「高額な健康商品を大量に買い込んでいた」「何回も同じ物を買ってくる」
身近でこんな話を耳にしたことはありませんか?
認知症で記憶力や判断能力が低下した患者さん。ついつい必要ない物を買ってしまったり、買ったことを忘れて何個も同じ物を買ってしまったり、というトラブルが増えてきているようです。数百円程度の日用品ならともかく、高価な家電製品や健康食品の場合は、ご家族としても「契約を取り消したい」「返品したい」と考えますよね。
もし認知症のご家族がこういった買い物トラブルを起こした場合、どう対応すればよいのでしょうか。
出典:http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/
返品対応は、お店の判断によってまちまち
一般的に知られている「クーリングオフ制度」。これは契約書を受け取ってから8日以内は自由に返品が可能な制度です。ただし、これが適用されるのは訪問販売や電話勧誘など、向こうから商品の購入や契約を持ちかけてきた場合のみ。こちらから直接店舗に出向いて買い物をした場合、通信販売で商品を購入した場合は適用されません。
実店舗やネットショップでは、独自の返品ルールを設けている所がほとんどですね。「認知症の家族が買い物したから」という理由で返品ができるかどうかというと…。大阪市消費者センターによると、「返品・交換はそのお店のサービスとなり、あくまで店側は返品に応じる義務はありません」。つまり、各お店の判断にゆだねられることになります。
「成年後見人制度」で、家族が代わりに契約を取り消せる
ただし、家庭裁判所で「成年被後見(または保佐、補助)人等」の審判を受けている方が単独で行った契約や買い物は、法律上無効とみなされます。この場合、「制限行為能力者」の本人に代わって成年後見人(ご家族等)が契約の取り消しや返品を求めることができます。
日用品の購入は「制限行為能力者」だからという理由で取り消すことはできませんが、少額の買い物ならお店が対応してくれることは少なくないようです。
失敗したことを怒るより、失敗しにくい環境を作ってあげて
認知症の方は、ささいなことでも自分の失敗を指摘されるのを嫌がり、隠したがるものです。きつく注意するよりは、「今度は一緒に選びに行こう」「出歩くのは大変だろうから、買い物は私にまかせて」など、やんわりフォローを入れておきましょう。
それよりも大切なのは、買い物トラブルを防止するための対策。必要以上の現金やカード類を持たせない、ご近所に行きつけの店があれば一声かけておく、などの対応をしておくのも良いかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。