介護の仕事をしているだけなのに…
親に介護が必要になったら、だれでも戸惑いを感じてしまいますね。それは、介護の仕事に携わっている人でも同じ。そして、普段の生活や仕事を抱える中で、新たに介護を行う生活に適応していかなければならないのも共通していえることです。にもかかわらず、周囲からは「介護の仕事をしているから親の介護も安心よね」といった期待が自然と集まります。
それに応じるように介護を引き受けた結果、さまざまな悩みが出てくるようです。
うまくいかないのは、親子だから
コミュニケーション能力が高く、職場では適切な判断を下している人でも、自分の親の介護となるとなかなかうまくいきません。仕事では介護する側と介護を受ける側の関係ですが、そこにこれまでの親子関係も加わってくるのです。
誰だって、変わってしまった親の姿は簡単に受け入れられるものではありませんね。仕事であれば抑えられる感情も表に出てしまい、普段の自分を保つことが難しい状況にも気づく。こんなはずじゃなかった…と思いつめ、必要以上に自分を責めてしまう責任感の強い方が多いのではないでしょうか。
仕事は終わっても、親の介護は24時間続く
どんなことでも、仕事であればある程度割り切ることはできます。ハードな仕事に分類される介護職も、職場を出れば仕事は終わり。ですが、そこからまた親の介護が休みなく続くのです。介護の技術や知識を持っている分、日々のケアは問題なくこなせるかもしれません。ですが職場と違い、親の介護は自分一人で判断しなければならない場面が多く出てきます。プロだからこそ、少しの見落としが後悔へと繋がり、自分を責めてしまうことに繋がったりするのです。
直接的な介護以外にも、仕事中に利用する介護サービスの調整、緊急時の対応、施設探し。疲れて誰かに頼りたい状況でも、近くに頼れる人がいなかったり、「任せておけば大丈夫」という周囲の気持ちを感じてしまったりします。判断力も十分に働かないような精神状態で、重要な判断をしなければならないことだってあるでしょう。
もしかすると、自分自身も介護職だから「して当然」「できて当たり前」と思ってしまってはいないでしょうか?
プロがプロの力を積極的に利用することへの周囲の理解
介護を担う立場とはいえ、普段の生活は守らなくてはなりません。周囲の期待があったとしても、実際には親の介護が困難な場合もあります。中には親の介護を自分の手で行いたいと願う人、そのために介護職を志したという人もいらっしゃるでしょう。そんな場合でも、すべてを一手に引き受けることはなるべく避けていきたいところです。
プロもプロのサービスを利用する権利があります。親子がお互いに快適な介護生活を送れるよう、制度やサービスの知識を生かしながら周囲と相談して進めていくこと。周囲も逃げ場を作ってあげることで、介護者の燃え尽きを防いであげることができますよ。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。