親の介護をきっかけに兄弟の縁が切れることも
親が元気なうちは何の滞りもなく回っていた兄弟の歯車。それが親の介護をきっかけに軋みはじめ、やがて修復不可能なほど壊れてしまうこともあります。
いずれ長男夫婦が面倒を見てくれるだろうという両親の期待があったとしても、実際はほかの兄弟が介護を担うことになるのはよくある話。話し合いが余計に関係の悪化を招き、金銭的な協力も得られないまま絶縁状態になることだってあるのです。
「誰が介護するのか」兄弟が揉める原因
昔であれば長男が家を相続し、親の介護もするという暗黙の了解がありました。女性にしても長男のもとに嫁ぐということは、舅・姑が老いた先の面倒をみるということでもあったのです。ですが、近年では核家族化が進み、「家」という概念が薄れています。長男も次男も三男も、いわば平等。いざ介護が必要になったときに、誰が老いた両親の面倒をみるのか決まっていないのです。「なんで俺が?」「なんで私が?」、誰が親の介護をするのかが決まっていないことが、兄弟間のトラブルのもとになるようです。
「お金」も兄弟が揉める原因のひとつ
「誰が介護するのか」という問題に加えて、「お金」の問題もトラブルの原因になっています。「つきっきりで親の介護をしたのに、介護しなかった兄弟と遺産は同じなのは納得できない」「介護もせず、お金も出さなかった姉が親の死後、わずかな遺産の分配だけは請求してくる」このように「誰が介護するのか」という問題に加えて、「お金」の問題も絡んだトラブル、実は少なくないのだとか。
超高齢社会を迎え、これから増えると思われるこの問題。どうすれば避けることができるのでしょうか。
泥沼の争いを避けるには?
週間朝日(2014年5月2日号)では、兄弟間の介護トラブルを避けるためのアドバイスが紹介されています。それによると、親が元気なうちに親の貯蓄を確認し、親・兄弟とともに介護の金銭的負担をどうするのかを相談しておくことが大事とのこと。いずれ介護が必要になるときのことを考え、兄弟3人で毎月5千円ずつ「介護貯金」をしたという人の話も紹介されていました。誰が中心になって介護するかを、はっきり決め、その上で分担を決めることが大切だとも紹介されています。
兄弟間でしっかりコミュニケーションをとり、それぞれの立場でできることを分担することが大切な親の介護。一緒に育った子どもの頃を思い出して、力を合わせて乗りきりたいですね。
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この記事の寄稿者
ノック
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。