電車やバスで日頃よく目にする「優先席」
電車やバスに設けられている優先席。体の不自由な方、高齢者、けがをしている方、妊婦、子連れの方などが優先的に利用する席として設けられています。座席や床の色、ステッカーなどでほかの座席と区別されています。
全席優先席にしてみたらどうなる?
時折、優先席の前に高齢者や妊婦さんが立っているにも関わらず、それに気が付かずに眠ってしまっているような人も見かけます。そもそも、優先席であってもなくてもこうした人々には当たり前に席を譲ることが大切。
そこで、2003年、横浜市営地下鉄は車両の座席すべてを優先席とする「全席優先席」を導入しました。どこに座っていても、優先席対象者がいれば席を譲り、車内では携帯電話の電源をオフにする。これらが当たり前に行われる車内の雰囲気づくりをねらった取り組みでした。
しかし、趣旨に賛同して席を譲るようになった方がいる反面、なかなか席を譲ってもらえなくなった妊婦さんや高齢者の声も多く聞かれるようになったそう。そのため、横浜市営地下鉄は全席優先席は継続したまま、新たに「最優先席」を設けました。やはり通常の座席とは別に優先席を設けることは必要であるといえそうです。
今後はパートナーゾーンも広まるかも!?
また、優先席とは別に、ベビーカーや車椅子を使っている人も車内で不自由のないスペースを確保してほしいもの。そこで登場したのが、車いすスペースを拡大した席そのものがない「パートナーゾーン」。西武鉄道株式会社は来年度からこのパートナーゾーンのある通勤車両の導入を始めます。車いすやベビーカー、大荷物を持った状態で電車に乗らなければならないとなった時、気兼ねなく乗車できるスペースが確保されているのはとても心強いことといえるでしょう。パートナーゾーンのある通勤車両の導入は西武鉄道初の取り組み。今後の動きを見守っていきたいですね。
出典:http://www.seibu-group.co.jp/
進む高齢化、私たちにできることは?
今や日本人の4人に1人は65歳以上の高齢者。その割合は今後も高くなることを考えると、優先席が車両の一角だけでは足りないようにも思えます。優先席に座っていてもいなくても、「譲ったほうがいいかな?」と思う人には積極的に声をかけて、すべての人が電車を利用しやすいような環境をつくっていきたいですね。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。