車いすマークの駐車スペースはだれのためにある?
車いすマークが描かれた駐車スペース。駐車場のなかでも施設の出入り口の近くによくありますね。この駐車スペースは障害者等用駐車スペースといいます。車いすの人が乗り降りするにはドアを全開にできる幅が必要なため、通常よりも広いスペースが確保されています。
そんな配慮のある障害者等用駐車スペースですが、必要のない人が駐車してしまい、本当に利用したい人が駐車できずに困ることがよくあるそうです。そのため国土交通省ではパンフレットを作成し、障害者等用駐車スペースの正しい利用を呼びかけています。
ところで、そのパンフレットに登場する「パーキング・パーミット制度」という制度を、皆さんご存知でしょうか?
パーキング・パーミット制度とは?
地方公共団体が主体となってすすめている「パーキング・パーミット制度」。これは、障害者等用駐車スペースを利用できる条件を決め、その条件をクリアする希望者に利用証を発行するというものです。障害者等用駐車スペースに駐車する際は、その利用証を車外から見えるように掲示します。それではその導入例を2つみていきましょう。
おいでやす♪ 「京都おもいやり駐車場利用証制度」
京都府の「京都おもいやり駐車場利用証制度」。ユニバーサルデザインの理念をもとに、何らかの障害のある人や高齢者、妊産婦・ケガをした人が障害者等用駐車スペースを利用しやすくなるように取り組んでいます。平成27年5月1日現在、協力駐車場の数は1116施設。「おもいやり駐車場利用証」は他県でも利用することができ、平成27年1月現在、31府県1市で相互利用が可能になっています。
火の国 「熊本県ハートフルパス制度」
熊本県では、「熊本県ハートフルパス制度」としてパーキング・パーミット制度を運用しています。商業施設や道の駅、観光施設や宿泊施設など2020の施設が協力しています(平成27年6月30日現在)。通常、妊産婦さんの場合には妊娠7か月~産後3か月の間で利用証が発行されますが、多胎妊娠や切迫流産の恐れがある場合には、この限りではありません。この熊本県のハートフルパスも、平成26年1月から全国31府県で利用できるようになりました。
必要な人が必要なときに利用できることが大切
このように、高齢者や妊産婦さん、ケガをした人にも優しい障害者等用駐車スペース。ただ、利用対象者の全員が幅広い駐車スペースを必要としているわけではありません。幅の広い駐車スペースと通常の幅の駐車スペースの2種類を設置することで、利用者間でもゆずりあいができるような工夫をしているところもあるようですよ。必要な人が必要なときにきちんと使える、そんな駐車場の使い方が当たり前になるといいですね。
-
関東 [12230]
-
北海道・東北 [6915]
-
東海 [4888]
-
信越・北陸 [3312]
-
関西 [6679]
-
中国 [3581]
-
四国 [2057]
-
九州・沖縄 [7730]
この記事の寄稿者
ノック
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。