長生きすることは幸せなこと?
世界的な長寿大国日本。
平均寿命が60歳に満たなかったころ、「長寿」という言葉のとおり、長生きすることは喜ばしく幸せなことでした。ですが、今や平均寿命は男女ともに80歳を超え、100歳まで生きることが珍しくなくなっています。寿命が伸びるにつれ、どうやら長生きに対する人々の感じ方が変わってきているようです。
年齢が高いことは幸福にマイナスに影響する
全国の15歳以上80歳未満の男女を対象にした調査から、日本人のどんな要因が幸福度につながっているのか推計したものがあります。そこでは「幸福にマイナスに影響するもの」として「年齢が高いこと」があげられています。
諸外国では、高齢になるとこれまでの生き方や考え方をリセットし、残りの人生を楽しもうと気持ちを切り替える傾向があります。ですが、日本は年を重ねることを好ましく思っていないところがあり、高齢者となっても幸福度は若いときほど上がらない結果がでています。
100歳を超えるともはや別次元!?
ただ、80歳を超えてくると、性別、環境、身体状態に関係なく現状を肯定的にとらえる傾向に変化することがあるようです。さらに100歳を迎えると、あらゆることに幸せを感じる「多幸感」を抱く方が多いという百寿者に関する研究結果もあるのです。
老いを受け止め将来への不安が薄れ、肯定的で穏やかな気持ちで過ごすことのできるこの状態は「老年的超越」と呼ばれています。若いときほど強い幸福度ではないものの、また違った種類の幸せを感じているということなのでしょう。
出典:http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/
一人暮らしの高齢者は、男性よりも女性の方が幸せ
今度は、平成27年版高齢者白書の中から「一人暮らし高齢者に関する意識」についてみてみましょう。65歳以上の一人暮らしの高齢者に「とても幸せ」を10点、「とても不幸せ」を0点として、現状を数値化してもらいました。
すると、女性の約半数が10点から8点の高得点をつけたのです。一方の男性はというと…高得点の割合は女性の半分以下にしかなりませんでした。男性と女性に差が出た要因のひとつに、男性は人との交流をそこまで積極的に行っていないことがあるのかもしれません。ただ、結婚していればこの点数が上がるかといえば、そうとも言い切れません。幸福度は夫婦の仲の良さと比例することが分かっており、夫婦仲の良し悪しが幸福度に影響するからです。女性は一人暮らしであっても、話し相手や楽しみを求めたりすることで心の健康を保っているようですね。
長生きは幸せ?それとも…?
どうやら、幸せはそのときの環境やその人の考え方、そして年齢などの影響を受けながら変化していくようです。長生きした先に待っている老年的超越を体感することで、その答えを得ることができるかもしれません。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。