるわけです。
例えば、喉に痛みを感じたとします。
そうすると、「これは風邪か? それとも喉のトラブルか?」と考え、風邪だと思えば内科へ、それ以外だと思えば耳鼻咽喉科へ行く、といった判断をすると思います。
でも、もしどちらとも判断がつかないと、何科を受診すればいいかわからない…
高齢になると複合的に様々な病気を抱えていることが多く、総合的な判断をしてもらわなければならなければならない時など、境目がますますわからなくなります。横断的な症状が出たりすると、ますますどこへ行けばいいかわからなくなるのです。
これは、なかなかに厄介なことです。
説明しにくいことと向き合う
老いるということは、何とも説明しにくいことと向き合うことなのかもしれないと改めて考えます。
医療的治療と介護は生活していく中で変化していくため、一言で説明が付けにくい場合も多いからです。
<続く>
この寄稿文は全3回の連載です。
この記事は、doppo の内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。