家族のために必要な休暇、取れていますか?
休暇を取って産後の妻をサポートしたい。介護が必要となった家族に寄り添いたい…。日本では、支えなくてはいけない家族がいる人に対し、一定日数の休暇を取得することができる制度が設けられています。
でも残念ながら、こうした制度を実際に活用できているのはごく一部。「出世に響くのでは」「会社に育休や介護休暇の取得実績がない」といった理由で、休暇取得をためらってしまうケースは少なくありません。苦肉の策として、有給休暇などの休暇をつかい、育児や介護をおこなうことを「隠れ育休」や「隠れ介護」といいます。
隠れ育休を取得している父親は約半数
改正育児介護休業法では、父親にも1年間の育児休業が認められています。ところが、実際に育休を取得している父親は、わずか2.3パーセント(厚生労働省・平成26年度雇用均等基本調査より)。ほとんどのパパが、生後間もない我が子や、産後の妻に寄り添う機会を得られていないのが現状です。
いっぽうで、NPO法人ファザーリング・ジャパンの調査によると、「隠れ育休」を取得した経験があると答えたパパは46パーセント。乳幼児を持つ男性の約半数が、育児や妻のフォローのために休みを取得したことがあるようです。でも、その日数は7割が「3日以内」。8週間の育児休暇と比較すると、あまりにも少ない日数ですよね。政府は、父親の育休取得率を「2020年に13パーセント」までアップすることを目標としています。仕事と家庭の両立ができる管理職「イクボス」養成をするなど、父親ももっと育児に参加できるような社会意識の広がりに期待したいところですね。
隠れ介護の行く末に待つものは…
育児と同じく、介護にも法律で休暇が定められています。要介護状態の家族1人に対し、年5日の介護休暇を取得できますし、長期に及ぶ場合は一定期間仕事を休むことも可能です。そうはいっても、こうした休暇制度を利用せず、介護をしていることを隠す人は、実はとても多いのだそうです。その数は、推定1300万人にものぼるといわれています。
しかし、病院に付き添う日にだけこっそり休みをとるなど、その場しのぎの対応では、いずれ限界がやってきてしまうでしょう。その行く末に待ち受けているのは、介護離職です。高齢化が進むいま、要介護となる人の数は急速に増加しています。大切な人材が離職してしまわないよう、企業は労働環境を整えるのが急務です。
隠れ育休・隠れ介護防止のために周りができること
近年、男性の育休や介護休暇が取得しやすくなるよう法を整える動きがありました。でも、育児や介護を隠し、活用されないのであれば意味がありません。いつか当事者になったときのために、介護や育児を隠さなくて済むよう、まずは休暇制度を周知することからはじめてみるのがいいですね。
休みは何日間あるのか、期間はどのぐらいになるのか…など、制度をみんなで学び、育休や介護休暇を申請しやすくなる環境をつくりましょう。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。