病気と介護状態の境界線
みなさん、こんにちは。POLE・STAR株式会社の佐久間理央と申します。
親の年齢が上がるにしたがって、その状態が病気からきているのか、老齢による介護に関わることなのかの境目があいまいになる・・・小さなことのようで、これが結構いちいち引っかかりました。
増える介護につまる言葉
「お父様はいかがですか?」
父が倒れてから、よくお声掛けいただいた言葉。
最初の頃は父の状況がはっきりしていたので
「おかげさまで、大分よくなりました。」
「退院して、家で療養しています。」
など返答にも困らなかったのですが、しばらくして介護の側面が増えてくると、なんと言っていいのか困ってしまうことが多々出てきました。
病気という観点で考えると深刻ではあるけれど、とりあえず在宅で過ごしている。入退院を繰り返しながら、次々と病気が増え、手術や入院での対応ではなくなり、とはいえ完治することはない。いうなれば経過観察?温存?というところ。
寝たきりでも元気でもなく 徐々に進行する認知症
そして…とりあえず自宅療養ということであっても寝たきりではなく、元気、というわけでもないのです。
健康寿命という点で考えると、とっくに健康な人ではなくなっていました。亡くなる数年前の父は、家にこもりきりというのも辛いため、週1回趣味である陶芸ができるリハビリに通っているという感じでした。
ただし父自身はそういう認識がなかったようで、家族の心配をよそに、欲しいものがあると出かけて行って、数時間帰ってこないこともしばしば。
検査で撮ったMRIの画像を見ると脳梗塞の後があり、脳に何らかのダメージがあるようなのですが、父の場合、言語や運動機能に障害が残るものではないようでした。けれど、感情の起伏や物忘れなど、認知症の兆しのようなものは少しずつ現れていると見受けられるようになっていました。おそらく何らかの機能にダメージがあったのだとは思うのですが、私たち家族にはよく判らないままでした。
<続く>
この寄稿文は全3回の連載です。
この記事は、doppo の内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。